東京工業大学技術交流セミナー

海外サンベルトで利用する

ロータリー式太陽反応炉の開発

炭素循環エネルギー研究センター

玉浦 裕

May 8, 2008

 

先輩のK氏に紹介されて大田区産業振興協会で開催されたセミナーに出席した。

サンベルト地帯とはハドレーセルの大気循環が下降流となる緯度30度地帯で北半球ではタクラマカン砂漠、北アフリカのサハラ砂漠、米国のソナーラ砂漠地帯に相当する。南半球ではオーストラリア、南アフリのカラハリ砂漠地帯である。


タワー集光型太陽炉による水素製造

東京工業大学炭素循環エネルギー研究センターの玉浦裕教授はNEDOの資金援助を得て、この サンベルト地帯に設置するタワー集光型太陽炉でフェライト系セラミックスを1500oCに加熱し、酸素を熱分解で分離して還元状態にし、そこに水蒸気を吹き込んで水から酸素を奪うと水素が発生するというサイクルを繰り返すロータリー式太陽炉の開発を 行っている。

MOox = MOred + 1/2O2

MOred + H2O = MOox + H2

得られる水素の発熱量換算での太陽輻射の変換効率15%を目標にしているとのこと。

この他にも、石炭や天然ガスを水素、メタノール、DMEなど低炭素燃料に変換する改質反応にソーラーセル発電の電力で水分解して得られる水素を使うとか、集光式太陽熱で溶融炭酸塩に蓄熱し、吸熱反応である改質反応器への原料の余熱に使うするなどの研究している。

May 24, 2008

Rev. December 16, 2012


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