緊急シンポジウム

Beyond Harber-Bosh process

アンモニア合成のブレークスルーを目指して

東京工業大学主催

科学技術振興機構共催

 

東工大の細野秀雄教授が開発した12CaO-7Al2O3エ レクトライド(電子化物)にルテニウムを担持した新規アンモニア合成触媒をNature Chemistry 2012/10/22に掲載したところかなり反響があったということで、外国に先を越されないように研究してくださいという宣伝セミナーにでかけた。民間 事故調のリーダーだった北沢宏一先生がパネルディスカッションの司会をしていた。

12CaO-7Al2O3エレクトライドとはセメンの原料となる酸化カルシウムとアルミナを焼結するとナノメートルサイズのカゴ型構造となり、カゴの中に酸素イオンが入っている。この酸素を電子に入れ替えたものがエレクトロライドである。この12CaO-7Al2O3エレクトライドの表面にルテニウムの微粒子を担持させるとアンモニア合成の活性化エネルギーが半分になるというものだ。

細野教授は従来の触媒は古典的なハーバーボッシュ法では鉄系のアモルファス構造の表面積の大きな物質だ。劣化がなくプラント寿命中交換は3回程度。ルテニ ウムをカーボンやアルミナ表面に担持した改良型は水素の分圧が高いと活性低下があるため最終段にしか使えない。今回の12CaO-7Al2O3エレクトラ イドは液晶や太陽電池に使われる酸化インジウム・スズ(ITO)や酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(IGZO)などの透明電極に使われる均一構造と同じも のである。電子が動きやすく、超電導材料にもしやすい結晶構造をしている。この表面にルテニウムを担持すると窒素の三重結合が切れやすくなり、活性化エネ ルギーはルテニウムの半分になりかつ水素被毒もない特徴がある。

会の冒頭にハーバーボッシュ法開発に最大の貢献をした田丸節郎氏の直系の子孫にあたる田丸健二東大名誉教授の講演があった。私の転換燃料製造法掲載の図がスライドに出てきてビックリした。以前先生にお会いした時に話したことを覚えていてくださったようだ。

December 16, 2012


IGZO透明電極をつかった省エネ型液晶はシャープによって実用化されている。そのシャープ自身がNTT docomo AQUOS PHONE ZETA SH-02Eとして発売した。仕様は
OS: Android 4.0 Ice Cream Sandwich
CPU: Qualcomm Snapdragon S4 Pro APQ8064 Quad-core 1.5GHz
GPU: Adreno 320
である。
Qualcomm SnapdragonやAdreno 320も中身は英国のARM社の設計であろうか。ようやく日本製のスマホがでてきたが、果たして価格はどうか?買い取りで4万円らしいがちと高いか?ソニーも同じプロセッサを使っているようだ。
ARM社は米国のテキサス・インスツリューメンツなどで働いた人が創業者で携帯電話などの省エネプロセッサーの設計で名を挙げた企業だ。クワルコムにライセンスするだけのファブレス企業だ。東芝も提携して産業用プロセッサを製造している。

December 19, 2012

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