規制緩和の期待

グリーンウッド氏は下記2項の規制緩和を熱望しております。

(1) 高速道路および自動車専用道路での自動2輪の2人乗り禁止の廃止

(2) 高速道路での自動2輪の速度制限時速80キロから100キロへの引き上げ

(3) 米国で合法なハードトップ取りはずし禁止の廃止

1.1965年改正の道路交通法第71条の4、第3項規定の高速道路での自動2輪の2人乗り禁止は道路運送車両法では自動2輪の定員は2名となっており法に一貫性がありません。

米国ダイナミックリサーチ社の統計によれば米、英、フランスでの高速道路での二輪車の事故発生率は一般道路の1/5から1/6である。米国における2人乗りと単独走行の死亡事故率は単独の方が5倍も高いということです。

夫婦2人で遠乗りを楽しもうと思っても危険な一般道路を使わざるを得ず、結局4輪車を使うことになります。悪法といわざるをえません。

規制の動機は、高速道路が普及し始めた1960年代、無謀な若者が2人乗りで事故を起こした時、感情に動かされやすい世論に乗り、統計もなく、事実誤認のまま始めてしまった世界で日本だけの過剰規制です。

もし若者の無謀運転が怖いなら、年齢制限を設ければ良いのではないでしょうか。

規制撤廃は事故の減少ばかりでなく、地球温暖化にも貢献します。なにせ重量300kg, 1,340ccのハーレーダビッドソンですら、燃費は25km/literです。

ハーレーダビッドソン社が折々に訴えておりますが、警察庁は動こうとしません。ついにハーレーダビッドソン社の呼びかけでオーナーが陳情書に署名して警察庁長官に提出することになりました。グリーンウッド氏も1999年の秋、署名しました。

長年のハーレーダビッドソン社および米国政府の働きかけが実り、1999/11/24ついに規制撤廃に関し、決定的な影響力を持つ市場開放問題苦情処理推進会議(OTO)の第1回専門家会議が「高速道路での自動2輪の2人乗り規制」に関し開催されました。2−3ヶ月以内にOTOより方向性が打ち出されるとのことです。

2.時速80キロで走行中100キロの車に追い越される時は恐怖を覚えます。皆が同じ速度で走る方が安全です。現在の2種類の速度の車が混在するほうが危険です。規制は科学的合理性を欠いております。

3.については具体例で説明ましょう。クライスラー社のジープ・ラングラー・サハラのハードトップは取り外し可能に設計され、米国ではソフトトップと同じにハードトップを取り外して公道上を走行可能にもかかわらず、日本では取り外しが許可になりません。

クライスラー社が余計なコストアップを危惧したためですが、理不尽な追加試験と改造を要求されるからにほかなりません。

ロードスターが保護用のロールバーなしでもソフトトップが取り外せるのに、保護用のロールバーが完備しているラングラー・サハラのハードトップの取り外しが不可というのは安全のためという理由ではないことは明白です。

またジープ・ラングラーはフロントガラスが前に倒せる設計になっているのに、日本では許可になりません。

ローマ法王がパレードする時に、これを前に倒しているにもかかわらずです。条文に書いてあるからという理由のようですが、なにもしないのは単なる怠慢といわれても止むをえないでしょう。

規制緩和して皆で楽しみを増やし、景気を良くしようではありませんか。

 

以上を1998年に書き、1999年にフォローアップしたが警察庁が慎重で動きがないとの報道があっただけでこのところずっと静かでした。2002/12/6の新聞に二人乗りのバイクの高速道路乗り入れを良しとする道路交通法の改正案が民主党と自由党の議員立法として2001年に提出され自民党の小里貞利総務会長も同調して合意寸前まで行ったが、 競艇一族の2代目ボスでもある笹川尭自民党副幹事長が死亡率が高いことと暴走族があがることを理由に猛反対してこれをつぶしたとのことです。笹川の理由は非科学的タメニする議論でしょう。なにか他の目的があるのでしょうか。世界で日本と韓国だけが不合理な禁止をしているのです。警察庁も反証となる科学的統計を公表すれば、今まで何をしていたのかと思われるのでそっとしておきたいのではと勘ぐられますよ。小泉さんにはぜひ国会を解散してほしいと希望してます。

2002/12/6追記

2005年4月、晴れて二人乗りのバイクの高速道路乗り入れが可能になった。実に10年の歳月がかかった。

Rev. April 2005


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