三浦半島

小網代の森

2014/8/20、 炎天下 であるが1リットルの飲料水をもって「小網代の森」にでかけた。18日の朝日の夕刊に紹介されたからである。何度も油壺にはでかけたが、ここに原始林が 残っているとは気が付かなかった。車ででかけても大回りさせられると思っただけである。ボートで海からアクセスしても小網代湾の奥は鬱蒼たる森という記憶 しかない。地図にもなにも描いてない。

高度成長がスローダウンした1980年にここにゴルフ場建設のはなしが出たそうだが慶応大の岸由二名誉教授らの保全運動とバブル崩壊が重なって計画はとん 挫。長洲知事が1995年に保全を宣言し、以降岸由二名誉教授が代表を努めるNPO法人が森の管理をしてきたという。最近川に沿って散策路が整備され、一 般開放されたという。

なんでもついでにと長谷で下車して甘網神明宮に立ち寄った。逗子→金沢八景→三崎口と移動し、油壺行のバスに乗る。運転手は「小網代の森」の入 口は「引橋」かシーボニア入り口だという。シーボニアは知っているのでそこからスタートすることにした。

バス停からカーブした坂道を下ると見覚えのある小網代湾が眼下に広がっている。2004年に大学同期の安部君がヨット部同期の鈴木氏らが所有する36 フィート艇、ケロニア号、 (Kelonia)の乗艇会に参加したとき以来だ。ケロニア号はいまもこの中に係留されているのだろうか?



小網代湾

小網代湾南岸を湾最奥部に向かって歩く。水は透明できれいだ。大きなカニをつっている親子がいた。



小網代湾最奥部

湾最奥部にはボートハウスがあり、その裏は白髪神社だ。ボートハウス手前を右に曲がり、奥へ向かうと道は尾根を越えて小網代の森の湿地帯に入る。湿地帯に はアシやオギが生い茂っているが木道が整備されて歩きやすい。



小網代湾最奥部を陸側から


水中にはアカテガニが見える。サラサヤンマやゲンジボタルもいるという。

アカテガニ

源流から河口の干潟まで横断する道路やダムもなく、排水を流す工場もない。流域の生態系が丸 ごと残る極めて貴重なところだという。1990年横浜で開かれた国際生態学会の合間に訪れた欧米の研究者が北半球の同緯度では、多分ここだけの生態学的絶 景と絶賛したという。ならば我が鎌倉の広町緑地もアカテガニこそいないが、似たような生態系が保存されている。違いは遊歩道がないから夏は歩きにく いだけだ。



エノキ

草原化した場所にはエノキとおぼしき大木が立っている。



ハンノキが生い茂る森

遊歩道は緩やかな坂を登り、ついに引橋につく。バスで三崎口駅に帰る。散策は引き橋から入っ てシーボニアに下るのも一興であろう。

August 20, 2014


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