茅ヶ崎里山公園

県立茅ヶ崎里山公園なるものが2001年10月28日に開園になるというので、開園前だがちょと覗きにでかけた。一昨年の2月に柳谷戸(やなぎやと)という里山を散策したことがある。多分そのあたりを県が買い上げて公園にしたのだろうと見当をつけたのである。

文教大学の裏はまだ道路とか西駐車場が工事中だったが、東駐車場が完成しており、そこに駐車。あたり一面林を切り払い、風通しをよくして風の広場などと称している。2年しか経っていないのに、まるで浦島太郎の心境である。しかしこれも進歩なのだろう。近くの子供達が楽しげに自転車で園内を走り回っている。

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里山公園入り口

しかし、我々は新規開発部分には魅力を感ぜず、かって道無き林の中をさまよった森を求めて、まだ公園化工事未着手の木立の中に入った。なつかしい、腰掛け神社前から柳谷戸に入る。

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尾根沿いの林間散策路

そこは少なくなったとはいえまだ水田があった。その奥はもう放棄されて、ススキ、ガマノホ、背高アワダチソウが茂る原野となっている。里山には鎌倉の広町と同じく、青色染料の原料となるクサギの潅木も散見される。むろん褐色染料の原料となるドングリも沢山落ちている。

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ススキ、ガマノホ、アワダチゾウが茂る原野

残された水田には白サギが一匹、我々を警戒しながらも足で水底をかき回しながらなにやらエサをついばんでいる。足をブルブルとゆすって泥をまさぐる様子がやけに人間臭い。いや我々の方がサギに似ていると言おうか。いたたたまれず、泥中から水中に這い出た虫などをくちばしでサッと捕まえている。

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柳谷戸の白サギ

この人里離れた柳谷戸(やなぎやと)をどこまでも遡ってゆくと急に森が開け、新規造成中の里山公園入り口にもどる。この落差にめまいを覚えながら、帰路につく。約1時間の散策であった。

それにしても開園式のためか、おびただしい花が用意されていた。冬がきたら枯れてしまうだろう。地山の樹木は魅力ないと判断したのか一部を残し、ほとんど伐採して新たに幼木を植林している。というわけで今はハゲ山である。10年後経てば快適にはなるだろう。それまではガマン。昔の里山はどこかに消えてしまった。

2001/10/25


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