房総

伊予ヶ岳・富山

2007年12月12-13日、wakwak山歩会は 初めての房総の山々を愉しんだ。房総のマッターホーンといわれる伊予ヶ岳(337m)と滝沢馬琴の名作、南総里見八犬伝の舞台になった富山(とみさん 342m)を攻略方々、来年の登山計画を決定しようというわけである。

第1日目

江ノ電の一番電車で藤沢経由、横浜駅に向かう。東口バスターミナルからアクアラインバスに乗って木更津に向かうためだ。東京湾東岸の電力会社や石油会社の 社員の通勤バスのようだ。バスは10分間隔で発車している。袖ヶ浦で90%の乗客は降りてしまい、それぞれ置いておいた自転車で勤務先に散っていった。

木更津からJRに乗って内房線の岩井駅に向かう。途中、浜金谷駅でコンチャンが合流、久里浜からフェリーでやってきたのだ。この方が近いと分かる。

岩井駅からは1台しかないタクシーを拾って伊予ヶ岳登山口の平群(へぐり)村の天神社に向かう。天神社は伊 予ヶ岳を背負って建っている。

伊予ヶ岳を背負って立つ天神社

神社脇には戦前まで使われた木製の花火打上げ筒が残されていた。二つ割りにした木材の中をくりぬいて竹のタガをはめたものだ。大砲の型をしている。

平群の花火に使用された木製の打上げ筒

伊予ヶ岳の展望台まで登ると午後に予定している富山の双耳峰が見える。そこに至るまで越えて行く丘が心地よさそうだ。展望台から山頂まではロープのある急 斜面でグリーンウッド氏が苦手の斜面だ。房総のマッターホーンといわれるだけある。途中までよじ登ったが、 ロープがどこまでも続いているので嫌気がさし、展望台で皆が山頂に登ってくるのを待つことにした。 ヘルメットを持ってきたのだが、クワバラクワバラ、君子危うきに近寄らずだ。皆を待つ間、ゆっくりと昼食をとる。南東の方角に見えるのが御殿山 (364m)で山頂の大木は乳首のように見える。真東には房総の最高峰の愛宕山(408m)がみえるはず。山頂に白い筒のような航空自衛隊のレーダー建屋 があるそうだが、山頂に登らなかったので見そびれた。愛宕山の北斜面には大山千枚田がある。愛宕山登山は航空自衛隊の許可がいるとのことだ。

グリーンウッド氏の住んでいる七里ヶ浜の丘の上にある自宅からは双眼鏡でみれば三浦半島の小網代湾の上に房総の州崎にある大山(194m)が小さく頭を出 しているのが見える。上空140mまで飛び上がれば、三浦半島の大楠山の右手に富山が左手に愛宕山が頭を出すはずであるが、丘の上に立ったままでは三浦の 山にさえぎられて見えない。

伊予ヶ岳展望台から富山を望む

展望台から県道89号線に向かって下ると、伊予ヶ岳の全貌がよく見える。のどかなところだ。伊予ヶ岳も双耳峰だ。写真では右手の岩場が高く見えるが、左手 奥の峰の方が少し高い。

県道89号線に出る直前で伊予ヶ岳を振り返る

小高い丘を越えて吉井の部落に入ると、水車小屋などが復原されている。富山への登山口を探していると、一匹の犬がやってきて先導をはじめた。山頂に向かっ てどこまでも先導するつもりらしい。首輪も鑑札もつけている。 まだ若いメスの飼い犬のようだ。里見一犬と名付けて先導するがままにさせた。いつも登山客を見つけては先導しているらしい。コンチャンがお目当てはおやつ であろうと検討をつけて与えるとはたしてそうで嬉しそうにシッポをふって、食べ終わると元気一杯、道案内に復帰する。

富山登山の先導を勤めた里見一犬

道は狭いが、山頂まで車が入れる。富山の北峰は樹木が伐採してあって見晴らしはよい。浦賀水道と三浦半島の先が見えるが、富士山はかすんでみえない。皇太 子御一家散策のと下手な字で書いたどこかの知事の碑と植樹の跡があった。

尾根を越え、伏姫籠穴に向かって下り始めると、里見一犬は先導をやめて引き帰えしていった。急坂を谷間に下るとそこに犬塚と伏姫籠穴というものがあった。 南総里見八犬伝に出てくる伏姫が籠もったという洞窟である。

2013/2になってNHKアーカイブズで坂本九が名調子で語る人形劇新里見八犬伝をみた。犬塚と伏姫籠穴がすべての発 端とフィナーレの場と知る。464回毎日上映されたというがアーカイブズには8巻しか残っていないそうだ。テープが高価な時代で使いまわしてしまったとい う。

あとはただひたすら歩いて岩婦湖まで歩き、岩婦館で一泊した。(Hotel Serial No.411)岩婦湖の堤防が水 漏れしているとのことで水を抜いて修理していた。鉱泉を沸かしたものだが硫黄の臭いがしていい湯であった。

第2日目

朝はゆっくりして、宿の車で岩井駅まで送ってもらい、浜金谷で下車し、東京湾フェリーで久里浜に渡った。後は横須賀線で鎌倉に帰った。

December 15, 2007

Rev. February 17, 2013


トッ プページへ