言語録

シリアル番号 日付

610

2002/8/15


名言 しかしとりわけ、わたしは、肩に袋を背負って、モンテ・サン・サヴィーノからシエナにかけての街道を、もう一度、歩きたいものだ。かのブドウとオリーブの畑・・・その香りは今も鼻に染みているのだが・・・にそい、地平線のかなたまで伸び広がっている、青みがかった凝灰岩の丘のあいだをとおってすすんでゆくのだ。そのとき、日没の方角には「ミナレット」を擁したシエナが、完璧なコンスタンチノープルの町のように雄姿を聳えたたせる。そこに、夜、到着し、お金もなく、ただ一人、泉のほとりで寝、棕櫚型のカンポ広場、まるでギリシア以来、人間がつくったもっとも偉大なものを授ける掌のようなその広場に最初に到着するのだ。
言った人、出典 アルベール・カミュ
若き日の中部イタリア遍歴を思い返して未完のノートに記す
引用した人、他 池上俊一著「シエナ


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