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シリアル番号 表題 日付

764

Freak Wave(気まぐれ波)

2003/10/29

原因不明の海難事故が発生するたびに船乗りが25-30mにも達する気まぐれ波が存在すると報告しても、誇大な話だとされてきた。線系モデルによる波浪の予測によれば30mにも達する波は1万年に1回位しか発生しないはずでだからである。

トリノ大学のアリ・オズボーン教授は量子力学のシュレ−ディンガーの波動方程式を使えば気まぐれ波がもっと頻繁に発生すると考えたが、これを実証する生データがなかった。ところが北海の石油生産プラットホームに設置したレーザー波高測定器が25mの波高を観測した。この波の波形はシュレ−ディンガー方程式の計算値と完全に一致した。気まぐれ波は前後の波からエネルギーを吸収するため、前後の波の波高は低くなるの特徴があったのである。人口衛星による波形撮影データを解析してこのような気まぐれ波はもっと頻度高く発生していることも確認できた。

現在の船は線系モデルが予測する波高から予測される15ton/m2の衝撃に耐えるように設計されているだけである。30mの気まぐれ波の衝撃は100ton/m2に達し、このような衝撃に耐える船を経済的に建造することは至難のワザである。

BBC番組

進行方向や波長がそろった波でも非線形効果によりフリーク波が発生する。1980/12の尾道丸など大型船の事故は1968-1994の間に太平洋で7件、大西洋で9件、計16件報告されている。

朝日2008/1/28


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