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719

遺伝子の多様性の喪失問題

2003/07/09

20万種ある植物のうち人が食用としているのは100種程度。平均的日本人が生涯に摂取する動物タンパク源は魚を除くとニワトリ、ブタ、ウシである。これらの栽培、飼育動植物は世代を重ねるにつれ遺伝子の均一化が進み、環境適応力は弱体化する。一方ゲノムサイズ(遺伝子量)が小さいウィルスは変異がすぐ型として現われるので遺伝的に均一化された高等生物集団は絶好のエサとなる。

最近経験したブラジルのカンキツ類被害がその例。日本のコメ栽培もモノカルチャー(単一品種の栽培)であり、病害虫、異常気象に弱くなっている。

朝日新聞2003/7/9 内山博文東大教授

北朝鮮の飢餓もトウモロコシのモノカルチャーと推察されている。高田藩による笹ヶ峰の馬鈴薯栽培の疫病による失敗もこの例。経済性を犠牲にしても混植栽培が望ましいのだが、クライシスが発生して手遅れになるまで経済性が重視されるであろう。三陸の津波を同じこと。今はグローバルな時代で地球規模で穀物の流通が行なわれるようになり、全人類が狭い遺伝子のセットに依存するようになっている。SARSではないが、もし米国、オーストラリア、南米の穀物を襲うウィルス病が突然変異の結果発生すれば、人類の過半数は飢餓に陥るであろう。日本も基本食糧生産は経済性とWTOの合意とを無視しても混植栽培により継続すべきで、イラク派兵より優先して小泉内閣が着手すべき政策というものではないかと思う。

その後の調査で北朝鮮の飢餓は化学肥料が不足しているという単純な問題と判明した。


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