メモ

シリアル番号 表題 日付

1072

アンダルス(Andalus)

2006/08/27

歴史的にスペインのアンダルシア地方を中心とするイスラーム勢力統治下のイベリア半島一帯のことを漠然と指すイスラム世界の呼称。

語源的にはゲルマン人の一派ヴァンダル人(アラビア語 アル・アンダリーシュ)の名前が訛って変化したものと考えられている。レコンキスタでイスラーム勢力統治領域が狭まっても、史料でキリスト教諸国の領域はアンダルスとして扱われることはほとんどない。これは武力ではキリスト教側が勝っても、文化的にイスラム側が勝っていたため、フェルナンド=イザベル女王によるイベリア半島統一後、アラビア語禁止、言語純化、宗教浄化、民族浄化運動が生じて、アンダルス時代をスペインの歴史から抹殺したためである。そのため西ゴート時代から直接カスティーリア王国ができたように歴史が書かれることになった。

J・H・エリオットの「スペイン帝国の興亡 1469-1716」にもアンダルスのことは書かれていない。


ギリシア文明はアレクサンドリアにおいてアラビア語に翻訳され、アンダルス時代、トレドにおいてラテン語に翻訳された。ボローニャ大、パリ大、オックスフォード大の基礎はトレドで学んだ人々によって固められた。こうしてイタリアでルネッサンスが始まる400年前に真のルネッサンスはアンダルスで始まっていたのである。

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