小話集

シリアル番号 4

書名

商社マンのうちあけ話ー船をかついで世界を駆ける

著者

細木正志

小話タイトル

シンガポールの電車のアナウンス

駅や車内でのアナウンスは時として耳障りなものです。「お忘れ物ございませんように気をつけてお帰り下さい」ならまだ良いとして不必要なことまで長々と述べ肝心なところは良く聞こえなかったりする場合もあります。 電車の車内放送などで「毎度ご乗車有難う御座います。次はぁ 多摩川! 多摩川で御座います。」という具合です。出だしは大きな声で始まるのですが、肝心の多摩川のあたりは小さな声でさらりと通過するので聞き取れなかったりするものです。

対照的なのがシンガポールの電車のアナウンスです。次の駅の名前を2度いいます。停車場の駅が2,3分の後となると車内アナウンスは突如叫びます「オーキッド!」と一言だけです。そして電車がホームに入っていよいよドアの開く寸前にもう一度「オーキッド」と言います。2,3分前に予告アナウンスをして直前に確認アナウンスを流すとの主旨だと思います。それ以外の一切の情報はありません。必要にして十分というわけです。


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