読書録

シリアル番号 1286

書名

英語と英国と英国人

著者

吉田健一

出版社

講談社

ジャンル

随筆

発行日

1992/5/10第1刷

購入日

2016/08/20

評価



文芸文庫

家人の友人の蔵書。拾い読み。読んだのは

●英語の感覚;ある言葉を美しいと感ずる感性は言語間に差はない。

●チャーチルと沙翁;日本語の母音が5個しかなく、イントネーションがフラットのため演説には向かない言語だ。まるでお経になってしまう。チャーチルが議会でシンガポールの陥落を報告した有名な台詞
We have sufferd a defeat, an imperial defeat, Singapore has fallen...
がそれ、これはシェークスピアのブランク・ヴァアスになっているという。はてまたブランク・ヴァアスとはなにか?wikiには無韻詩,(Blank verse)は詩の一種で、規則的な韻律(meter)は持つが、押韻(rhyme)は持たないのが特徴である。英語詩において、ブランクヴァースに最も 一般的に用いられる韻律は弱強五歩格(iambic pentameter)である。弱い音、強い音を交互に5回くり返して一行を作る。ウィリアム・シェイクスピアは押韻されていない弱強五歩格でテンペストなどの多くの戯曲を書いた。ジョン・ミルトンの失楽園も ブランクヴァースだという。日本ではなにかが誇張されるとすぐ「芝居がかっている」といわれるが欧米では日常生活がすべて芝居がかっていて真剣に生きていることになる。


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