読書録

シリアル番号 1220

書名

マリリン・モンロー 7日間の恋

著者

コリン・クラーク

出版社

新潮社

ジャンル

ノンフィクション

発行日

2012/2/1

購入日

2015/01/13

評価



新潮文庫
原題:My Week with  Marilyn by Colin Clark 日本語のタイトルは誤解を生む
鎌倉図書館蔵

両親が貴族でイートン校とオックスフォード卆の23才の著者が両親の友人のローレンス・オリビエの第三監督になって「王子と踊り子」(The Prince and the Showgirl)の撮影スタッフを努めた短い期間の記録。下のBBC番組は肝心の7日間は最後に少し出てくる。

Marilyn Monroe - The Prince, The Showgirl and Me(Colin Clark Diaries)

ローレンス・オリビエとパートナーのヴィヴィアン・リーが演じてヒットした舞台演劇を映画化。Pinewood Studioで「セールスマンの死」を書いたアーサー・ミラーと再婚直後のマリリン・モンローが、ヴィ ヴィアン・リーを押しのけて踊り子になった。コリン・クラークは貴族でその顔を使ってマリリン・モンロー夫妻が宿泊するパークサイド・ハウスから、守衛、 料理人、運転手まで全て手配。



Wikiに

Marilyn Monroe and Arthur Miller, then newlyweds, spent four months (mid-July to November) in 1956, including their honeymoon, in Parkside House, Englefield Green for the duration of Monroe's work on the film The Prince and the Showgirl with Laurence Olivier.

ところがマリリン・モンローとアーサー・ミラーの夫婦が破綻寸前で、アーサー・ミラーはパリに行ってしまったっため、情緒不安定になり、撮影が滞ってい た。ローレンス・オリビエの命令でマリリン・モンローが宿泊していた家に様子を見に行ったのはいいが、そこでマリリン・モンローに気に入られ、アーサー・ ミラー不在の1週間マリリン・モンローの面倒をみた一部始終がとても奇想天外で楽しいお話し。

御忍びでウィンザー城に連れて行き、ウィンザー城の女王の図書館を管理していた自分の先生にウィンザー城を案内してもらい、イートン校の学食で昼食を取 り、誰もいないテームズ河でスッポンポンで泳いで、水の中でマリリンにキスされたり、彼女に頼まれて一晩、スプーン体勢て就寝したり、子宮内膜症のため激しい生理痛を耐えるマリリンを心配したり、マリリン・モンロー が流産するのを介護し、普通でない時間を過ごすお話し。

スプーン体勢とは男が膝を抱いて横たわり、女がそれを後ろから抱きかかえて寝るのだが、マリリンはこれで熟睡できた。23歳の若い男だが、あまりの気持ち の良さに眠るどころではなかったのだが、やがて目覚まし時計がなるまで熟睡したという。さすが英国紳士。

彼女が突然腹痛を訴え、呼んだ医者はドクター・コンネルといい、奥さんはサドラーズ・ウェルズ・バレー団を率いているニネット・ド・ヴァロア。腹痛は流産 で多分アーサー・ミラーの子。

著者はローレンス・オリビエの第二助監督の家に宿泊していたのだが、何と場所はマグナ・カルタが調印されたラニー・ミード。そもそもパークサイド・ハウス もラニー・ミードに隣接。

この6年後、マリリンは36才でバスタブで全裸で死んでいるのが発見された。血液から多量のバルビタールが検出された。自殺説、暗殺説があるが状況から他殺説が有力。著者はその後、テレビ界に入り、100を超えるドキュメンタリー映画の製作及び監督を手がけそこそこ成功し、2002年死去。

本書は2011年、サイモン・カーティス監督で「マリリン7日間の恋」という米映画になった。

Rev. February 19, 2015


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