読書録

シリアル番号 1195

書名

韓国は日本人がつくった

著者

黄文雄

出版社

ワック株式会社

ジャンル

歴史

発行日

2005/5/21
2005/6/2第2刷

購入日

2014/04/27

評価



鎌倉図書館蔵

タイトルがいいので借りる。韓国フェリーの沈没事故をみて、この国はどうなっているのか興味を持ったことも借りた動機の一つ。無責任な船長は契約社員だというが、それは直接の原因ではないだろう。

日本でも中小企業の厚生年金機構に保険に素人の元社会保険庁の役人が天下り、AIJに騙されて大穴をあけ、中小企業の厚生年金額を失ったまま知らん顔の官 僚機構が責任をとらない。2年に1回配置転換し、素人のまま一生を無為に過ごしたあげく、この様と韓国の無責任船長がダブって見える。

ということをこの本は指摘しているのかどうか?

読み始めたら私の予想と同じ結論に達するのに大分大回りをさせられた。

まず新羅は唐の応援で朝鮮を統一してから、朝鮮半島は独立国だったことはなく、中華帝国の属国だったと始まる。そし て1895年、日清戦争で日本が勝った時締結された下関条約第一条に清国からの朝鮮の独立がわざわざ明記されていることが、この本のタイトルになってい る。

それでも韓国人は日韓合併を恨んでいる。しかし合併しなければ国家の体をしていなかったため、韓国は中国かロシアの一部になっていたはず。そもそも資金不 足に加えて宮廷費と国家会計が未分化で、腐敗した役人ばかりで人材も居なかった。日韓合併は朝鮮国指導者と列強各国の国際公認下 で行われたものだ。もともと朝鮮には1000年間主権などなかったのに、奪われたというのは歴史の捏造と言われてもやむを得ない。日本政府がかれらの捏造 に付き合うのは本当の歴史を学んでいないためである。ここらへんは朝日新聞社記者になった友人Kの持論と同じ。

朱子学を国教とし、仏教を弾圧したことがこの国の形を決めた。儒教国家においては人間集団の単位は、国ではなく、氏族や宗族であり、最優先されるべきは国益ではない。そのため党派間の殺し合いがおこる。

儒家思想のコアは倫理である。社会規範として人は仁や義や礼を重んじるべきだと説く外的強制による。宗教信仰は内発的・自発的・自律的に発生するものだ。 法的規制は弱く、刑罰は重い。ワイロは横行し、罪人は拷問され、監獄は不足とひどい社会であった。日本統治がここに法治を持ち込んだのだ。ビショップ夫人 は「30年前の朝鮮」で朝鮮国民を「官吏貴族に虐げられた人々」とよびさらに朝鮮の独立は極めて困難とし、その理由を「国家をあげて独立独行の精神に欠け ている」としてき。

李朝では両班が使う漢字が貴く、朝鮮語は愚民の言語として蔑視された。福沢諭吉は漢字・ハングル混じりの文章体系をすすめた。ところが戦後李承晩のころ、行き過ぎて漢字をすててしまい言語伝達能力がおちた。漢語崇拝を絶ち、ハングルを広めたのは日本なのだ。

ではどうして韓国人は日本をうらむのか。それは両班がその権利を日本のために失ったからなのだ。うらんでいるのは両班。助かったのは庶民だがかれらにその自覚はない。

西洋社会は強者と優秀なものが有利に生存する「適者生存」社会だ。韓国は弱者や劣等者が共存する「同調生存」社会なのだ。日本人は加害者と非難されるたびに謝罪を繰り返すのでマゾヒズム的であり、大中華や小中華サディズム的だ。

これと同じ著者の「それでも中国は崩壊する」を読むと広岡知男がリードした朝日は敵に塩を送ったなーと思わざるをえない。


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