読書録

シリアル番号 1140

書名

オレンジ計画  アメリカの対日侵攻50年戦略

著者

エドワード・ミラー

出版社

新潮社

ジャンル

戦記

発行日

1994/6/20第1刷
1994/7/25第3刷

購入日

2013/04/23

評価



題:The U.S. Strategy to defeat Japan 1897-1945 by Edward S. Miller

鎌倉図書館蔵

第一次大戦後、セオドア・ルーズヴェルトがこの計画を作れといったことは事実だが、その後、政治家は興味を失った。しかし計画の組織ができると、組織は長 期間にわたってこの計画は制服組によって立案され、常に改訂されていた。計画は使えるの範囲内でこれをどう使うかということに限定された。いずれにせよ、これは政府の政策というよりは軍部内の自主的想定という位置づけであった。

太平洋戦争は航空戦力の向上という誤算もあって修正したが、ほぼこの計画通りに遂行された。原爆はオレンジプランには含まれていなかった。この出現はオレンジプランの終焉を意味した。

マハンは米国民は長期戦になると戦意喪失すると考えて、日本本土攻撃に持込み早く戦争を終結しようとしたが、日本がハワイを攻撃したことは逆に米国民に戦意を持たせることになった。

海軍中心の立案者は米国の陸軍は弱体であるゆえに海軍力でのみ日本に勝たねばならないと考えた。マハンはグアムが日本攻撃の基地になりうると主張。ところがグアムは小さく恒久的な基地は建設できなかった。このため浮きドックなどの機動的な基地で折り合いをつけた。

本書は戦史とともに比較して読むとよいと思うがその時間はない。


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