読書録

シリアル番号 1088

書名

日本中枢の崩壊

著者

古賀茂明

出版社

講談社

ジャンル

政治学・地政学・行政学

発行日

2011/5/23第1刷
2011/7/7第6刷

購入日

2011/8/27

評価



早稲田の木下先生が英国1ヶ月滞在中によめと「官僚の責任」という本 を購入。ついでに横にあったこの本も購入。ハードカバーで重いため、こちら は出発前に読破してしまった。原発事故と同時並行で書かれたようで、すでに旧聞に属する部分もあり、やっつけ仕事だなと思いながら読破。

この本の不快なとこ ろは菅首相が部下に任せず自分で判断しようとして行政の遅延をもたらしたことを激しく批判するところだ。民主党は官僚機構におんぶに抱っこだった自民党政 権の結果を摘み取っているということだと私は思っている。歴代自民党が役人にまかせっきりにして役人の堕落をも たらしたのだからこういう批判の仕方をすると、おぬしもわかっておらんダメ男と読む気がなくなる。まるでマスコミの言葉尻にのって囃し立てているだけでは ないか。 この部分はしたがって飛ばして読む。菅首相の弁明を聞くと、半円状の避難区域を決めたとき首相の前にすわっていた保安院委員長の寺坂信昭は文部科学省の SPEEDIの予測を首相に伝えず、半円形の避難区域を 決めることに加担したのである。無論安全保安委員長の斑目春樹委員長も一緒であるが、両者とも首相に伝えることはなかった。ゆえに官邸は3月20日まで SPEEDIの存在を知ることはなかったという。この職務怠慢の犠牲者は浪江町山間部から飯館村長泥周辺の高線量地区の人々である。彼らは南相場からの避 難民を助けるために炊き出しをしていたのだ。こういう事実を棚に上げて一方的に首相を非難する著者古賀茂明はかなりいい加減な男でやはり悪の官僚に一人に すぎないと思う。

民主党も民主党でおぬしそういううならやってみよと蓮舫行政刷新相が古賀氏を補佐官に任命したらおもしろいとおもうの だが古賀氏を首にしてしまった。ドットもどっち。これでは政治はよくならない。

ただ氏が長年温めてきた部分は私も同じことを考えてきたため、さもありなんと思いながら読んだ。そこだけが評価できる。

Rev November 5, 2011


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