読書録

シリアル番号 1066

書名

ビルダーバーグ倶楽部

著者

ダニエル・エスチューリン

出版社

バジリコ株式会社

ジャンル

ノンフィクション

発行日

2006/11/17第1刷
2006/12/20第2刷

購入日

2010/09/08

評価

原題:The Real Story of The Bilderberg Club by Daniel Estulin

鎌倉図書館蔵

図書館で手に取りパラパラとページをめくって驚きをもった。アントニオ・ネグリとマイケル・ハートが示唆する超国家的組織体はG7やダヴォス会議が含まれると認識していたが、ビルダーバーグ倶楽部はもっと奥の院という感じだ。早速借りて読む。

なぜ米国がグローバル化を推進して自らは衰退する道を選んだのか不思議に思っていた。陰謀史観には立たないが、西欧のエリートが裏で グローバル化を推進する合意があったとする説は説得力がある。米国の主要メディアはすでにこの倶楽部に取り込まれているため、合意の内容は報道されないという。ただその圏外にある日本のメディアがなぜ沈黙をまもるのか分からない。なにも知らないためなら寂しい。

著者のダニエル・エスチューリンは集めた情報から全体像を構築する。しかし陰謀史観が強すぎるきらいがあるためそのまま鵜呑みにできない。wikiで調べる。それによると

Bilderberg Group, Bilderberg conference, Bilderberg Club, Bilderberg Society)は、1954年から毎年1回、欧米各国で影響力を持つ王室関係者・欧州の貴族や政財界・官僚の代表者など約130人が、北米や欧州の各地で会合を開き、政治経済や環境問題等の多様な国際問題について討議する完全非公開の会議である。ビルダーバーグ・クラブ、ビルダーバーグ・ソサエティとも呼ばれる。「陰のサミット」と呼ばれることもある。出席者リスト、議題は公表され、欧米のジャーナリストも招待されるが、会議での討議内容は非公開であり記事になることはない。

ジョセフ・レティンガー(Joseph Retinger)とオランダのベルンハルト殿下の働きによって創設された。冷戦中に、欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国と米国の橋渡しを目指したとされる。第1回は1954年5月29日から31日にオランダのオーステルベーク(Oosterbeek)のビルダーバーグ・ホテル(the Hotel de Bilderberg)で開かれた。1970年代頃からその存在を一般に知られるようになった。

ビルダーバーグ会議は欧米の王族、貴族、企業家などの代表者による会議であり、非欧米諸国からの出席者は少ない。メンバーの中心は、デイヴィッド・ロックフェラーやキッシンジャーなどの中道派(国際協調主義)である。ネオコンと呼ばれる人々にも会議の常連が存在する。G8、NATO等の首脳会議の決定に会議で話し合われたことが影響を与えるという指摘や、メンバーが外交問題評議会とかなり重複しているという指摘があると言う。日本を含めて、非欧米諸国からの参加者は中東、イスラエルを除きほとんど存在しない。ビルダーバーグ会議が日本の受け入れを拒否したため、1973年に日米欧委員会(2000年より三極委員会)が設立されたと言われている。ビル・クリントン、やトニー・ブレアが大統領や首相になるまえにこの会議に招待されている。

ダニエル・エスチューリン、ジェームス・P・タッカー(Jim P.Tucker,Jr)はこの倶楽部のウォッチャーである。

という。

2009年5月14日-16日ギリシア・アテネで開催されたがその直後、ギリシアの財政破綻が明らかになった。2010年6月のスペイン・シッチェス会議には日本人がただ一人招待されている。それは通産官僚でIEA代表の田中伸男氏である。ビル ・ゲーツも一緒に招待された。


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