読書録

シリアル番号 1064

書名

ハイブリッド

著者

木野龍逸

出版社

文芸春秋社

ジャンル

技術

発行日

2009/4/20第1刷

購入日

2010/08/28

評価

藤沢駅の古本屋で買う。

文春新書

ノンテクのライターがインタビューで取材して書いたため技術的な情報はボケている。著者の興味はこれを開発した人間を描いている。

どうしてトヨタだけがハイブリッドで成功したかはトップから一技師にいたる全てのレベルで技術の真髄を理解した技術者が居たこと。ナンバー2が無理難題の目標を掲げてリードしたことだろう。

ハイブリッドの商業車を始めて開発したのはフェルディナンド・ポルシェで1900年のこと。はじめはイン・ホイール・モーター方式の電気自動車であったが、後続距離を伸ばすためにガソリンエンジンを搭載した。しかし、ガソリン燃料の普及とともに廃れた。1968年にトヨタの中村健也がガスタービン・ハブリッド車を試作している。 専務の豊田章一郎が強い関心を示した。

1994年になり、技術担当専務の和田明広が副社長になったのが契機。中村健也の薫陶を受けた塩見正直が 常務となって技術全般をみることになり、この二人が軸となって新規開発車にガソリンエンジン・ハイブリッドの開発が始まりまった。

ニッケル水素電池は開発当初40万円もした。この寿命を10年にするのに苦労している。電池の電圧は288V。当時は高圧の直交変換のインバーターである絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)の需要は電気炉か溶解炉向きしかなく、生産規模が小さかったため内製化した。ネオジムの永久磁石を使う交流の同期モーターも同じく内製化した。急加速時の 交流動力系の回路の最大電圧500V、実行値は350V。

空調機もエンジン直結ではなく、交流駆動している。


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