読書録

シリアル番号 024

書名

エアバスA320はなぜ墮ちたか

著者

ミシエル・アスリーヌ

出版社

講談社

ジャンル

技術

発行日

1995/11/1第1刷

購入日

1995/12/05

評価

エアフランスの元機長が事故記録からエアバスの自動操縦の設計思想(計算機至上主義)を弾劾する。

1994年4月26日台北発名古屋行き中華航空140便エアバスA300B4-622R型機が名古屋空港への最終進入中に失速し、滑走路脇に墜落炎上した。この事故で264名が死亡し、乗客7名が重傷を負った。事故原因について運輸省事故調査委員会は、乗員の自動操縦装置への不完熟による誤った操作があったことを指摘すると共に、システムの設計段階で誤操作を招く要素が含まれていたことも示唆している。名古屋空港ではインドネシア航空のエアバスが墜落し、計算機至上主義の問題点が再燃された。

エアバスはその後、計算機至上主義の軌道修正をし、いまでは問題ないとされる。それどころか2004年になり、ボーイングが不調でエアバスが売れている。その理由は(1)燃費が良い、(2)総2階のため客席の椅子の間隔を大きく取れるの2つのアドバンテージのため。石油価格の高騰を受けての当然の判断。欠点が一つあって飛行速度が遅い。フランスが優れた技術を持っているためでなく、設計思想が現在の環境に 合っているか否かで、当然ボーイングも同じ設計思想の旅客機を投入するだろう。JALは国内市場の競争激化で経営が苦しく、とても新しい航空機には手が出ない状態。また国内便では遅い飛行機の評価が気になるのではとの指摘もある。


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