中国世界帝国論2


中国世界帝国論 をNovember 1, 2018に書きSevenMileBeachに掲載した。

米国や日本の製造業が工場と中国に移転して以降、中国の製造業は急成長して世界の工場と化してきた。その結果、中国のGDPは2006年ころから 急成長が始まった。このGDPの急成長トレンドが続けば2028年には米国と中国は逆転する。本報は中間報告だ。

とりあえず「週刊東洋経済」がまとめた106社の2020年時価総額ランキングで比較した。

米国:57社(アップル、アマゾン、マイクロソフト、アルファベット、フェイスブック、バークシャー・ハサウェイ、VISA、ジョンソン・エンド・ジョン ソン、テスラ、ウォルマート、プロクター・アンド、ギャンブル、エヌビディア、ザ・ホーム・デポ、JPモルガン・チェース、ユナイテッドヘルス・グルー プ、ベライゾン・コミュニケーションズ、ウォルトディズニ―・カンパニー、ぺイパルHD、アドビ、バンク・オブ・アメリカ、メルク、ファイザー、 Netflix、AT&T、インテル、コカ・コーラ、コムキャスト、ぺプシコ、セールスフォース・ドットコム、アボット・ラボラトリーズ、エクソ ンモービル、シスコシステムズ、ナイキ、オラクル、アッヴィ、サーモフィッシャー・サイエンティフィック、シェブロン、マクドナルド、コストコホールセー ル、・・・)

中国:14社(アリババ、テンセント、貴州茅台酒、中国工商銀行、中国平安保険、美談点評、中国建設銀行、中国農業銀行、中国移動通信、中国人寿保険、中国招商銀行、中国銀行、五糧液、JD.com、中国石油天然気集団)

フランス: 6社(LHMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン、ロレアル、アクセンチュア、サノフィ、トタル)

オランダ:4社(プロサス、ASML HD、ユニリバ、ロイヤル・ダッチ・シェル、)

英国:3社(アストラゼネカ、リンデ、リオ・ティント・グループ)

スイス:3社(ネスレ、ロッシュHD、ノバルティス)

ドイツ:2社(SAP、ジーメンス)

カナダ:2社(Shopify、カナダロイヤエル銀行)

日本:2社(トヨタ、ソフトバンク)

米国は中国の力をそぐために華為技術(ファーウェイ)の5Gを法的に禁止している過程である。5G の基地局市場はファーウェイを使わずスウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキアの世界3強にさせるつりである。日本勢はシェアを取りにいくというより も、喜ばれないのではと危惧している。CPUなどの回路を描くCADさえ中国で開発したものでは使用禁止されることになった。

日本は自動車や船の自動運転が適している。人が乗船しない無人船が2025年にも出航するという。日本郵船やNTTなどは国内の海上輸送を担う内航船で、衛星通信や高速通信規格「5G」を使った遠隔操船や、人工知能(AI)による航路策定技術の開発など適している。

しかし中国が権力を集中したままで残り 8年で世界のリーダーになれるのかどうかと聞けば、無理。なぜなら中国の「60歳以上」の高齢者割合2018年現在の人口総14.7億とすれば、約 28%・・・日本と同等2030年まで総人口は漸増するが、その後減少するのは確実だから。

国家が分裂する理由の1つは国内の地方間の経済格差であると指摘されていた。アメリカが南北戦争後に分裂しなかった理由の1つは、豊かな州と貧しい州の間で人口1人当たりの経済格差が1・5倍程度に収まっていたことにある。

中国はとても巨大な国内市場にとどまることになる。それはそれで結構なことだが、国内市場には膨大な企業債務とさまざまな非効率が山積している。 その一方で中国は最貧国との貿易で圧倒的な強みを発揮している。だが既に多くの最貧国は債務を返済できずにいる。中国の立場は決して良くないと考えられ る。

アメリカが手を結ぶのはオーストラリアやニュージーランド、日本、韓国、イギリス、欧州諸国だ。ある程度まではインドとも協力することになるだろう。対す る中国は、東南アジア、サハラ砂漠以南のアフリカ、東欧と中南米の最貧国の一部を味方に付けるだろう。しかし、それで超大国になれる保証はない。

すなわち中国も日本と同じ老大国となるだけ。とはいっても米国も同じ傾向だろう。


September 22, 2020
Rev. Sept 26, 2020

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