日本の軍備について

パワーバランスは国際関係の基本である。ところが同盟国の米国の力が落ちている。本当に米国は日本 を守れるか?そのうちに放り出すのではないかとの疑念もある。では日本はどうするということになる。

核武装は愚策のような気がする。韓国も台湾もインドネシアもとなったら収拾がつかずなにが起こるか分からない世界になる。現在の核拡散防止条約は持てるも のの特権をみとめているので不公平という見方もあるが、核廃絶のためには日本は核武装以外の道を探ることだろう。
 
ジョセフ・ナイ流のソフトパワーが上策。しかしこれだけでは弱い。

先制攻撃を受けた場合ミサイルをミサイルで撃ち落とすのは至難の業、これはおとぎ話なので、やはり通常兵器でいいから、お返しの準備だけをしておかねば。

憲法解釈を変えるというのは中国の土俵にのることになる。南京さえ落とせばという狭い了見でもぬけの殻の南京を攻めて南京事件を引き起こした旧軍の松井石 根上海派遣軍司令官と同類ということになる。憲法はそのままにして攻撃能力は米軍に任せておいて、日本はむっつり助平にひそかに反撃能力を磨いて おけばよい。愚かにも尖 閣に中国軍が上陸したら。今の憲法下でも自衛のための単独自衛権を行使することは国際法で認められている。尖 閣列島が消え去るくらいの弾薬を遠隔地からミサイルで打ち込める程度の装備をしっかりしておけばよい。こうしておけば賢い中国軍は上陸するなどというばか ばかしいことはしない。準備してないと中国はその真空に引き込まれるだろう。そのためにはクルーズミサイルはもたなければならない。ミサイル保有のために 憲法解釈をかえる必要はない。なにせ自衛なのだから、どうどうと国会決議をうけてぶち込めばよい。
 
というわけでイラク戦争でみたように通常爆薬をつんだ国産のクルーズ・ミサイルを100発くらいもつことがいいだろう。小型のジェットエンジンとGPSと 地形判別システム搭載で地上すれすれに飛んでレーダーに捕捉されない小型自動操縦航空機だ。

憲法改正が必要な攻撃兵器は米国に任せておけばよい。核抑止力がなければ究極の抑止力にならないというなら、日本は脱原発した後も使用済燃料を地下の安全 で回収可能なところに保管しておけばよいのだ。核攻撃をうけた後、六ヶ所村の再処理プラントを動かせばたちまち必要なプルトニウムは回収できる。

クルーズ・ミサイルは3隻程度の潜水艦に搭載して相手国沿岸近くから発射しなければ平坦な海上では発見されやすく、迎撃されてしまう。とはいえ潜水艦搭載 の原子炉の事故はこわい。沿岸都市をねらう程度なら原潜は不要で通常のディーゼル充電バッテリー駆動潜水艦で十分であろう。リチウムバッテリーが開発され ているからかなり有望。

これでもまだ相手が武力攻勢の姿勢を見せる場合に備え、脱原発が最大の武装だろう。原発なんぞは通常兵器の攻撃に脆弱で、残存放射能の被害は原爆の比では ない。

台湾にある6基の原発は 中国から簡単に攻撃できる。防衛上の最大のお荷物になっている。これはお互い様で中国の沿岸にも同数ならんでいる。

評論に戻る

May 17, 2012
Rev.  April 13, 2014


トッ プページへ