新幹線とテロ

春霞みただようころ、明日香村をゆっくり散策しようと計画していたが、新幹線はやめにし、ジープをころがして行くことにした。

鉄道は航空機よりテロアタックに脆弱だということがスペインで証明されたと思うからだ。政府は車両に警官を乗務させ、乗客の手荷物を検査するなどの方策を検討しているというが、列車は航空機のように上空を飛んでいるのではない。地面を這って走るのだ、無意味とは言わないが不十分な対策であろう。

レールに爆薬を投げ込んで少し破壊すれば高速の新幹線は脱線転覆して1,000人単位の大惨事に発展する可能性がある。携帯による起爆法を採用すれば自爆すら不用だ。新幹線の安全はいままで相互信頼によって維持されてきたわけで、テロ側からみればこんな易しいターゲットはない。全線にすべて網をかぶせるには膨大なコストがかかるし、監視カメラを設置しても爆薬を投げ込むことは防止できないであろう。携帯電話と起爆装置と爆薬をセットにし、リュックサックに詰め、紐をつけて振り回せば、高いフェンスを越えて投げ込むことなどいとも易しい。遠方より列車が来るのを確認して直前にリュックに仕込んだ携帯にダイヤルして爆破するなど朝飯前だ。

ではどのような予防策が考えられるというのか?全線に警察と自衛隊員を張りつけることもコスト的に無意味。全部の携帯の発信を監視することも不可能。このグローバル時代、テロリストの侵入を防止できるとは思えない。なによりも北朝鮮のラチ事件が証明している。この長い海岸線に網をはることなど不可能だ。そもそも国内にいる人間がテロリストに変身することを防止する手立てはない。

テロは信頼の欠如によって発生する。信頼より武力に頼ってしまったどこかの大統領に無批判に加担することを選択した日本国家は国民を守ることには無力だ。国家への信頼をうしなった国民は個人レベルで自衛するしかないのではと考えたわけである。それで交通事故を起こすこともありうるわけ。どちらを選ぶにしても自己責任であろう。

March 17, 2004


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