ツアーオブジャパン

第6ステージ富士山 観戦記

ツールドフランスという有名な国際自転車レースがあるが、日本でもこれをまねたツアーオブジャパンという国際大会が過去20年間も継続しているという。堺 ではじまって最終日の27日に東京でフィニッシュ。

第一ステージ 堺 2.6km
第二ステージ 京都 105km
第三ステージ いなべ 127km
第四ステージ 美濃 139km
第五ステージ 南信州 123km
第六ステージ 富士山 33km
第七ステージ 伊豆 120km
第八ステージ 東京 112km

出走チームの内容は海外勢が8チーム。具体的には「バーレーン・メリダ(バーレーン、ワールドチーム」が過去のランプレ・メリダ時代を含め6 年連続の出場。

同時期に開催されるジロ・デ・イタリアへも出場する「イスラエルサイクリングアカデミー(イスラエル、プロコンチネンタルチーム)」。そして 昨年のステージで3勝をあげたマルコ・カノラ(イタリア)や山岳賞ジャージを獲得した初山翔を擁するNIPPO・ヴィーニファンティーニ(イタリア)も出 場が決まっている。2014年以来4年ぶりの出場となるのは、「JLT・コンドール」、またかねてより出場を希望していた アメリカの「チーム イルミネート」を加えた計8チームという布陣になった。

これを迎え撃つ国内勢は、元F1ドライバーが率いる「Team UKYO」、「キナンサイクリングチーム」、「宇都宮ブリッツェン」、「マトリックスパワータグ」、「愛三工業レーシン グチーム」、「シマノレーシングチーム」、「チームブリヂストンサイクリング」に加え、選抜チームの「ジャパンナショナルチーム」 の計8チームが出場する。

なぜ日本ではTVにも新聞にもこの国際的レースが取り上げられないのか疑問に思ったところ、日本では競輪の悪いイメージが蔓延していること、自転車がいま だに道路上では存在権を確立していない、自転車といえばママチャリのビンボーで暗いイメージがあること、警察が協力的でないので一気通貫の魅力的なコース 引き ができず、細切れの競輪のように同じところをグルグル回る箱庭的コースしか引けないためだそうだ。観光立国が泣く。昨年のツールドフランスの空撮をみたが、ロンドン、パリを回りアルプスの上空からヘリで撮影するため、素晴らしい映像がみられた。フランスの地方自治体は その人気にあづかり誘致に熱心だとか。

カーボンファイバー製のロードサイクルは重さが6kg程度になると価格が1台150万円もする高価なものでビンボー人がのれるものではない。従って欧米で は環境を汚染せずに健康維持できるツールとして社会的にはエスタブリッシメントが楽しみながら使うものとなっている。そういう意味で日本は価値観でも一周 遅れだ。



2018/5/24 第六ステージ 富士山 33km観戦記

たまたまロンドン在住の娘がJLT・コンドールチームの取材のため来日していて第六ステージの取材をするという。ジープを提供ついでに助手席に乗って富士山まででかけ観戦した。

第六ステージのコースは2020年に開催される東京五輪自転車ロードレースのフィニッシュ会場に決まった「富士スピードウェイ」の西ゲートを11:00にスタートし、起 伏に飛んだ外周路周回コースを2周回してから過酷極まりない「ふじあざみライン」の山頂フィニッシュへと向かう。

「ふじあざみライン」の上りは全長11.4km、標高差1,160m、平均勾配10%、最大勾配22%と、世界最大の自転車ロードレース「ツー ル・ド・フランス」に登場する「ラルプデュエス」を上回るコースプロフィールを持つ。

スタートから3km地点まではストレートの上り坂。その後は、山岳道路特有のヘアピンをひたすら上る。フィニッシュまでの残り500m手前には、最後の壁 ともいえる急勾配激坂が待ちうける。選手は、己に残された脚力を出しきり、フィニッシュラインを目指す。TOJの総合成績を決めるクイーンス テージであり、誰もが最難関と感じる難所。

観戦戦略は「富士あざみライン」に交通規制がかかる10:00前に「富士あざみライン」5合目駐車場にジープで登り、ゴール直下で観戦。レースが終わってから交通 規制終了後下るということにした。

鎌倉から「ふじあざみライン」5号目までのジープのルートもレースと同じルートである。下の実際に走行してGPSで記録した地図を拡大すれば、そのジグザグの形状が分か る。ルート案内はGoogleMapでトール・ゲート無し(日本語ではなぜか経路オプションのフェリーを利用しない)のオプションで走行した。二の宮から大井松田までは全く未経験のルートであった。水平距離81km、最高地点1985m。


「ふじあざみライン」ははじめてだが美しい林間コースだ。ちらほらと観戦者が自らの自転車に乗って坂を登っている。御殿場まで電車でそこから登ってきたという。



観戦者も自転車で

わざわざツールドフランス観戦にでかけたという熱心なファンも駆けつけていた。



待機するギャラリー


待つこと1時間、1位に躍り出たキナンサイクリングチーム所属のスペイン人選手のマルコス・ガルシア・フェルナンデスがトップで登ってきた。意外 に華奢なつくりだ。自転車の自重6kgに選手の体重を加えた総重量が60kgとすれば、これを1時間に1,000m運び上げる仕事量は163W(140kcal/h)である。



マルコス・ガルシア・フェルナンデス

各チームは自転車が壊れたとき交換するための予備の自転車を屋根にのせたサポートカー同伴させている。

5合目のサポートカー

選手たちはバスで次のステージの伊豆に向けて出発。

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May 28, 2018


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