相続税100%について

 

Tさん、

日経ビジネス2008/4/7号の堀場雅夫最高顧問の「高齢フリーターのススメ」という記事のコピーありがとうございます。興味深く読ませていただきました。堀場製作所のガラス電極のpHセンサーは学生時代でも1本1.5万円でしたので初任給を同じくらい高価なものでした。それを実験で3本も壊してしまったことがあります。そのつど助手の悲しそうな顔を思いだします。

こうして暴利をむさぼった堀場氏ですが、NHKなどの対談でイノベーションについてなかなかいいことをいう人だと思ったことがあります。この記事もその延長上にあり、100%相続税など独創的なことを言っています。

しかし相続税を100%にすると国庫には相続税は入らなくなるでしょう。資産を個人または共同で寄付して財団を作り、そこの理事に納まって死ぬまで給料をもらうなど抜け道を工夫するでしょうね。ヨーロッパの相続税は高額ですから貴族など資産家は皆この手をつかっています。ナショナル・トラストが立派な邸宅を沢山確保できているのはこれが原因でしょうし、国としても文化が保存され、観光収入になりますからあまり目くじらたてているようにも見えません。

不動産は分割不能ですので、子が平等に相続して分割すると大邸宅が消えて、貧民窟が出現します。農地・山林も零細化して規模のメリットが失われ、国際競争に負けて日本の農業・林業はほとんど瓦解状態だと思います。マッカーサーの陰謀という考えもあるでしょうが、マッカーサーの顧問達はヨーロッパの領主の横暴を嫌って殖民した人々ですから、彼らのご先祖がよしとしたことを日本にもたらしただけですよね。これから我々がなにがよいか考えて良いシステムを構築してゆかなければならないのでしょう。

高齢フリーターは堀場氏の提言を待つまでもなく、皆様、勝手に実施されていることでしょう。私もよく声をかけられますが、束縛を嫌って避けております。一銭にもなりませんが、異業種の人と交わり、自分のペースで思索にふけって何ものかを創造する楽しみにふけっております。日本はこれからどうすべきか考えてわがHPのなかにさりげなく提言しています。読んでいる人もいるようですが。

グリーンウッド

April 11, 2008

 


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