ノースウエスト・アース・フォーラム

川上私記 回想のアフガニスタン

アフガンと日本の関係

    話をアフガンに戻そう。ソ連軍撤退から米軍侵攻(タリバン崩壊)までの間の約十年を国際的にはアフガンの「失われた十年」と言うのだそうだが、これもおかしい。アフガン側から見れば、「自分を取り戻した十年」だろう(その間にアフガン人の暮らしぶりが良くなったかどうかは別として)。

   昨年2009年11月に、ロンドンで開かれたアフガン支援国会議で、日本政府は今後5年間でアフガンに50億ドルを支援する、と表明した。復興(と言うが、米軍はまだ戦闘を続行中である)を日本が、全部とは言わないが、担うのである。今に始まったことではない。湾岸戦争でも、イラク戦争でもそうだ。平和、復興、支援と言葉は美しいが、ありていに、えげつなく言えば、米軍の破壊の尻拭いである。助けることはよいことだ、と賛否両論あることは私も承知しているが、こんなことを続けていれば(もう十分続けてきた)、よく言われる「国際社会の尊敬」を受けることにはならない、だろうと思う。

   日本とアフガンのお付き合いは、1930年(昭和5年)の修好条約から80年に及ぶ。1960年代から水供給、結核治療、テレビ局開設などの経済協力をしてきた。先月、2月17日の日本記者クラブでのスピーチで、日本外務省の吉川元偉アフガン・パキスタン支援担当大使は「(支援は)1930年代からの長いつながりから出てきたものだ。息長くアフガンと理解してつきあっていくのが日本の外交だ」と語っている。

最後にまた私記や回想から逸れてしまいました。失礼しました。

(終り)

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March 20, 2010


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