二一会平成24年度第5回研究会

「釈迦」とネパールの政治・経済・社会・文化

飯島正

2012年10月26日

アジア大名誉教授室

 

「釈迦」については先生の「仏教の伝来と日本人の対応・自然観」 に準拠。釈迦はシャーキア族の王子として現在のネパール領のルンビニに生まれる。シャーキア族はインド・アーリア語族ではなく、シナ・チベット語族ののチ ベット・ビルマ語族に属するネワール語を使う。釈迦が世に出たのは当時のインドでは最強のマガダ国でビンビサーラ王に見出されたからである。

ネパールには3つの村落形態あり。

「インド型」:インド系住民、インド系言語、ヒンズー教、水田稲作、インド牛
「ヒマラヤ型村落」:ネワール族などチベット系諸族、チベット仏教、水田稲作+トウモロコシ、麦、牛、山羊、豚
「チベット型村落」:シェルパ族などチベット系諸族、チベット仏教、農業、牧畜、商業の複合経済、ソバ、馬鈴薯、トウモロコシ、大麦、麦

ネパールでは子供も含め全員腰に鎌を帯びる。主婦が料理するときは全てこの鎌で素材を手の上で切る。そして調理道具はなべ一つである。海抜1,000m以下ではマラリアが怖いのでこれ以下にある水田では日中しか働かない。河口 慧海(かわぐち えかい)の「チベット旅行記」講談社は一読の価値あり。

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October 26, 2012


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