二一会平成28年度第6回研究会

最終講義 

飯島正

2017年1月20日

いろりの里

 

先生もご高齢になったためこれが最終講義となった。

記念品として2007年からの講義録をまとめてSeven Mile Beach Fileに掲載したページをプリントし、小冊子を作製した。



小冊子

最後のテーマは

最近の国際情勢 

@イギリスのEU完全離脱(Brexit)

A米トランプ大統領の自国第一主義、オバマケア廃止

メンバーの一人である容子さんが再婚したLondon School of Ecinomics & Political Scienceのレズリー・ハンナ教授を連れて参加。飯島先生はワシントン大で経済学を教えていた時の教え子がお嬢さんと結婚し、シティーバンク・ジャパン(現住友銀) に務めている関係でお孫さんも皆日本語のため英語は出てこなくなったと私は通訳を仰せつかる。

レズリー・ハンナ教授はBrexitは残念なことだが大した影響はない。英国が日本と同じレベルに落ちるだけだ。閉鎖的で他国と切り離された国になるということ。英国は他国に寛容でオープンであるがゆえに成功したが、これからは難しくなる。

Brexitよりあの愚かなトランプの方が影響が大きい。心配だ。とはいえアメリカの軍産複合体がトランプつぶしていろいろ工作しているようだと、Paul Craig Robertsの2017年1月13日の「トランプから大統領の座を盗み取ろうとしている支配体制」記事を紹介して意見を聞くとアメリカではcoupは起こらないが、impeachmentはありうるといっていた。

経済学者として中央銀行がお札を沢山刷っている日本のような国の将来はどうなるのか質問すると、大勢の人がどう考えて、どうこうどうするかは予測できないため、経済学は物を相手にするサイエンスのようにはならない。なるようにしかならない。

トルコリラが暴落しているが、なぜか?という質問にはトルコ大統領がダメだからだろう。ところがアメリカに亡命している政敵はもっと悪い。

ソーラーセルの発電単価が下がって火力と同程度になりつつあるのに英国はなぜ、原発政策を継続するのか?と聞くと、ヒンクリーポイントはフランスの原発メーカーのアレバの経営がおかしくなっているのでそれに関しては見直しているはずという。

レズリー氏はソーラーセルだけで必要エネルギーが賄えないのではという。私が日本の国土の1.8%をソーラーセルで覆えばすべてのエネルギーは賄える。日本の山岳地帯の面積は60%もあるのだというとグラッときていた。

私は日立がウェールズで造ろうとしている英ホライズン・ニュークリア・パワーの原発プロジェクトはGEのBWRのため安全は福島第一程度でなぜ英国が良しとするのかわからないのだがと聞くと??

更に私が東芝はウェスティンぐハウスを買収して米国で建設中の4つの原発で大赤字を出し倒産の瀬戸際だし、三菱重工も造船で失敗し、独自開発の旅客機はだ らだらと納期を遅らせて財政的に苦しいのに、なぜかアレバに500億円も出資している。どうも日本政府の中に、原発の技術を持つことが核兵器を持つと同等 の抑止力になるという信仰があるからと推察されるというと納得顔。

オバマが任期最後でチェルシー・マニングを恩赦したのはよかったというと、多分スノーデンに出頭を即す目的があったかもしれないが、トランプになればそれ も消えただろうといっていた。それよりマニングが収監されたときは男だったのに、出る時は女になっていたと笑っていた。英国人は日本人より同性愛にこだわり があるようだ。歴史的なものだろう。

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January 20, 2017

Rev. January 25, 2017


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