二一会平成28年度第5回研究会

茶道の遺訓 

第7章

飯島正

2016年12月16日

武蔵野プレイス

 

●第7章 茶道の遺訓

「一期一会」を最初にこの言葉を使ったのは幕末の重臣、大老の彦根藩主井伊直弼であった。14子であった直弼は藩主にはなれないと、32才になるまで埋木舎(うもれぎのや)に住み、茶道を含む教養に明け暮れていたからである。

山上宗二は「茶湯者覚悟十体」という1ヶ条の心得を書き残している。このなかに追加として又十体というものが書かれている。ここで利休が客人としての心が まえを述べるのだが、「常の茶の湯なりとも、路地へ入るより出るまで、一期に一度の会のように、亭主を敬畏すべし。世間雑談、無用也と述べた。

世間雑談で無用とされたのは夢庵の狂歌にあるようなものであるとしている。

我が仏 隣の宝 聟舅(むこしゅうと)
天下の軍(いくさ) 人の善悪

語るべきは茶の湯の事、数奇の入りたること。

利休の孫は「茶禅同一味」という本を書いている。このように異なるものを融合統一する習合(syncretism)は中国にもある。その例が儒仏一致、儒道一致。日本では神仏一致の本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ、能禅一味などがある。権現は本地垂迹説から生まれた。

私の感想:利休がこれだけ慎重であったにも拘わらず、秀吉に切腹を命じられた事実は日本の文化をゆがめたのではなかろうか?水戸学は本地垂迹説を否定して廃仏毀釈運動がはじまり、明治維新で本格的になった。これも儒教を重要視し仏教を排斥するものであった。



●歴史・近代化

〇国際連盟(League of Nations)は第一次大戦を止められなかった。

〇国際連盟(Unaited nations)は第二次大戦を止められなかった。そして戦勝国アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国に拒否権があり、うまく機能していない。

〇現在は「真実後」(post truth)で虚偽(False)の政治がまかりとおっている。例えば
ー英国のEU離脱派は英国の法律の75%はEU立法といったが実際には7%。
ー英国のEU拠出金は国民医療費と同額といったが実際はその1/3。
ートランプは沢山のウソを言って大統領になったが、その殆どは実施できないだろう。
ー日本の民進党は憲法改正すれば徴兵制が帰ってくるといったが、これもウソ。
ー日本経済はいまが世界最強。

私の感想:虚偽の政治をしているのは安倍政権が最も顕著。ウソは安倍政権の得意技で英国や米国とどっこい。マスコミを支配下に置き、都合の悪いことは一切報道を自粛させている。トランプはむしろバカ 正直。トランプはウソをいったが、反対派も巧妙にウソをいっている。日本経済が好調にみえるのはトランプの公共投資宣言とイェレンの利上げのおかげ。円安は日銀の動きがフリーズして いるため、日米の金利差によって生じている だけでそのうちに破局がくる。民進党の「憲法改正すれば徴兵のおそれ」は、戦争がロボット同士で争われる時代には確かに当てはまらない。むしろ 核兵器最強時代は国民全員が戦場に裸の まま置き去りになるというほうが正しい。英国のEU離脱派はウソを言ったが、EUがうまくいっていないのも確か。いずれにせよ世界は80年サイクルで振り出しにもどるようだ。

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December 18, 2016

Rev. January 8, 2017


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