週末の七里ヶ浜近辺の混雑を理由に4輪車の所有をやめて早15年になるが、ハーレーダビッドソンでも高速道路での2人乗りが禁じられているいること(2005年4月にようやく解禁)、ドライブ中音楽も楽しみたい、雨の日に動けないの3つの理由で4輪の必要を感じはじめた。
1998年9月6日車種選定の旅
娘のMGミゼットを塩害から守るために作った小さなガレージに入るという条件に入る車を試乗してみることにした。パジェロ・ミニやイオにはあき足らず、MGFもピンと来ず、まずユーノスロードスターを試みた。
関東道で、鹿島神宮、アントラーズのスタジアム、大野村のはまなす公園 、大洗海岸、玉造町、霞ヶ浦、をまわり常磐道を帰った。300km走行。ガソリン代3,000円。したがって燃費は10km/l。
レンタルしたロードスター
1,800ccマニュアルシフトだったので、鞭打ち症になると苦情がでた。これはAT車なら問題ない。ほろをあけると風がオートバイより強い。車高が低くて、欄干が視界をさえぎって景色が見えない。
帰路、ほれ込むような車を発見。電子写真を撮って帰り、インターネットで調査した結果。クライスラー社のシープ・ラングラー・サハラ・ソフトトップとわかった。
SAで見たシープ・ラングラー・サハラ・ソフトトップ
車庫にぎりぎりはいりそう。前輪のフェンダーがハーレーのハンドルの下にもぐりこむため可能になっている。パジェロイオは幅が7センチ小さいが、高さのあるエンジンハウジングが目一杯横に張っていてハンドルに当たる。パジェロショートでは全く不可能。
色はモスグリーンメタリックでラクダ色の幌。AT車なので、鞭打ち症は回避。車高が高いので景色も良く見え、腰痛にも良さそう。バンパー、エンジンカバー・ストラップ、ドアハンドル、ワイパー、バックミラーが黒のつや消しウレタン塗装で幌は本物の帆布製。ロングボンネットのアメ車の伝統を守り、フロントグリルはクラシックなスリットの入ったジープ型。クロームは丸いヘッドライト以外無く、ごってりした塗装の感じがよい。米国の価格は14,000-20,000ドル。やっと心に触れる車を発見したという感じ。
1998年9月13日、クライスラーで試乗車(ラングラースポーツ)を借りて東名を飛ばしてみた。乗り心地はフォルクスワーゲン・サンタナに近い。板バネを止めてコイルスプリングにしたためのようだ。空調も良く利く。視野は抜群。いすも良く、ロングドライブも問題なく、腰痛防止にも良い。
4リッター車であるのにのけぞるような加速感はない。トルク重視のエンジンのためのようだ。四駆は皆このようなものという声もある。燃費は10-15モードで6.4km/lとのこと。石油製品の価格上昇が予測されている10年後までは何とかもちそう。エンジンルームは日本車のように飾ったところはなく、そっけない。黒い塊が大きな空間にボソットあるだけ。バッテリーも大きい。隙間が大きいのでメンテはやりやすい。
試乗したラングラースポーツ
問題は100km以上でカンバスがばたつくこと。騒音でラジオが聞こえなくなる。ロードスターは防音内張りがあるのでこのようなことはないが、アメ車はこのようなデリカシーはない。ラングラースポーツはサイドドアの窓ガラスまでジッパー留めの透明プラスチック製である。料金所で料金の支払いが面倒。結局ドアを空けて処理した。サハラは上げ下げのできるガラスである。
モスグリーンメタリック塗装とキャメル色のキャンバスのラングラーサハラのソフトトップに魅せられたが、音楽を聞くためにはハードトップがいい。長距離でも低周波空気振動がなく疲労が少ない。塵も入らない。ソフトトップをはずすことなど年1回くらい。その年1回のために、騒音を我慢することはない。6連CDオートチェンジャーはオプション。
1998年9月19日セールスマン氏がモスグリーン・メタリック塗装のハードトップを用意してくれたので見に行く。全体の色調はよい。ラクダ色のハードトップはつや消しでテカテカしていなくて良い。ファブリックのイメージである。天井は白色塗装なので明るい。窓は全てガラスなので視野は良い。ディープティンティッドなので、プライバシーも守れる。リアワイパーも付いている。リアガラスはフリップアップ式で荷物の取りだしに便利。ハードトップは六角ボルトでサイド・ボディーに留められているだけなので、取り外しは可能。ロールバーなどソフトトップと全く同じ装備である。
フロントガラスを前にたおせるようにヒンジが付いており、エンジンカバーにはゴム製のストッパーやタイダウン・フックまで付いているが、日本ではソフトトップでも許可にならないのでハンドル付きラチェットはどの車種にも付けてないそうである。それでもたまに前に倒しているのを見かけるが、これは勝手にラチェットネジをはずしてやっているらしい。
ガレージへの入出庫は紙面上で繰車のシミュレーションをして何度か切り返しをすれば理論的には可能であるが、切り替えしなしで出入りするためには土木工事が必要。
1998年9月23日ガレージの整理がおわり、試乗車のラングラースポーツを土木工事前のガレージに入れてみた。切り返しなく入るが、出る時は隙間5センチで工事の必要性を確認。
ジープの四駆はパーシャル方式というもので、乾いた舗装路では四駆にして曲がろうとするとタイトコーナーブレーキング現象が生じる。雪や砂など柔らかいオフロードでのみ使うものだそうだ。またABSは岩山などを下る時かえって危険なので米国でもオプション、日本では売っていないとのこと。
そもそも内輪差のため、カーブでは前輪の方が回転半径が大きく、余計回転しなければならない。後輪と前輪の間には通常の右と左のディフェレンシャルギヤと同じ原理のセンターディフェレンシャルギヤが必要となる。都合3ケのデフ必要が必要となる。パジェロイオではセンターディフェレンシャルギヤのかわりに多板クラッチ状の間にシリコン油と空気を封入したビスカスカップリングというものを入れ、回転数差に比例した回転力を前輪に供給する擬似フルタイム四駆方式を採用している。異常が生じないかぎり2駆状態であるわけ。日本車はこのほかにもABS標準装備など高速道路での安全性を売りにした車種が多い。ジープの売りは単純、ワイルド、原始的ということか。シンプルで壊れるところがない。まあハーレーダビッドソンと同じ設計思想か。
1998年10月15日納車
Rev. January 5, 2007