鎌倉広町緑地基本計画案に関する意見書

 

鎌倉市役所、都市整備部公園緑地課が鎌倉広町緑地基本計画案なるものを作成し、住民に説明会を開催した。グリーンウッド 氏はこれに関し以下のような意見書を直接公園緑地課に郵送した。

道はある それ禁止とは 誰のため

July 29, 2004


2004年7月28日


公園緑地課御中

貴鎌倉広町緑地基本計画案について

拝啓、

都合により、説明会には出席できませんでしたので、貴案に関して、書面にて意見を提出させていただきます。私は山田リー ダーの組織する自然観察グループのメンバー、角田リーダーが組織 する広町愛好会のメンバーであります。

最初に計画書は自然保護という観点からよく検討されているとおもいました。しかし保護の面が強調されたあまり、住民が利用しやすい公園にするという配慮が 欠落しているように感じました。

現在自然にできている遊歩道すら表土と根系の保護という理由で立ち入り禁止にするのは行き過ぎとはいえないでしょうか?都市公園は住民が立ち入れてこそ、 自然もその存在意義を持つものと考えます。日本は国土の7割は森林に覆われていて多様性維持のために都市近郊の森まで立ち入り禁止にしてまで保護する必要 なないのではないでしょうか?散策路は谷底よりも稜線上のほうが健康的で気分の良いものです。これが失われるのはまことに残念であります。

熊野古道の1000年にわたる歴史をみても森の散策路が森林の根系を痛め森林に大きな影響を与えるとはいえないと思います。森は伐採さえしなければ、散策 路位で枯れることはないのではないでしょうか?むしろ表土が流失して人が歩きにくくなるだけのようです。

公園の管理者として散策路が歩きにくいという苦情とか、市民からの森林の保護のために表土流出防止をせよとの声が上がるのをさけたいならば、木道を作られ たらいかがでしょうか?予算は「あずまや」を止めれば確保できるのではないでしょうか?そもそも「あずまや」は屋根があるゆえにベンチの汚れが雨で洗い流 されず、無用の長物であり、折角の自然の景観を破壊する代物であります。樹冠が強い日差しを遮蔽してくれるので屋根は無用でしょう。公園には「あずまや」 という箱物行政の固定観念は払拭してほしいものです。

峰山の崖の道は封鎖するよりも、より歩きやすい安全なジグザグの代替の道を作り、人々をそちらに誘導してほしいとおもいます。袋小路をつくれば来た道を戻 るという退屈な行為より未知の冒険を求める人間心理のため、禁止したところで入り込んでしまうでしょう。禁止・規制ではなくインセンティブで人々を導く誘 導手法をとっていただきたいと思います。

急斜面に階段をつけるのも考え物です。階段は歩きにくいため、散策者は階段の横の斜面を歩くようになり、結果、植生がはがれ雨水で表土が流失します。むし ろゆるい傾斜のジグザグ道にしたほうが、自然保護の観点からも散策のし易さからも優れていて一挙両得とおもいます。

貴地図には反映されておりませんが、階段より傾斜の緩やかなシグザグ道を代替ルートにするという考え方で広町愛好会が試みに、竹ヶ谷最奥部の危険な急斜面 の安全な代替ルートとして昔の人が使っていたと思われる旧ルートを再発見して整備してみたところ、人々は自然にそちらに踏み入り、道はおのずからふみかた められつつあります。このようにすれば無駄な維持費も節約できるものとおもいます。

おいそがしいところ、お邪魔いたしました。一市民の言葉として参考にしていただければ幸いです。


敬具

グリーンウッド


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