地方分権推進委員会
第4次勧告の概要
平成9年10月
地方分権推進委員会
第1章 機関委任事務制度の廃止に伴う従前の機関委任事務の取扱い
第2章 国の関与の基準と従前の団体(委任)事務の取扱い
(1)事前協議について合意(又は同意)が必要とされるもの
(2)緊急時等において個別に指示できるもの
(3)あらかじめ許可・認可・承認を受けることを義務づけることができるもの
(4)現行の関与を廃止し、一般ルールの基本類型によるもの
第3章 国と地方公共団体との間の係争処理の仕組み
I 国と地方公共団体との間の係争処理機関
1 会長及び委員
2 その他の組織
II 国と地方公共団体との間の係争処理手続
1 国地方係争処理委員会における審査及び勧告等
2 裁判所における訴訟及び判決
第4章 市町村の規模等に応じた権限委譲
(1)指定都市へ委譲すべき事務
(2)中核市(一部の事務については保健所設置市を含む。)へ委譲すべき事務
(3)人口20万以上の市へ委譲すべき事務
(4)すべての市(一部の事務については福祉事務所設置町村を含む。)へ委譲すべき事務
(5)すべての市町村へ委譲すべき事務
地方分権推進委員会
第4次勧告の概要
平成9年10月
地方分権推進委員会
第1章 機関委任事務制度の廃止に伴う従前の機関委任事務の取扱い
○ 引き続き検討するものとされてきた従前の機関委任事務について、新たな事務の区分への整理を行うことにより現行の機関委任事務(地方自治法別表の561項目)の全ての整理を終了
- 社会福祉法人の認可・指導監督
- 各種社会福祉施設等の設置許可・指導監督等
- 廃棄物処理施設の許可、廃棄物処理業の許可
- 国民健康保険組合・国民健康保険団体連合会の設立・解散の認可等
- 海岸の指定・管理
第2章 国の関与の基準と従前の団体(委任)事務の取扱い
○ 従来の団体(委任)事務に係る関与について、関与の一般ルール(第1次勧告)に従って整理し、特別の関与を限定
(1)事前協議について合意(又は同意)が必要とされるもの
- 法制度上当然に、国の税制・財政上の特別措置が講じられる計画を策定する場合
- 地方公共団体の区域を越える一定の地域について総量的な規制・管理を行うため国が定める総量的な具体的基準をもとに関係地方公共団体が計画を策定する場合
(2)緊急時等において個別に指示できるもの
- 国民の生命、健康、安全に直接関係する事務の処理に関する場合
- 広域的な被害のまん延防止の観点からの事務の処理に関する場合
(3)あらかじめ許可・認可・承認を受けることを義務づけることができるもの
- 刑法等で一般には禁止されていながら特別に地方公共団体に許されているような事務
- 公用収用、公用換地、権利変換に関する事務
- 補助対象資産、国有財産の処分等に関する事務
- 法人の設立に関する事務
- 国の関与の名宛人として地方公共団体を国と同様に扱っている事務
(4)現行の関与を廃止し、一般ルールの基本類型によるもの
第3章 国と地方公共団体との間の係争処理の仕組み
I 国と地方公共団体との間の係争処理機関
○ 国の関与に関する係争を処理する第三者機関として、国地方係争処理委員会(仮称。以下同じ。)を置く。
* 内閣に直属する機関として置くことが望ましいが、中立性・公平性や職権行使の独立性が保証(原文は保障)された権威ある機関である限り、国家行政組織法上の機関として置くことも差し支えないものと考えられる。
1 会長及び委員
○ 委員は、国と地方の関係について識見のある者のうちから、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命する。会員は、委員の互選により定める。
2 その他の組織
○ 会長は、事案ごとに、委員の全員一致による指名に基づき、専門的知識を有する者のうちから、専門調査員を任命することができる。
II 国と地方公共団体との間の係争処理手続
1 国地方係争処理委員会における審査及び勧告等
- 審査の申出
- 地方公共団体は、国の関与(一般ルール法に基づく助言・勧告及び報告徴収を除く)に不服がある場合、一定の期間内に、審査の申出をすることができる。
- 国は、是正措置要求又は指示について、地方公共団体が審査申出期間内に審査の申出をせず、かつ、是正措置要求又は指示に従わないときは、審査の申出をすることができる。
- 勧告及び通告
- 地方公共団体からの審査の申出の場合
- 国の関与が違法等であるときは、国の行政機関に対し、期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、勧告の内容を地方公共団体に通告し、かつ、これを公表する。違法等でないときは、国及び地方公共団体に対し、審査の申出には理由がない旨を通告するとともに、これを公表する。
- 国の関与のうち事前協議等については、地方公共団体が事前協議等の義務を果たしたかどうかを判断し、国及び地方公共団体に対し、その旨を通告するとともに、これを公表する。
- 国からの審査の申出の場合
- 地方公共団体が是正措置要求又は指示に従わないことが違法であるときは、地方公共団体に対し、期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、勧告の内容を国に通告し、かつ、これを公表する。違法でないときは、地方公共団体及び国に対し、審査の申出には理由がない旨を通告するとともに、これを公表する。
- 国又は地方公共団体の措置
- 勧告を受けた国または地方公共団体は、勧告に即して必要な措置を講ずるとともに、その旨を国地方係争処理委員会に通知しなければならない。
- 国地方係争処理委員会は、当該通知にかかわる事項を審査申出人に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
- 代執行
- 法廷受託事務に係る代執行については係争処理手続の対象外とし、現行制度における代執行の手続に準じた手続による。
- 調停
- 国地方係争処理委員会は、国及び地方公共団体に対し、調停案を提示することができる。調停案が双方により受諾されたときは、その内容の勧告が双方に対して行われたものとみなす。
2 裁判所における訴訟及び判決
- 訴訟の提起
- 地方公共団体は、審査の申出をした場合において、国地方係争処理委員会の通告若しくは勧告又は勧告を受けた国が講じた措置に不服があるとき等は、一定の出訴期間内に、関与の取消しの訴え等を提起することができる。
- 国は、地方公共団体が審査の申出をした場合において、出訴期間内に出訴せず、又は出訴しても訴えが棄却されたにもかかわらず、なお地方公共団体が是正措置要求又は指示に従わないときは、従わないことの違法の確認の訴えを提起することができる。
国が審査の申出をした場合において、国地方係争処理委員会の通告若しくは勧告又は勧告を受けた地方公共団体が講じた措置に不服があるとき等についても、また同様とする。
- 訴訟の類型等
- これらの訴訟は、行政事件訴訟法における「機関訴訟」の一類型として位置付けられる。
- これらの訴訟は、関与の相手方となった地方公共団体の区域を管轄する高等裁判所の専属管轄とする。
- 判決の効果
- 関与の取消しの訴えにおいて判決により関与が取り消された場合には、関与が遡及的に消滅し、国は、同一の状況下において、同一の地方公共団体に対し、第一の関与をすることができなくなる。
- 関与を取り消す判決の効果は、一般私人との関係等には及ばない。
第4章 市町村の規模等に応じた権限委譲
当面委譲可能と思われる34項目について勧告
なお、一定の人口規模(人口20万人など)を有する市を当該市の申出に基づき指定することにより、権限をまとめて委譲する法制上の措置を講ずる。
(1)指定都市へ委譲すべき事務
<国土庁・建設省>
- 近郊緑地特別保全地区の指定(首都圏近郊緑地保全法、近畿圏の保全区域の整備に関する法律)
現在都道府県において処理しているものを指定都市へ
<文部省>
- 埋蔵文化財包蔵地域における土木工事等の届出受理、開発を行う事業者への発掘調査指示(文化財保護法)
現在都道府県において処理しているものを指定都市へ
<通商産業省・大蔵省・厚生省・農林水産省・運輸省>
- 工場の新設・増設に関する届出受理、勧告、変更命令、緑地面積率の基準設定等(工場立地法)
(工場の新設・増設に関する届出受理、勧告、変更命令等)
現在通商産業大臣において処理しているものを都道府県へ さらに現在の都道府県の権限とあわせて指定都市へ委譲
(緑地面積率等の基準設定)
新たに緑地面積率等の基準設定の権限を都道府県及び指定都市に付与
<建設省>
- 緑地保全地区の指定(都市緑地保全法)
現在都道府県において処理しているものを指定都市へ
(2)中核市(一部の事務については保健所設置市を含む。)へ委譲すべき事務
<総理府>
- 犬またはねこの引取り及び負傷動物等の収容(動物の保護及び管理に関する法律)
現在都道府県及び指定都市において処理しているものを中核市へ
<北海道開発庁・国土庁・農林水産省・通商産業省・運輸省・建設省・自治省>
- 振興拠点地域基本構想の作成等(多極分散型国土形成促進法)
現在都道府県及び指定都市において処理しているものを中核市へ
<環境庁>
- 大気汚染の公表、関係行政機関の長への協力依頼等(大気汚染防止法)
現在都道府県において処理しているものを指定都市及び中核市へ
<国土庁・農林水産省・建設省>
- 農住組合の土地の交換分合計画の認可(農住組合法)
現在都道府県において処理しているものを指定都市及び中核市へ
<厚生省>
- 指定老人訪問看護事業者の指定(老人保健法)
現在都道府県において処理しているものを指定都市及び中核市へ
- 毒物及び劇物の販売業の登録、回収命令等(毒物及び劇物取締法)
現在都道府県において処理しているものを指定都市、中核市及び保健所設置市へ
- 死体保存の許可(死体解剖保存法)
現在都道府県において処理しているものを指定都市、中核市及び保健所設置市へ
<建設省>
- 開発審査会の設置(都市計画法)
現在都道府県及び政令市に設置されているものを中核市へ
- 宅地造成工事規制区域の指定(宅地造成等規制法)
現在都道府県及び指定都市において処理しているものを中核市へ
(3)人口20万以上の市へ委譲すべき事務
<環境庁>
- 騒音を規制する地域の指定、関係行政機関の長への協力依頼等(騒音規制法)
(騒音を規制する地域の指定等)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
(関係行政機関の長への協力依頼等)
現在都道府県において処理しているものを人口20万以上の市へ
- 悪臭原因物の排出を規制する地域の指定、関係行政機関の長への協力依頼等(悪臭防止法)
(悪臭原因物の排出を規制する地域の指定等)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
(関係行政機関の長への協力依頼等)
現在都道府県において処理しているものを人口20万以上の市へ
- 振動を規制する地域の指定、関係行政機関の長への協力依頼等(振動規制法)
(振動を規制する地域の指定等)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
(関係行政機関の長への協力依頼等)
現在都道府県において処理しているものを人口20万以上の市へ
-
瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく指定物質排出者に対する指導、助言等(瀬戸内海環境保全特別措置法)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
- 水質汚濁防止法に基づく特定施設の設置の届出等の受理、計画変更命令、常時監視等(水質汚濁防止法)
現在都道府県及び水質汚濁防止法施行令に規定する市において処理しているものを人口20万以上の市へ
<通商産業省>
- 計量法に基づく勧告、定期検査(計量法)
現在都道府県及び計量法施行令に定める市において処理しているものを人口20万以上の市へ
<建設省>
- 開発行為の許可等(都市計画法)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
- 都市計画施設又は市街地開発事業の区域内における建築の許可(都市計画法)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
- 都市計画事業の施行地区内における建築等の許可(都市計画法)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
- 市街地再開発事業の施行地区内における建築等の許可(都市再開発法)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
- 土地区画整理事業の施行地区内における建築等の許可(土地区画整理法)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
- 住宅地区改良事業の改良地区内における建築等の許可(住宅地区改良法)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
- 都市計画区域内における路外駐車場管理者からの届出、駐車場管理者に対する是正命令等(駐車場法)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものを人口20万以上の市へ
(4)すべての市(一部の事務については福祉事務所設置町村を含む。)へ委譲すべき事務
<文部省>
- 史跡・名勝・天然記念物の軽微な現状変更等の許可(文化財保護法)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものをすべての市へ
<厚生省>
- 児童扶養手当の受給資格の認定等(児童扶養手当法)
現在都道府県において処理しているものをすべての市及び福祉事務所設置町村へ
<通商産業省>
- 商店街振興組合等の設立認可等(商店街振興組合法)
現在都道府県において処理しているものをすべての市へ
(5)すべての市町村へ委譲すべき事務
<環境庁>
- 鳥獣の捕獲飼養等の許可(鳥獣保護及び狩猟ニ関スル法律)
現在都道府県において処理しているものを都道府県条例の定めるところにより市町村へ
<文部省>
- 市町村立の学校(大学及び高等専門学校を除く。)の学期の決定(学校教育法)
現在都道府県において処理しているものをすべての市町村へ
<厚生省>
- 身体障害児、精神薄弱児に対する日常生活用具の給付(児童福祉法)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものをすべての市町村へ
<農林水産省>
- 害虫駆除等のための他人の土地への立入許可(森林法)
現在都道府県において処理しているものをすべての市町村へ
<通商産業省>
- 製造事業者による協同組合等から伝統的工芸品への指定申出を受け、通商産業大臣に進達する等の事務(伝統的工芸品産業の振興に関する法律)
現在都道府県、指定都市及び中核市において処理しているものをすべての市町村へ
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