目次ケルト音楽へのお誘い(1)(2)(3)|お薦めCD(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)
国内盤新譜コンサート情報|コンサートレポート(1)(2)(3)(4)MIDI & abc
書籍国内のミュージシャン輸入盤CD通販店リンクアイルランド掲示板
アルタンからのメッセージIONA specialアイオナBBS北欧トラッド

ケルティック・ミュージックへのお誘い(1)

新しい伝統が新しい形(1) || 新しい形(2) || 深淵へとプログレとケルト音楽

今、新しい伝統が生まれる!

アイルランドをはじめとする、ケルト民族の伝統音楽が、今ほど世界に受け入れられた時はありません。この日本においても同様です。チーフティンズをはじめ多くのミュージシャンが来日し、演奏活動を行っています。10年前では、とても考えられなかった状況です。
 

The Joshua Tree
/ U2 (1987)

このような状況の発端となったのは、ロック・ミュージック界における「U2」のヒットではなかったでしょうか。特に、1987年のアルバム「ヨシュア・トウリー」の世界的大ヒットはアイリッシュ・ロック・バンドとしての「U2」の存在を一躍、世界に知らしめました。アイルランドの旗手としてのU2の活躍以降、ロック界は、シンニード・オコナー、ホットハウス・フラワーズ(リアム・オ・メンリーのバンド)など、アイリッシュ・バンドでにぎわうことになります。

Rum Sodomy & the Lash
/ The Pogues (1985)

また、イギリスのバンドではありますが、トラッドの要素をふんだんに盛り込んだ、ザ・ポーグス(1985年にイギリスで"Rum Sodomy & the Lush"が大ヒット)の活躍も見逃せません

こうした、アイリッシュ・ロック・ミュージックの台頭によって、アイリッシュ・ミュージックに対する関心が高まったことは事実ですが、これだけで、今のケルティック・ミュージック・ブームが訪れたわけではありません。
 実は、1980年代になって、トラディショナル・ミュージック界のミュージシャンにも、ある変革が起こっていたのです。
 それは、トラディショナル・ミュージックをいかに現代的に解釈し、演奏していくかという試みでした。
 

Magical Ring /
Clannad (1983)

「クラナド」のことを例に挙げるのが、ここでは一番適当かと思います。クラナドは1982年のアルバム"Fuaim"までは、どちらかというと地味で素朴な、フォーク、トラッドの世界を演奏していました。ところが、同じ1982年にイギリスのテレビ番組用に制作された「ハリーズ・ゲームのテーマ」(「マジカル・リング」収録)が、大ヒットしたことが、彼らの転機となったようです。1983年に発売された「マジカル・リング」で、彼らの音楽性は大きく変化しました。シンセサイザー、ドラム、ベースなどを多用し、幻想的、神秘的な「現代人のケルトに対するあこがれ」を音に描いたものでした。このアルバムで彼らは世界的な成功を収めます。

さらに、同じくトラッドを現代的に解釈した「エンヤ」(クラナドのモイア・ブレナンの妹)の世界的大ヒット(1988年のアルバム「ウォータマーク」)によって、ケルティック・ミュージックに大きな注目が集まることになります。
 

The Long Black Veil
/ The Chieftains
(1995)
BMGビクター BVCP-782

さらに最近では、「チーフティンズ」と大物ロック・ミュージシャンとの共演が話題になりました。95年のアルバム「ザ・ロング・ブラック・ヴェイル」がそれで、スティング、ローリング・ストーンズ、ヴァン・モリソン、マーク・ノップラー、シンニード・オコナーなどそうそうたる顔ぶれで、ケルティック・ミュージックの浸透を感じさせる出来事でした。

このような、状況の変化によって、ケルティック・ミュージック界全体が活性化され、それがまた、新しい、ユニークなバンドを生む原動力となっています。

 ● 「アイルランドの音楽」を知るためのホームページ

  on bass の「アイルランド特集」がお薦め!

  アイルランドの音楽の形式とその特徴、
  そして過去から現代に至る変遷の歴史、
  さらには英米の音楽シーンに与えた影響について
  詳しい記述があります。

  TRINITY ENTERPRISES

  「ゲール・リン」「ドルフィン」「アウトレット・レコーディング」レーベル
  などアイルランド物を中心とするレコード会社。
  オフィシャル・ページの「アイルランド/ケルト音楽の基礎知識」では
  アイルランドの地理、歴史、文化そして音楽の概略を知ることができます。

ケルティック・ミュージック、その新しい形(1)

Clannad | Enya | Iona | Capercailie | Loreena McKennitt | Ashley MacIsaac
Wolfstone | Eileen Ivers | KiLA

ケルティック・ミュージックの新しい形を、いくつか紹介していこうと思います。

クラナド
Clannad
エンヤ
Enya

アイルランド

アイルランド


Lore (1995)
ATLANTIC 82753-2


The Memory of Trees (1995)
Warner Music 0630-12879-2

■紹介■

69年、アイルランドの北西部の町、ドニゴールで結成される。3人兄弟とその叔父2人からなる家族バンド。
73年に1st アルバム "Clannad"でデビュー。
モイラの少しかすれたところのある、それでいて透明感のあるヴォーカルを核にアコスティックなトラッドを演奏する。
82年のアルバム"Fuaim"までは、モイラのアイリッシュ・ハープ、ポールのフルートとキアランのウッドベースが印象的なアルバムを作っていた。
そんなクラナドが大変身するきっかけは、82年のイギリスのテレビ番組用に制作された「ハリーズ・ゲーム」の大ヒットだった。シンセサイザーを大胆に取り入れ、モイラのヴォーカルを多重録音して幻想的な音世界を作り上げた。果たして、この曲を含む84年のアルバム「マジカル・リング」はイギリスで大いに歓迎される。(日本でも発売された)
次のアルバム「マカラ」では、U2のボーノと共演するなど、次第にポップ、ロック色を強めていく。87年の「シリウス」では、ロックのように力強く、かつ幻想的で雄大な世界へと到達するが、このアルバムを境として、再びケルトの原点へと復帰するような幽玄な作品を発表し続けている。
最新作 "Landmarks"(97年)についてはこちら

■紹介■

62年生まれ。クラナドのヴォーカル、モイラの妹。本名はEithne Ni Bhraonain。
クラナドの80年のアルバム、"Crann Ull"にはKbdで録音に参加、その次のアルバム"Fuaim"では正式メンバーとしてクレジットされるが、82年に脱退、ソロへの道をたどる。
プロデューサー、ニッキー・ライアンの協力を得て、シンセサイザーの演奏に多重録音によるコーラスを乗せるという独特のスタイルを確立。86年、BBCのTVドキュメンタリー・シリーズ "The Celts" (幻の民・ケルト人)の音楽を担当。これが翌年 1st アルバム"Enya" (アイルランドの風)として発売される。
88年の2nd アルバム「ウォーターマーク」が日本を含め世界的に大ヒット。ケルティック旋風を巻き起こす。
その後、3rd "Shepherd Moons" 4th "The Memory of Trees" をリリース、今日に至る。
エンヤの曲を、小型のラジカセなどで聞いてもその美しさは味わえるが、一度本格的なステレオ装置で聞くことをおすすめする。多重録音されたヴォーカルとシンセの綾なす世界はあまりにも美しく、しかも想像以上に奥行きのある音世界を構築している。

アイオナ
Iona

カパーケリー
Capercailie

アイルランド

スコットランド


Journey into the Morn (1995)
「明日への旅路」
ポニーキャニオン PCCY-00863


To the Moon (1995)
「トゥー・ザ・ムーン」
ビクターエンタテインメント VICP-5770

■紹介■

いわゆるトラッドを演奏するバンドではない。ケルティック・ロック・バンドと言った方がよいだろう。ロックの枠のなかで、ケルトを表現する新しい形のバンドだ。プログレッシブ・ロックからの影響も強く感じられる。
バンドは89年、Kbd. のデイブ・ベインブリッジ、sax/fl. のデイヴィッド・フィッツジェラルド、そしてvo. のジョアンヌ・ホッグの3人によって結成された。この3人にゲスト・ミュージシャンを加えて録音したのが90年の1st アルバム "Iona" 「緑の聖地」である。このアルバムにしてすでに、アイオナはその独自の音楽性を確立しており、清冽で、しかもダイナミズム溢れるケルティック・ミュージックを聞かせてくれる。
アイオナが用いた方法論はトラッドをリズムやシンセで現代的にアレンジするという形ではなく、自分たちのやりたい(ロック的なアプローチの)音楽そのものの中に自然な形のケルトを表現することだった。それゆえ、彼らの音楽には、心を解き放つような、自然な情感がみなぎっている。要所要所で使われるユーリアン・パイプやホイッスルの音には誰しも感動を覚えるに違いない。そして、ジョアンヌののびやかなボーカルは、ときに、はかなく、ときに力強く、心の琴線に触れてくる。
今までに5枚のスタジオアルバムとのライブアルバムを2枚発表しているが、駄作というもののない高水準のアルバムを作り続けている。

アイオナに関する詳しい情報並びに最新情報は"IONA Special" をご覧ください。

■紹介■

今や、スコットランドを代表する、ケルティック・バンドと言って差し支えない。
バンドの結成は82年、カレン(vo)、ドナルド(accordion)、ダブ(whistle・最新作では脱退)の3人はスコットランド北西部のTaynuiltというスコティッシュ・ゲーリックのまだ残っている地域の出身。84年に1st アルバム "Cascade"をリリース。(このアルバムは私もまだ未聴です)86年に2nd アルバム "Crosswind"をリリース。未だトラッドの枠の中で作られてはいるが、躍動感溢れるリズム感、卓越したアレンジ、あくまでも美しいヴォーカルなどカパーケリーの土台となる音楽性をすでに備えている。4th アルバム "Sidewaulk" では、メンバーに交代があり、マナス・ラニー(Bouzouki)(ドーナルの弟)、ジョン・サイク(Bass)、さらにプロデュースにドーナル・ラニーを迎え、リズム的にもアレンジにおいてもさらにパワーアップしている。ジグやリールでは、チョッパー・ベースさえ聞こえてくる。
これ以降、バンドは次第にオリジナル曲を多く取り入れ、独自のケルティック・ワールドを築いていく。91年の「ディリリアム」94年の「シークレット・ピープル」そして、95年の「トゥー・ザ・ムーン」へと彼らの音はケルトからさらに広い世界へと広がっている。
異色作と言っていいだろうか、94年のウィル・モワットのリミックスによる、リメイク・アルバム「カパーケリー」では"Celt meets groove." と言うふれ込みの通り、ケルティック・ミュージックとハウス・ミュージックの融合した不思議な世界を体験できる。この音、一度聞くと病みつきになる音で、私も何度聞いたことか分からない。お薦めです。
 
【追記】
"To the Moon" 以降、さっぱり新しいアルバムのリリースがないと思っていたところ、つい最近になってカパーケリーのオフィシャル・サイトを発見! なんと97年に、ニューアルバムがリリースされていた。"Beautiful Wasteland" (SURCD 021) である。日本盤も出ていないし、輸入盤でも見かけない。
(注: 現在では国内盤も出ています)
オフィシャルページの記事によれば、最新アルバムの "Beautiful Wasteland" では、さらにケルティック・ミュージックとケルト圏外のエスニック・ミュージックとの融合が進んでいるらしい。ギニア出身のヴォーカリストをゲストに迎えているという。
ニューアルバムに関しては「お薦めのCD(2)」のページの、「カパーケリー(ミニ)特集」をご覧下さい。

カパーケリーの新しいオフィシャルサイトはこちら。サウンドのサンプルやQuickTimeムービーのデータもある。
Capercaillie's 97 Homepage

ロリーナ・マッケニット
Loreena MacKennitt

アシュレイ・マックアイザック
Ashley MacIsaac

カナダ

カナダ


The Mask and Mirror (1994)
ワーナー・ミュージック WPCR-174

hi how are you today? (1995)
ポリドール POCM-1214

■紹介■

95年に、チーフティンズとともに一度来日したことのある「彷徨えるケルト人」ロリーナ。カナダはマニトバ州のモーデン出身のアイルランド系カナダ人。
85年に1st album "Elemental" を自らのレーベル、クィンランからリリース。"She moved through the fair","Carrighfergus" など有名な曲を集めている。トラッドを歌いながらも、その歌い方は伝統にとらわれない独自のもので、伸びやかなソプラノ・ヴォイスによるダイナミズム溢れる歌唱である。ところどころに入るSEが雰囲気を盛り上げている。トラッドファンにとって、音の傾向から言うとこのファーストが一番なじみやすい。しかし、ロリーナの良さが開花するのはもう少しあとだ。
2nd "To Drive the Cold Winter Away", 3rd "Parallel Dreams" を経て4枚目のアルバム「ヴィジット」はワーナーからのメジャーデビューとなる。1曲目のイントロのインド音楽的なアレンジからして今までのロリーナとの違いを感じとることができる。オリジナリティ溢れる独自のケルティック・ワールドがそこにある。
さらに、94年の「マスク・アンド・ミラー」では、さらに自由奔放な音作りで、聞き手をファンタジックな世界へと運んでくれる。このアルバムのジャケット、そしてミステリアスな音作り、素晴らしい歌唱力、そのどれもが、私にはケイト・ブッシュの名作「魔物語」(Never for Ever)と重なって見える。
来日の噂も聞こえてくるロリーナだ。
(最新アルバムのレビューはこちら

■紹介■

97年6月のチーフティンズの日本公演に同行して観客をあっと言わせたアシュレイ。
カナダ東端のノヴァ・スコシア州、ケイブ・ブレトン島の出身の22才のフィドラーだ。この地域はスコットランドからの移民が多いところだそうで、彼の家系もまた同じ。父からフィドルを学び、スコッチ・ステップ・ダンスを学び、17才で、1st album "Close to the Floor"(92年) をリリース、プロの道に入る。これは純粋なトラッド。2nd album "A Cape Breton Christmas"(93年 Nova Scotiaでだけの限定リリース)も同じ。
ところが3枚目の「ハウ・アー・ユー・トゥデイ」(95年)で突然世界の注目を集めた。なぜかはこのアルバムを聴いていただければよく分かるだろう。彼のフィドルとロック、ジャズ、ファンク等の過激なミクスチャーには誰もが驚いた。さらに加えて過激なステージ・パフォーマンスでも名を馳せた。ところが、このあとに出た最新アルバム "Fine Thank You Very Much"(96年)はまたもや純粋なトラッドだというから訳が分からない。
このアシュレイが97年10月に改めて来日した。彼のバンド「キッチン・デヴィルズ」に加え、「ハウ・アー・ユー・トゥデイ」の2曲目 "Sleepy Maggie" (名曲!)で味わい深いゲール語の歌を聴かせてくれるメアリー・ジェイン・ラモンドが同行した。(詳しくは、コンサートレポートのページで)
アシュレイのオフィシャルサイトはこちら。またオフィシャルサイトより、さらに詳しい情報を提供するアンオフィシャルサイトはこちら

ウルフストーン
Wolfstone

アイリーン・アイヴァース
Eileen Ivers

スコットランド

アメリカ


The Half Tail
(1996)
Green Linnet GLCD 1172

SoFar
TheEileenIversCollection

(1997) 
MSI GLCD-1185

■紹介■

ケルティック・ロックと言う言葉はまさにこのウルフストーン"Wolfstone"を形容するための言葉だ。ベースとドラムがタイトなリズムを刻み、オーバードライブのかかったギターがうなりをあげる。そこへ高らかに響き渡るバグパイプの音色。どこにでもあるようなロックではない。まさしくスコットランドの響きとメロディがある。パイプの次はフィドルの出番だ。これでもか、と言わんばかりに曲は激しく盛り上がっていく。・・・96年の4th album "Half Tail"の1曲目、"Zeto"を聞いて私はすっかりウルフストーンズの虜になった。

96年当時のメンバーは以下の通り。
* Duncan Chisholm - electric fiddle
* Ivan Drever - vocals, acc guitar, bouzouki
* Struan Eaglesham - keyboards
* Stuart Eaglesham - vocals, acc/elec guitars
* Wayne Mackenzie - bass
* Mop Youngson - drums
* Stevie Saint - pipes
(98年の最新アルバムでは、Eaglesham兄弟とYoungsonが抜けている)

ウルフストーンズは91年にアルバム"Unleashed"でスコットランドのIona Recordsからデビューした。バンドの中心となるChisholm,DreverとEaglesham兄弟はスコットランドのハイランド地方の出身。フィドル、アコスティック&エレクトリックギター、パイプ、キーボード、ベース、ドラムという強力なラインナップによって繰り広げられるパワフルなスコティッシュ・ロックは、プロデュースにかのフィル・カニンガムを迎えたこともあって予想をはるかに上回る売れ行きで、91年のS.M.I.A.のシルバーディスクに輝く。また、スコットランドはもちろん、ウェールズやイングランド、アイルランド、オランダ、デンマークへと精力的にツアーをこなし、各地で絶賛を浴びた。
92年には2nd album "The Chase" を発表し、さらにツアーのほうも範囲を広げ、ヨーロッパおよびアメリカへと遠征する。94年にはアメリカのケルティック・レーベル「グリーン・リネット」と契約し、3rd album "Year Of The Dog"をリリース。発売後わずか3週間でイギリスのインディペンダント・チャートのベスト20入りを果たした。94年の夏のワールド・ツアーも成功を収め、Wolfstone の人気は高まるばかり。
96年8月には4作目" The Half Tail" を発表する。単にパワフルであるばかりではなく、美しく繊細な音作りもこなす、Wolfstone の代表作と言っていいだろう。97年にはベストアルバム "Pick of the Litter --The Best of Wolfstone 1991-1996" が出ている。6枚目は98年の"This Strange Days" で、最新作は99年の "Seven" である。
(詳しくはそれぞれのリンク参照)
ちなみに、Wolfstone と言う名は、インバネスの北20マイルの道沿いにあるピクト族(スコットランドの北東部に 3 世紀から 9 世紀ごろまで住み, スコット族(Scots) に征服された民族)の石の名前から採られたそうである。

Wolfstoneのオフィシャル・ページ
  http://www.wolfstone.co.uk
  (ただし、まだ工事中)

■紹介■

セカンド・アルバム「ワイルド・ブルー」のコンテンポラリーな感覚の激しい演奏で注目を浴びたアイルランド系アメリカ人のフィドラー、アイリーン・アイヴァース。この97年発売のベストアルバム "So Far" を聞いていくことで、彼女の多彩な音楽遍歴を辿ることができる。
アイリーンは65年アイルランドのマヨー州の生まれ。両親はもともと、娘をアイリッシュ・ダンサーにしようとレッスンに通わせたが、アイリーンの方は、6回だけ通ったところで自分のやりたいことがこれではないと気づき、やめてしまう。その後、アイリーンはフィドルを友として生きていく。初めて手にしたフィドルは借り物だった。学校の勉強をする前に毎日必ず1時間練習した。彼女がそのころ最も影響を受けていたのは何と、カントリー&ウェスタンのお笑い歌番組「ヒー・ホー」だったと言う。
両親についてアメリカへ渡ったアイリーンは、12才のとき、ニューヨークで、マーティン・マルヴィヒルに出会い、ミュージシャンとして大きな影響を受ける。このマーティン・マルヴィヒル・アイリッシュ・スクールでの競技会で79年に(14才)演奏した時の録音がベスト盤の1曲目だ。端正な演奏だが、テクニックにおいてはもはや一流であることが分かる。
ハイスクールを出たあと、両親の勧めもあって、アイオナ大学で数学を学ぶ。数学と音楽には共通するものがあることを発見したと彼女は言っている。
卒業後、アイリッシュ・バーやフェスティバルでフィドルを弾くが、この時に多くの素晴らしいミュージシャンに出会った。グリーン・フィールズ・オブ・アメリカを結成したミック・モローニーもその中の一人だ。また、チェリッシュ・ザ・レイディーズ、ルカ・ブルーム、ジョン・ウィーランなど。
さらにはホール&オーツと言うようなロックバンドにも参加し、世界ツアーにも同行した。彼女が関わったバンドやミュージシャンはそのジャンルも様々。このような経験が後の、パワーあふれるユニークなソロアルバムを作り出す原動力となっている。
93年には、グリーン・リネットよりファースト・ソロアルバム「アイリーン・アイヴァース」をリリース。このアルバムの中の曲「パッヘルベルのいたずら」は、「パッヘルベルのカノン」をトラッド調にアレンジしたユーモアーあふれる曲。
95年にはセカンド・ソロアルバム「ワイルド・ブルー」をリリース。ハモンド・オルガンまで飛び出す実に現代的な感覚にあふれた傑作。一方で「リバーダンス」への出演によっても評判を得る。

ワイルド・ブルー
MSI GLCD 1166

99年には3枚目のオリジナル・アルバム(ベストも入れると4枚目)「クロッシング・ザ・ブリッジ」をリリース。ソーラスのシェイマス・イーガンやジョン・ドイル、その他フュージョン界の大物ミュージシャン、スティーブ・ガッドやアル・ディ・メオラをゲストに迎えて、斬新さにおいては、2枚目のアルバム「ワイルド・ブルー」をはるかに上回る新たな世界を構築している。

「クロッシング・ザ・ブリッジ」について詳しくはこちらをご覧ください。
アイリーン・アイヴァースのオフィシャルページはこちら。
'Official Eileen Ivers - Hompage of the Blue Violin'

「ケルティック・ミュージック、その新しい形(2)」へ続く


ご意見、ご感想等お待ちしています。お便りはこちらへ
celtic@music.email.ne.jp

プログレッシブ・ロック・バンド「コーラル・ケイブズ」
のホームページ
コーラル・ケイブズデビュー・アルバム試聴コーナーレビュープログレッシブ・ロック