経静脈性胆道造影併用ヘリカルCTによる胆嚢、総胆管の3D再構築像
●胆石症−胆嚢や総胆管の中に石ができる。
↓
(胆嚢結石症)
(総胆管結石症)
(肝内結石症)
※単に胆石症というと胆嚢に石がたまることを言う場合が多い。
●胆汁は肝臓で作られる。(総胆管とは胆汁が流れる道)
胆嚢の役目
肝臓で作られた胆汁を一時的に蓄え、濃縮する。胃袋から食べ物が十二指腸へ
送られるとき、胆嚢が縮んで総胆管を通り胆汁が十二指腸へ出てくる。胆汁によ
って脂肪が分解されやすくなる。
●胆石の原因
○胆汁組成の変化 ○胆嚢の収縮機能低下 ○遺伝的素因
●胆石の種類
■コレステロール胆石
純コレステロール石
混成石
混合石
■色素胆石(ビリルビン)
石
黒色石
■その他
まれな胆石
●症状
■腹痛 心窩部〜右季肋部痛(発作)
■発熱
■黄疸
●見た目がどんな人に胆石が多いか
4F
■中年(40歳〜50歳) Forty or Fifty
■婦人 Female
■小肥りで色白 Fatty
■全身状態良好 Fair
●胆石の検査法
■血液生化学検査−血液を取って調べる・・・肝機能検査ほか。
■腹部超音波検査−胆石の検査は超音波検査(エコー)で90%くらいはわか
る。
■経静脈的胆道造影(DIC)−胆嚢は胃と違ってバリウムを飲んでもレントゲ
ンに写らないので、静脈に点滴で造影剤(肝臓から胆汁に分泌されやすい物質)
を入れてから、胆嚢の写真を撮影する。
■内視鏡的膵胆管造影(ERCP)−口から十二指腸に内視鏡を入れ、総胆管や膵
管の出口(十二指腸乳頭)に直接造影剤を入れてレントゲン写真を撮る。
●保存的治療法
■経口胆石溶解療法
結石の種類によっては適応となる。
■体外衝撃波胆石破砕療法(ESWL)
石を細かく砕いて、十二指腸に流し出してしまう。
■内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)
総胆管の出口(十二指腸乳頭)を内視鏡で見ながら少し切開し、総胆管
にある石を取ってしまう。
■経皮経肝胆嚢鏡下切石術(PTCCSL)
皮膚・肝臓を通し内視鏡を胆嚢内に挿入し、胆嚢の石を取る。
●外科的治療法
■胆嚢摘出術
1)開腹による胆嚢摘出術
2) 腹腔鏡下胆嚢摘出術
腹部に小さな穴を3〜4ヵ所あけ石ごと胆嚢を摘出する。
(当院では原則3ヵ所:10mm-2ヵ所(上腹部と臍)、5mm-1ヵ所(右側腹部))
利点:傷が小さい 痛みが少ない 回復が早い
└→早期退院(入院後5日間で退院)、早期の職場復帰
■総胆管切開術−総胆管結石がある場合に胆嚢摘出術と一緒に行う。腹腔鏡下
で行われることも多い。
●外科的治療の原則
胆嚢を取ることが、胆石症の根本的な治療である。