仲間たち(イエスが見る子供とシスターの格闘)

現場での体験
◎中3の男の子(21:00過ぎお弁当箱を食堂に洗いに来て)
「シスター!おれさ、もう何も失うもんない!何もかも失ったよ。後は進むだけさ。」と話し出す。
「どうしたん。何を失ったん」と聞くと
「おれさ、高校は野球本命の所に合格して進むやろ。だけさ、彼女に別れを告げたんよ。すっげ〜!さみしいんよ」
「そうなんいい人やったん」
「かなりね」
「野球という人生の目標に絞ったからきっと又、必要な時にはいい人との出会いがあるよ」
「そうだよね。けどさ、おれさ恋花がないと力がでないんよ。どうしたらいいん。この何とも言えんさみしさ」
「どうもしてあげれんね。君の人生の上で成長していく為の出会いであって、別れであるし、これはね、繰り返されていくけんね」
「そうやね」と言いつつ自室へ・・・
宿直で見回ると彼が自分の部屋にいないので探していると、小学4年生の男の子のベットにもぐりこんですやすや休んでいる。ほほえましい・・・。よほどさみしかったのだろう。
何日かして彼が園の庭で野球のキャッチボールや、ストレッチをしていたので
「元気になった」と聞くと
「シス!もう大丈夫よ。恋も終わった。後は、野球前進あるのみ。後にさがったら悲しいやん。前しかないね。」
「そう、君はすごいね。シスターも前をしっかり見て歩かんとね。」
「そうや!」

car.gif ◎小学4年生の女の子
 「あんね!お母さんシンナー吸ってね、警察につかまってたんよ。だけ、うちは園に来たんよ。」と話し出す。冬、正月の帰省をしたが、母親の不安定さが気になり、家庭支援の職員が訪問している。この女の子曰く「ママね、ここの先生ママのこと疑ってるんやね」と言うとのこと。「何で先生来たん」と聞いてくる。
「それはね、お母さんが最近、電話の声が怪しくなってきているでしょう。それに字もしっかりきれいな字を堂々と書くのに今は震えているでしょう。だから先生はママのこと貴方のことを心配して訪問したんよ。」と教える。
「わかった」という。
 この母親は、薬中で刑をうけていて出所し現在、娘の名を腕に彫りこんで引き取りに向けてがんばっている。薬の後遺症に苦しみ現在も大量の薬を飲みながら回復に挑戦し働いているが、不器用な母親をしている。

◎小2の女の子
 「シスター結婚て何!」「結婚するとどうして赤ちゃんができるの」「結婚せんでも赤ちゃん出来んの」・・・・父親が、4度結婚・離婚を繰り返し、この4番目の女性の間に子供が生まれ、帰省のとき世話をするという。「うちも赤ちゃんが欲しい!」と口にする。

◎中3の女の子
 「うち、自分が好きになれん!シスターはさ、自分のこと好き」「ね〜どこが好き」とちょっと自分の感情にパニックになっている子がいます。どうもこの子は、この園に来て小さい頃に園の仲間にいじめられた経験を持っている様子。他の子供が話してくれる。一部・・・「うざい子がいるやろ誰だと思う」「Yや」とからかわれ続けたり靴の中に石ころを入れられたり、トイレの中でいじわるされたりとそれはそれはひどかったと小学6年生の後輩が話す。この子も無理やり加害に引き込まれいやだけど同じようにしたとのこと。現在・中3の子は、この後輩と良く話をしている。「いじわるしたのにお姉さんは、話しかけてくれてすごいと思う」とのこと。
 自分探しでも自信がなく乏しい・・・・。
     「 ふるさと 」 2番
  いかにいます(どうしていらつしゃるだろか) 父母
  つつがなしや(無事だろうか)  友がき(友達)
       風に雨に  つけても
     思いいずる(思い出す)  ふるさと

ふるさとは、温かいものであったから、帰りたかったし思い出になった。
今、自分を宿してくれた母親さえも恐れとなっている
どうしているだろうかとか無事だろうかと豊かな感情の情感よりも
おびえ・ふるえる・・・思い出したくないことが増えてきている
色々

caw.gif ◎高校3年生の男の子
 理由あって一年留年している子で精神的に不安定・園では寝るか・ゲーム漬けが多い
 夜10:00近く、夕食に起きてくる「やあ!元気。体調は、どう」「いや〜気分悪いすっ」等々話をする。彼は、3月には、自立支援ホームに旅立ちます。
「君は、園を卒園してからの自分の家は見つかったの」
「家はあるんですけどね。仕事がないんですよ」
「仕事はあるでしょう、働く気力がないんじゃないの」
「いや〜僕はかげ(存在)がうすいんですよ。人に気にもとめられないですからね。」
「え〜充分存在感あるよ。だって充分休んで、起きてきたら全身包帯巻いて食堂に来たり、夜中出て行ったり、園の中の壁には、穴を開けたりしてね」
「いや〜それは迷惑でしょう」
「いや〜存在でしょう」と私が話すと声が弾んできて色んなことを話し出す。
最後に「ここは、生活しやすかった」と聞くと
「最高っすよ。良いです。僕は、家にいた時、表現できない位の生活でしたからね。最高っすよ」
 (*以前、園を飛び出してどこにいったか解らず、転々と路上生活をしながら、食事はお店の試食コーナーを巡り、いよいよ行き場がなくなると交番の前で休み、保護されて園に戻ったという体験済み)

◎お母さん施設育ち、3人の子供に恵まれるが父親はそれぞれ、一番下の女の子は、共に母親と暮らす。
 長女と長男は、ここで生活している。
 長男は、特に母親と合わないというより嫌われて虐待の対象(小3)
・長女は、自分も体験しているが現在は、休みの帰省で弟がされているのを止めることができずにトイレで声を殺して泣いているという。長男は、帰すが家庭支援の職員がすぐに保護できるよう訪問をおこないながら実施している。少し、続くようにはなるが、母親はこうした職員を受け入れられず、「ここの先生はすかん」と言うようだ。弟にお姉さんの気持ちを伝えると初めて聞いたようでびっくりし「そうなん。おねえちゃん優しいね」と嬉しそうにしている。以前は、お姉ちゃんが、助けてくれないから嫌いと思ったと言う。姉も助けられない自責の念に苦しんでいた。姉弟の関係に光が射し、これから仲良くしていくだろう。母親は、長女が来年、中学生になるので家にいる次女の面倒をみるために帰って来いと言っている。勝手に見えるがこうした生き方しか出来ない。幸い長女は、園で高校まで過ごし働いて、家族のことを考えたいとして、しっかりした考えを将来につなげようとしている。

fish.gif ◎中3の女の子(現在・園での生活になじめず、家に帰り試験外泊中)
 園に来て2年目にはいっている子供。今年度になり園の男の子と近づきすぎて、5月のゴールデンウイークの帰省で肉体関係を持ち、帰ってきたがそのことを園の子供にも話、立場がおかしくなり、相手の男の子は、受け皿の弱い家庭に帰ることになってしまった。その後、精神的に不安定になり荒れ始め、学校でも浮いていじめに合う。
 自分で選択して「園で生活したくないから、家に帰りたい」と話す。協議して母親と共に過ごす。高校進学は、はじめから望んでいなく、中卒で働くとしていた。
 家に帰り、5ヶ月位になるが、母親との生活でも親子喧嘩が耐えない様子。母親が何かあると「あそこに帰れ!」と怒鳴り散らすと泣きながら園に帰ってきた。母親も訪ねてきて協議をする。母親「私も悪いけど、この子も都合よく園と家を利用している」と言われる。色々話し合い。一度帰って、考えて戻ってくるように話す。帰り際、仲の良かった高校生の女の子が「あんた、いいやん。ケンカできる母親がいる。だけ!幸せやん。うちは、したくてもいないんだよ」と肩をたたいてポツリと話していた。

◎中3の女の子(母親が交通事故で幼児の頃より施設で生活している)
 日々の生活は、ジャニーズの一人の男の子に夢中。将来は、「やまピーの付き人をするけん。東京に行く」です。壁もベットも机もま〜溢れるほどのポスター関係、自分の生活は、食べることで片付けは、人に。入浴はするが、洗濯は山積み。部屋はチラシの山。時々、夜尿あり。布団は、干さず職員が忙しく気づかないとそのまま夜はその中で休む。枕元でジャニーズのCDを聞きながら、至福を味わうよう・・・・
 4月から少し、信頼関係を築くまで観察していたが、身に付いていないことは、言葉をかけながら丁寧に共に体験していくことと思い続けている。そんなある日、受験の関係で早く下校し昼食を済ますと「シスター、DVD出して!」
少し、じらしていると他の子を使い求めてくる。
そこで「少し、話をしよう」と自分の好きなことに取りかかる前に整理してみないかと促すと
「は〜何言ってるか、解ってんの」「シスターばかじゃないの。頭狂ったんじゃない!」と逆切れ状態。
 洗濯し・片づけし・布団を干し・アイロンをかけ・何度も繰り返しその温かさを彼女が気付くまで続けよう。
 ・・・・自分が何を言っているのか知らないのです。・・・・イエス様が父に吐く祈りが聞こえそうです。

flower1.gif ◎小学3年生の女の子
 何をするにもぐずぐずして、すぐに取り掛かれない。そこで私が、考えたのが甘えからだと解るので、くすぐり攻撃!いやと言うほどくすぐっていると、
「やる・やる・やるから〜!」が始まる。
「やるね。」といって取り掛かり始める。この繰り返しが一ヶ月位続き、そろそろ本来のくすぐらなくてもやる、ということに焦点をあわせようと昨日、はじめいつものように対応しそれでも続くので
「もう、自分のことは自分で甘えてないでやりなさい。やった後でだったら一緒に遊ぼう」と少し距離をおいて指導すると、目に涙を浮かべていたが、当の本人も甘えが行き過ぎていることは解っていて、やめられない状態なので、さっさと宿題を済ませる。夕食前、食事準備をしていると、
「シスター」と彼女がやってきて、抱きつく。
「やらんといけんことは、自分でしっかりやろうね」
「うん、わかった。ごめんなさい」といい笑顔。2人の関係に信頼関係が成立していなければ叱っても効果がない。

◎前に首を絞めようとした中学1年生の女の子
 学校から帰り着替えたが、パジャマ姿で玄関にくるので
「着替えをきちんとして来てね」というと
「着替えがない」
「え!干してたじゃない」
「いや、ない」めんどくさいのである。次には
「お腹すいた、おやつ」と言い出す。
「わかった、時間が時間だからお風呂に入って着替えておいで、準備しとくけん」
その頃には、頭のスイッチはプッツン。床をバタバタ足で蹴りながら暴れだし、奇声を発し泣き出す。幼児の自我の芽生えでコントロールができないでバタバタして、聞き分けのない感じ。又、お店でおもちゃコーナーで何を言っても聞く耳を失い「買って」と泣き叫んでいる状態の拡大版かな。こうなると自分の中でパニックになり人の存在にも気づかなくなってくるので、部屋の戸をそっと閉めて出る。さらに加速して暴れている。部屋の何もかも投げ飛ばし、大きな棚も押し捲る。すごい力!しばらくして静かになったので覗いてみるとベットの中に丸くなって眠っている。夕食に起きてきて
「シスター」と大きな体で抱きついてくる。
「もう大丈夫なん」と声を掛けると、
「うち、頭が壊れそうでこわかった〜。」と話し出す。
「ご飯食べておいで、もう大パニックで体の中の暴れ虫は充分出たから、おいしく食べれるよ」
「うん。わかった」と走っていく。
 *父親からの激しい虐待の結果に苦しむ女の子・父親が自分のパニックの原因を作ったとは思ってなくてどうしてなんだろうと考えている。母親もこの父親の暴力でこの子が1・2歳位の時逃げて行ってる。

◎出身した女の子が母親になり1歳になった子供を主人とともに見せに里帰り。
 未羽(みう)ちゃんと名付けたとのこと。「主人が、ママさんの家に行こう。って言ってくれたんよ。ママさんの家はここやろ。笑っちゃった。けど嬉しいね」本当にきれいな何ともいえない愛らしい女の子です。あそこそのもの・・・・

flower2.gif 子供たちに何の責任もない。親のつながりの持ち方が不得手でその結果を担っている。
 親となる幸せに預かった人は、子供を下手でもいい愛して欲しい。ハンディーがあってもその子供は、どの子供より豊かなものを返す日が来るでしょう。親は、小さな成長にも心を留めて認め・いとおしんで欲しい。ありがとう。ありがとう。と我が子を見て欲しい。親が感謝して欲しい。親同士・祖父母に子供に。お皿を取ってくれてありがとう。靴をならべてくれてありがとう。みんなを暖かくしてくれる太陽さんありがとう。言葉にして心に思いのエネルギーを吹き込むと感謝は、笑顔と共に自分も人も豊かにしてくれる。親子のつながりが、危ない今だから、生まれてきてくれてありがとう。一緒に生きて行こうね。という親の親でなければ出せない味を大切にして欲しい。また、親も苦しんでいる、慰めが欲しい。ちょっと手伝って欲しいという方が多いかもしれない。ちょっとの温かい言葉で隣の悩める家族に幸せがおとづれるかもしれない。人間は、人から人へ伝えなければ生きる方法を学べない。心の思いも同じ思うだけでは何も伝わらない。表現してみることで伝わる豊かさ。まず親から子へ。


◎高3の男の子
 現在、勉強と共に運転免許取得・ガソリンスタンドのバイトも続けている。この子が昨晩宿直をしている職員室にやってきました。・・・数名の職員がいる・・・
 そんな中で色んな話をして
「たくさんの人にお世話になって大きくなってきたよね。君は何歳からここにきたん」
「2歳」
「2歳からね。じゃ!ここでお世話になって印象に残っている人はいる」と聞くと
「シスター」と答えがあり
「どんなシスターだったの」と聞くと
「シスターよ」どうも私だそうで指を向けている。
「方破りだから」と聞くと
「いや!何かいいっす」ですって。もしかしたらこの一年彼はバイトで夜遅く(21:30〜22:00)に帰ってきて一人でポッンと食事をしていたので宿直の時など共にいて食事をすすめたり、話をしたり、食べた後の皿を洗ってあげたりして出来る範囲のことを何度かしたのが残っているのかな〜!いつもは「おかえり」と義務のようにみんな挨拶しタッチしないので(自立の為でしょうか)心寂しかったのではないかな?・・・毎日どれだけ愛をこめられるかが子ども達の将来の種になり自立につながるように思う。大人の責任・・・・

mamm.gif 「いのちへとはじけるように 生まれるのを待つ種」
忍耐強い働きによって、肥沃な土地に変えることの出来ない不毛な、実をもたらさない土地などないように、人の心も同じである。
初めはどれほど不毛で手に負えないようでも遅かれ早かれ、良い実りを生むようになるのである。
霊的指導者(教育者)が、それを実り豊かな美しいものとするために、祈りと働きによって神の恵みに協力するならば、人の心は自然によいものを愛することから始め、最終的には超自然的に良いものを愛することへ進むのである。
・・・・ドンボスコの教えより・・・・・


2月8日 食堂で
高校生の男の子2人が夕食を食べている。その内の一人が手の指全部の関節部分にテープを巻いている。
「指どうしたん?」
「いや〜こぶしを作らないように友達がテープを巻けって言ったんです」
「こぶし・・・?」
「にぎりこぶしですよ」
最近イライラすることが多くなったと言う。こぶしを作ると怒りが爆発するそうで自己コントロールできるように、自分なりに挑戦しているようだ。

2月9日 夕食の片付けのとき
 万引き等を繰り返す癖を持つ中学3年生の男の子
 夕食は、鍋料理・あれこれと忙しく動き回る姿をみていたのか、食事が終わって片付けていると
「シスターご飯食べた。」と声を掛けてくる。
「食べたよありがとう」
「うん」
これだけの会話なのだが、この子の優しい一面で本物を見、感じさせて頂く。

*イエスキリストに於ける赦し
裁きの場合は、一つの罪でも有罪の判決が下されますが、恵みが働くときには、いかに多くの罪があっても、無罪の判決が下されるからです。
―使徒パウロのローマ人への手紙5.12−19―


2月11日
夜8:00小学4年生の女の子が母親との外出を終えて帰園してきた。母親は、刑務所を出所して1年になるとのこと「お母さんよくがんばったね」と肩を抱くと思わず涙ぐまれる。いつもトラブルメーカーで困らせるは母親であるが、気が小さくて強情なのかもしれない。

2月17日
中一の女の子
21:30近く、部屋の見回りに行くと、勉強ならずCDで音楽を聴きながら、マンガを読んでいる。
「テストが近いから30分でも勉強したら」と声を掛けると、
「今日はせん。寝る。」という。
最近のこの子の様子が投げやりに映るのでそのことを交えながら話していると幼児体験を口にする。母親は、彼女が小学生低学年の頃、癲癇から精神的病を起こし現在入院闘病中で進行中の状態。
「ママ、しゃきしゃきの働き者でちょっとうるさかったけどね、ねえ!もう元に戻らんの」
「う〜ん、厳しいと思うよ」
「お父さんは、虐待父だね。うちは、首とかすごいあざがあったんよ。包丁が飛んできたこともあるし。座らされて髪の毛ぐいぐい引っ張られたんよ。今考えると訴えればよかったんよね。お兄ちゃんもいるんよ。今、高校2年生。けどお兄ちゃんは離婚の時、お父さんに付いていった。うちは、怖かったから、おじいちゃん(母親の祖父)の所にいったんよ。おにいちゃんの足で蹴ったりしたから大嫌い。お父さんは、今刑務所に捕まっとるかもしれん。その方がいいよ。怖いもん。」と次々に話し出す。
「将来、医療関係の仕事したいんよ。薬剤師になるには勉強できんといかんのかね。」
「もちろん、すごい責任のある大切な仕事だから基本的学習はきちんとしとかんとね。」
「そうやね。でもうち、何か勉強する気にならんのよ。1学期は何でかね。やったよね。」
「続けることが大切なんよ。期末は、一ケタの点数は、遠慮したいよ。お願いね!」
「ハハ!シスターオモレエー!ま、がんばってみるけん。」
時の過ぎるは早いこと。あっという間に、1時間近く過ぎていた。
「じゃ、今日はもうおやすみなさい。」
「うん、ねるけん!」

ship.gif はしかに罹り医務室に隔離された中3の女児
数日休んでいるので、体の清拭をして欲しいと言う。してあげると気持ちよさそうにしているが、発疹のすごさに
「お化けやね!気持ち悪い。」と言う。
「でもね、これがはしかなの。あなたが、将来結婚して子どもを育てるとき、または子どもや会社等でも同じなんだけど、はしかに罹る人に出会うときよき理解者になれるし、どんなお世話をしてあげたら良いかも学んだでしょう。」
「うん!」
「シスター靴下取ってきて」
彼女のタンスの引き出しを開けると洋服が小奇麗に整理されているが、引き出し一杯で引いたとき洋服がめくれる。すると間に財布が隠されている。靴下取ってきてと言うときに彼女の顔に少し陰りが見えたのでおそらく、隠し金を所持しているんだろう。自分に責任を取れるタイプなので悪いことには使用しないと思うけど・・・・・

「洪水のような叱責よりも、励ましの一言で・・」
「少年たちを愛すると言うことは、彼らをありのまま受け入れ、共に時間を過ごし、彼らの興味や関心事を分かち合いたいと願い、そうずることを楽しんでいることを示し、彼らができることについて信頼を表し、長続きしないことあるいは深く考えないことを大目に見、性急さ・未熟さゆえの故意でない過ちを沈黙のうちにゆるすことです。ドンボスコはこのように考えました。
「どの子どもにもそれぞれの危機があります。あなたにとってもそうであったように。そういった時に、私たちがすばやく、責めることなく子どもたちを助ける努力をしないならば、天がわれらをあわれんでくれますように」
−ドン・ボスコー


snake.gif 高3の男児
「もうすぐ、ここから旅立つんだね。寂しいね大きな穴がポッカリ開いちゃうよ。」
「ぼく、宝物でした」
「最高のね」
「神奈川に来たら、僕を訪ねてくださいよ」
「そうだね、葉山に行く用事があるので訪ねるね。」
「わ〜!うれしいっす」
「コーヒーくらい飲ませてくれるよね」
「コーヒーなんて言わないでくださいよ。たくさんご馳走しますよ。がんばって働きますから」ありがたいですね。

高1の男子
21:00近く職員室を訪ねる。
「4月からね、ガソリンが値上がりしてるやろ。だけんね、ストーブ使わんようにがんばってるんよ。」
「体を壊すより、つけなよ」
「いや、鍛えてます。1円でも経費削減につながるよね。一人でもいいやろ」
「1円ではなくそうとう君の心がけはここの園を支えているね。ありがとう」
「いや〜べつに」と照れながら去っていく。
職員室は、いつも暑いくらいにポカポカにしてあるので恥ずかしい位で、子どもに脱帽!・・・・(ここの園は、灯油ストーブを使用している)

中3の男の子と中1の女の子の兄妹
父親が突然新年に入って、夕方面会に来るようになる。この兄妹は、父親等の激しい虐待で入所している。幼いときから・・・2人共に「なんで、今頃来るん?」と戸惑いながらも面会する。兄は、面会のたびに嫌がる、妹は、面会で父親がお菓子や現金をこっそりくれることが嬉しくて嫌といいつつも物が嬉しい様子。3回目の面会。兄は、職員に事前に「もう来ないでくれ」と言って言いかと相談している。「自分の思いを正直に話してごらん」と勧め、勇気を持って話す。妹は、部活で不在。とつとつと話している重い後姿が、手に取るようにガラス越しに伝わってくる。面会を終えて別れのとき、複雑な表情の兄。父親が帰るとがまんしていた、張り詰めた心が一気に気が抜けたように泣き出す。職員が寄り添いながら話を聞く。父親に想いを伝えることができたこと。叱られると思っていたのに、父親も自分の無責任に受け入れてもらえるか不安だったと放した様子。親子の縁は切らないで欲しいと言われ、何か困ったことがあったら連絡してくれ。と言う結びに展開したと言う。この兄妹には、他に3名の兄弟がいるが、一番上の長女は、知的障害を持っていて、こうした人を受け入れ仕事をさせてくれる施設で生活しながら、妹・弟が帰省する折には、この施設に呼んで過ごさせるほど面倒見の良い姉であるが、2人の兄妹は、「お姉さんに報告したい」と電話をする。お姉さんは、2人を褒めたそうで特に15歳で一人で父親に向かった兄に「偉い!すごい勇気だったね」と労ってくれたとまた、ボロボロ泣き出す。子どもが父親の背中を超えて成長できた瞬間だろうか。兄は、妹が同席していなかったので、妹にも自分の思いを伝え、兄として支えていくことを話した様子。2人は、園ではあまり接点を持とうと特に妹はしていなかったがこの機会にいい関係に発展していきそうです。兄は、4月から高校野球をベースにできる高校に寮生活を送りながら挑戦する。その意味でも残る妹と父親の関係においてきちんと守ってあげたかった様子。父親はしばらく来ないでしょう。

town.gif 高1の女の子
上記の兄妹の様子を見ていて。
「ねえ!最近やたらと面会に来ない?うれしいんかね」
「あなただったらどう」
「わからん。でも今更って感じかな。だって、顔も名前もしらんやろ」
「そうやね」
「あんね、小学生の頃お母さんに父親のこと聞いたんよ。ね!そしたら、まだ小さいけん、中学生になった頃に話すね。」
と言ったとの事、
「中学生になった時聞こうかと思ったけどね、母親もきっと言いたくないから延ばしてると思ったら聞かなくても良いと思った。」
と話してくれる。彼女は、将来福祉系の大学に進学したいと思い始めている。母親は、乳癌の治療の中で仕事をしている。

中3の女の子
3月中途から入所希望で見学に来る。兄弟5人いるが、2人は両親の元・2人は、他の施設一番長女の中3の子は、ここの園にということで・・・さんざんな人生を小さな心に負わせられながら育ってきている。虐待・放任・異性関係・タバコ等々
でも見学に来園し玄関に立つ彼女は、どこかしらホッとしている。色んな話をして案内すると彼女は、十字架やお祈りの額・聖堂でじ〜っと十字架を見上げている。
後日、ケースワーカーさんによると
「ここに行きたい。聖堂が大好き」と言い。
「あそこに私の居場所がありそう」
と話していると言う。どうも小さいときに教会に行っていたような感じがしているんだけど。とのこと・・・・受け入れる側としては、今までの育成記録から出来るだろうかとそうとう悩んだケースなので、神様が「ここで関わるべき子供ですよ」とはっきり示して下さったのでしょう。

中一の女の子
ボーリング場での出来事・・・
小学1年生の女の子が長椅子に座り、幅にして20cm位の空きスペースそして、私が座って共にいる。中一の女の子は、
「シスターの横に座りたい」
と大きな体でドスン!小1の女の子は、跳ね飛ばされる。するとすごい勢いで
「なにするの」と怒り出す。
中一の女の子も反戦、大きな足で小さな小1の女の子を蹴り飛ばす。小1の子も負けない。でも中一の子は、パニックになると何をするか解らないので、小1の女の子を引き離し別の場所へ、引き離すときも首を片手で掴み、力づくなのでなかなか離さない。やっと離し、分離成功。中一の女の子は
「何でうちがいけんの・・・」
訳のわからないことを大声で発する。会場の近くにいらしたお客様は騒然 相手をしているのがシスターでもっとびっくりしたでしょう。10分くらい放っておくと決まり悪そうに表情を変えている。小1の女の子も反省して、謝ると言い、中一の女の子に
「落ち着いたの」と声をかけると
「うん」と答える。
「お互いに謝ろう」と間に入りうながすと二人共に
「ごめんなさい」と詫びる。特に中一の女の子は、小1の女の子を笑顔で両手を差し伸べ
「ごめんね〜痛かったよね」と包んでいた。その後は、何事もなかったかのように、二人はプリクラ等を撮り仲良く遊ぶ。

「君に聖人になるための方法をプレゼントしてあげましょう。よく注意するんだよ。 第一に、朗らかでいること。君を動揺させたり、落ち着きを奪ってしまうものは神様からやってくるのではありません。
二番目に勉強と信心の務めだ。学校で一生懸命に勉強すること、お祈りを熱心にすること。これらすべてのことを名誉や、自慢のためにするのではなく、神様への愛、豊かな人間になるためにすること。
三番目には、みんなによい行いをすること。聖人であるためには、すべてこういった事を行う事だよ。」・・・
ドンボスコがドミニコサビオに聖人になるための3つの方法を教える箇所・・・


whale.gif 小学2 年生の女の子
今度1年生になる妹がいる。妹は、幼児さんからここで生活している。本児は、両親が家を出て、母親の祖母が4年ほど面倒をみている。祖母は、仕事をしていて家には、病弱の曾おばあちゃんのお世話もしているので、本児の面倒を見ることに手が回らずばらくお世話になりたいとのことで入所する。20:00近くになると目を真っ赤にして
「おばあちゃんの所に連れていって… 会いたいんよ〜。」と泣き出す。
「シスター夜、ずっと側にいてくれる」と不安一杯。22:00就寝でべットに泣きながら入る。私の手をしっかり握っている。
「ねえ!おばあちゃんに会いたい〜。」隣では、園生活に慣れている妹が心配そうに休んでいる。
「眠ってごらん。おばあちゃんが夢で会いに来てくれるかも… 」
「うん、そうだね。」と泣き寝入りで休む。妹もお姉ちゃんの寝息を聞いて安心して休む。

勉強嫌いの小学3年生の女の子
この一年・宿題を取り組ませるのに大変な日々を展開させてくれた彼女!どうしたことかこの春休み、ワーク3 冊(漢字と計算等)を2日で仕上げる。
「シスター側にいてね。うち勉強するけん。」
「いや〜大変だもん」と返答すると
「うち変わったけん」朝から夜まで時間があるとワークをしている。しかも楽しそう!漢字を書きすぎてタ方手は震えている。すると彼女、鉛筆をセロテープで手に固定させて取り組む。ずっと側にいて漢字に悩んだらヒントを与える。どうもそのヒントが漫才のように楽しかったとか… 側にいた6年生の女の子に
「冗談が多すぎなんょ… まったく」とお叱りを受けるほど。でも、ワークを全部終えての彼女の達成感は、すがすがしい!本当に人は輝くとき・輝く瞬間があるものです。ちいさな胸に大きな自信を彼女は、身につけたでしよう。

高1の男の子
寮生活で少し時聞がとれて帰園。タ食をおいしそうに食べているので
「おかえり、どう!ここの食事おいしい」
「はい!おいしいです。出て見て食事がおいしかったことに気づきました。」と彼が話すと何人かの職員も共に食べていたので
「え〜!ここに居る時は、誰よりもこんなご飯食えるか、って文句言ってたのにね。」と反論。すると
「寮のご飯は半生なんですよ。お腹こわすんです。」と話し出す。おかわりをたっぷりしここの味をお腹にドット落としてまた、寮に帰っていった。がんばれ!

今のところ・・・
☆子供たちから学んでいること
  ・誕生の瞬間の祝福があっただろうか。
  ・施設に幼くして入所しても、心に胎内で傷ついたものは、回復に時間がかかることと、難しい。
  ・人間は本来的に、宿される運命となったこの宿である胎をふるさととする。だからここに何が差し出されても帰ろうとする。園の子供たちは、その母親が拒否したり、わが子を捨てても美意識のなかにいる。
 信仰の世界・・・神がふるさと、限りない信頼と希望。人間としての世界で何があろうとも命の終わりに受け取って頂き・帰れる最終的家。

☆誕生は、祝福されても育つ環境不足(人的・物的)
  ・親が育てる能力を持たない。育て方が解らない。家族でつながった子育をしていないので・・・。
  ・親をサポートして支援する人が全く居ない個室化育児かサポートが弱い。
  ・経済力を持たない。
  ・精神面のもろさ(トラブル・転職・離婚・再婚の繰り返し等々)
  ・親自身が温かく受け入れられて育ったのではなく、物的・心的貧しさの中で生きてきた人たち。

☆結果的に子供
  ・暴言・・・・言葉の表現に乏しい(暴力や要求の多い親の中で育ち、説明の仕方や表現方法を知らない)
  ・飽き性・・・こつこつと積み上げる、当たり前の成長過程が嫌い。出来ないわけではないが苦手(学習・生活・人付き合い)
  ・人への警戒・・胎内で身に付いている子も居るように思う。根深い。
         人に深く愛され・信じて生きたい誰よりも深い寂しさ・孤独の中に居るのに・・・。
  ・生活の場を整えられない。・・・家の中は、雑然としている・食事を作って食べさせる空間が読めない。だらだらとした生活。
   *園に何年生活しても特に女の子は、将来母親となるのが早いのだが(家庭に憧れるのか?)衛生観念・身辺処理能力が低いことは、また子供に繰り返しが続かないとも限らない。再生が身に付かないし、時間がかかる。

☆かかわりの10のポイント
1. 遊び相手となり、スキンシップする。
2. 欲しいといっても、我慢する力を育てる。(いつでも与えない視点から)
3. 間違いや失敗の理由をきちんと聞く、暴力はよくない。
4. 子供の行動を把握し、遊び先も把握し又、友達について知る。
5. 他人との比較をしない。
6. 食卓の団欒で、子供たちの話題に関心を持ち耳を傾ける。
7. 子供の努力・良いことについてほめる。
8. 職員の言動の一致。
9. 宗教、精神生活の豊かさを知る。
10. 子供の前で社会の決まり、公共機関への批判をしない。(法律・警察・学校・役所等)
−カトリック生活1月号の中より10のポイントは拾うー