地 球 温 暖 化 に つ い て

☆ 地球温暖化

石炭、石油など化石燃料の大量消費により排出される二酸化炭素やエアコンに使
われるフロンなどが、温室のガラスのような働きをして地表を暖める現象。
国連の「気象変動に関する政府間パネル(ICCP)」ワトソン議長は11月、
地球の平均気温は過去100年間に0.4〜0.8度上昇し最も厚かった上位3年は
90年代に集中したことを明らかにしました。
また、このままでは2100年には地球の平均表面温度は現在に比べ1.5度〜6度
上昇すると当初予測(1度〜3.5度)を上方修正した。
海水の膨張や氷河の融解などで海水面は15〜95cm上昇、全森林面積の3分の1
で植物の種類に変化が起こるほか、熱帯地方で食糧生産が減少し、飢きんの危険
が増すとされている。

気象変動枠組み条約

【温室効果ガスの増加による地球温暖化などの気候変動を防止するための条約】

2000年の温室効果ガス排出量を1990年並みに戻すことを目標に、92年
に採択された。しかし、目標には強制力がなく、2000年以降の取組みも示さ
れていないことから、1997年の同条約第3回締約国会議(地球温暖化防止京
都会議)で先進国の排出削減目標など決められた。

【温室効果ガス(GHG)・・6ガス(気体)】

赤外線は地球から宇宙に熱を逃がして地球をさましているが、この赤外線を通し
にくい種類のガスをいう。
温室効果があり、京都議定書で削減対象とされた

☆ 二酸化炭素 ☆ メタン ☆ 亜酸化窒素 ☆ 代替フロン(HFC、PFC)
六フッ化硫黄。

最も温暖化に影響しているのは二酸化炭素で、温室効果全体の3分の2を占める。

 

早まる海面上昇の危機

南太平洋の島嶼(とうしょ)国・フィジー、パラオ、バヌアツなどにおいて、「無人島が消えた」とい
う耳を疑うような被害報告も出始めた。海岸や河口のマングローブの木が根こそぎ倒れるのは当たり前
の光景で、塩害や地下水への影響など相次いでいる。大半の島の最高地点が海抜3mに満たないツバル
では航空や島全体が津波に洗われるほどだ。
これらの国々はもともと国土の大半が海抜1m以下でほとんどの国民が沿岸部に住んでいる。このまま
では21世紀中に国土のかなりの部分が水没すると予想されているのだ。1m上昇すると、マーシャル
諸島共和国の国土の80%が水没、人口の被害が避けられないという。
インド洋のモルディブなども存続の危機に直面している。バングラデシュなど大陸部の国々でも海面上
昇で洪水が増え、農業などに大きな被害が出ている。タイのチャオプラヤ川の河口付近では、道路のあ
った場所が水没し、電信柱が海面から突き出た状態になったところもある。
「地球の氷が急速に解け始めるている」。3月、観測結果をまとめたのは米環境シンクタンクのワール
ドウオッチ研究所(レスターブラウン所長)だ。
「90年代の半ばの北極圏の氷の厚さは平均1.8mで、70年前後に比べて40%も薄くなった。
温暖化の影響で、他の地域でも氷の崩壊が進んでおり、地域数、速さも観測史上最高」と警告する。
昨年4月には、米コロラド大学雪氷データーセンターが「90年代の温暖化の進行で、南極大陸の最北
部にある南極半島において、97年−98年の1年間だけで、過去50年間の崩壊の4割にあたる棚氷
が流出した」と発表している。
棚氷とは南極の氷のうち、海上に張り出した部分のこと。
「今次数年間でこの地域の巨大棚氷の大部分がなくなる可能性がある」と警鐘を鳴らす。
米航空宇宙局(NASA)のマーク・ドリンクウォーター博士も、グリーンランドで雪のたい積してい
る面積が、この数年間の急速な温暖化で20%消失したことを明らかにしている。
これまでは、「極地の氷の崩壊は海面上昇につながるほど極端には進まない」というのが、専門家のこ
れまでの代表的な見方だった。
最近の相次ぐ観測データによる、覆る可能性が出てきた。
海面上昇はどの程度のスピードで進み、どの程度の高さになるのだろうか。
「2100年までに49cm上昇する」。温暖化問題の専門家からなる国連組織「気候変動に関する政
府間パネル」(IPCC)が95年に出した予測である。最も希望的な観測でも13cm、最悪では
94cmとしており、海面上昇は避けられない。
しかし、この数字は、極地の氷崩壊の影響は微々たるものとして算出している。それを考慮した上で計
算し直せば、上昇幅・速さも膨らむ可能性が高い。既にIPCCは、来年春の予想値の定期改定に向け、
こうした影響を加味した新しい予測シナリオを検討し始めているという。生きている間に、ハッキリと
分かるほどの海面上昇を経験する人も出てきそうだ。
そうなると、日本も「百年先」「遠い島のこと」とは、いっていられなくなる。
海面上昇の権威である茨城大の三村信男教授は、「海面1m上昇すると、全国の砂丘の90%が消失し、
はんらん危険地域内の資産総額は378兆円に及ぶという、全国の港や海岸の補修は少なくとも20兆
円はかかる」
沿岸部だけでなく、日本全体に大きな打撃を与えかねない問題もある。海面上昇により、日本最南端の
島、沖の鳥島(東京都小笠原村)が水没するかもしれないのだ。
同島は、満潮時には海面から数10cmだけ顔をのぞかせる小さな2個の岩でしかない。波による侵食
を受けないように87年以降だけで領土保全や観測所設置のなどに約500億円当投じたが、「海面が
上昇すれば、そうした島の保全にかけた費用が水泡に帰しかねない」(建設省幹部)。
消失すると日本の陸地面積よりも広い40万平方kmの排他的経済水域を一気に失い、漁業・鉱物資源
の権利がなくなってしまう。
もっとも、専門家の間でまだ異論も多く、予測しにくい分野だけに、本当にそうなるか分からない。
「最悪のケースに備えて今から国際的に対策を打つべきだ」と指摘する人もいる。

三村教授の予測データー(日本)

砂 丘 の 消 失

30センチ上昇

56.6%

65センチ上昇

81.7%

1メートル上昇

90.3%

 

はんらん地域内の居住者

30センチ上昇

1230万人

65センチ上昇

1358万人

1メートル上昇

1542万人

 

はんらん地域内の資産総額

30センチ上昇

302兆円

65センチ上昇

333兆円

1メートル上昇

378兆円

 

主な国の現状と主張

EU

EU以外

途上国

ドイツ

環境税導入済

自然エネルギー買い取り

将来原発廃止

日本

6%削減達成できる政策示せず。

消エネ法強化

温暖化対策法制定

中国・インド

大量の二酸化炭素を排出、途上国の規制導入に消極的

英国

来春環境税導入

削減を上回る20%削減を目標に

アメリカ

議会の抵抗強く、「途上国の規制」を批准の条件

産油国

「石油使用減り経済に打撃」と補償金を要求

オランダ

環境税導入済

企業と政府が協定結び、削減約束

ロシア

95年時点ですでに二酸化炭素30%減少。

排出枠余裕分を売却の可能性

島しょう国

影響を憂慮し、温暖化交渉・対策の進展を希望

 

 主な先進国の温室効果ガス排出量と削減目標(条約事務局の資料による)

国名

90年の

排出量

98年の

排出量

90年と

の比較

削減目標

日本

12.13

13.35

+10%

−6%

米国

60.49

67.27

+11%

−7%

カナダ

6.12

6.92

+13%

−6%

英国

7.41

6.80

−8%

EU全

体で

−8%

ドイツ

12.09

10.20

−16%

フランス

5.54

5.59

+1%

豪州

4.23

4.85

+15%

+8%

ロシア

30.40

19.62

−35%

0%