ページのタイトルについて

 

  私が環境問題に興味を持ったきっかけは、1995年(平成7年)の大凶作があったときである。
  これまでは、地球温暖化・排ガス問題とか・環境サミットなど新聞から断片的な事柄に始終していた。そして平成の米騒動に直面して何かこれはおかしいぞと思いはじめその後新聞記事を中心に切り抜きをはじめた。
  そして、レスター・ブラウンの「誰が中国を養うか」と今村奈良臣氏の「食糧破局」を読みながら少しづつ理解しはじめた。
  人類の生存に不可欠な食糧と水がこれから大変なことになろうとしていることに気づき自分なりに整理し、このホームページとなった。
  これらのなかで、地球環境問題の9つの課題と食料の関わりについて整理(別表参考資料)されたものをみると先行きの不安を増大させると感じるのはおかしいのだろうか。
  そのなかの解説では、21世紀末頃には、地球の人口は100億人を超えると予測されます。開発途上国を中心に世界人口の爆発的増加が起き、世界の食料、環境、エネルギーなどの問題が深刻になってくるものと懸念されます。
  地球の人口が増加するにつれ、我々はさまざまな経済活動を続ける中で、これまでいくつかの地球環境問題を生じさせてきました。環境問題はの多くは、食料の質と量、農業生産のあり方に密接に関わるものです。
  とくに、地球温暖化の問題については、専門家の報告書によると、2100年には平均気温が2゜C上昇し、海面が50cm上昇すると予測されています。
  平均気温が2゜C上昇は、例えば、日本列島が南に300km移動するのと同じような自然条件の変化だといわれています。
  従って、我々の主食である稲の生育には大きな影響が出るものと予測されています。東北地方や北海道では、増収の可能性が期待されますが、西南日本では、現在の品種では生産量が低下することが予測されています。世界的に見ても、食料生産は、害虫・異常気象の増加を考慮しなければ、増産地域と減産地域とが生じ、ほぼバランスがとれるとの見方もありますが、熱帯・亜熱帯地域で生産が低下すると見込まれることから途上国の飢餓の危険も懸念されています。
  21世紀の食料危機の最大の要因は、温暖化をはじめとする地球環境問題であるといわれています。
  地球温暖化により異常気象が頻発するとともに、酸性雨、オゾン層の破壊による紫外線量の増加などにより農業生産が壊滅的な影響を受けるとともに、過放牧による砂漠化の進行が更に拍車をかけることになるとの見方もあります。地球環境の悪化によって、全世界的な大凶作がおこり、我が国の食料輸入ストップする可能性を示唆するものです。レスターブラウンは、その著者で食料危機が生じる根拠として、人口の増加に比して耕地面積の拡大が望めないこと、途上国における農業用水の確保が国難になること、化学肥料の使用量が減少していることなどを掲げて、今後、食料の増産は望めないという悲観論を展開しています。
  一方、21世紀の主として途上国の穀物不足量を計量経済モデルを用いて推計し、先進諸国からの輸出で十分まかなえる程度と見込み、土地の荒廃や地球環境の悪化の影響は、定量的に確かめることができないと楽観視する見解もあります。
  人間は本来、自然とは隔絶した存在ではなく、自然の一部として生きてきました。人間と自然の関わりは、近代化、工業化をめざした経済発展の下で、物資的豊かさのみを追求するあまり、いつしか変化してしまったのではないでしょうか。
  自然と対立する人間、自然を支配する人間というおごりがあったのではないでしょうか。しかし本来、人間と自然とは共生によってのみ成り立ち得るものです。
21世紀を目前として、もう一度我々は共生と循環という視点で自然と向き合い、地球環境問題を考え直さなければないと思います。
  そんな解説を読んでから、共生そして農業・食料とタイトルをつけることにした。

 

地球環境問題と食料問題

〔参考資料〕

 

問題の概要

影響の概要

1.地球温暖化

大気中の二酸化炭素・メタン・亜酸化チッソ等の温室効果ガスが増加。IPPCの第2次報告書では、地球全体の平均気温は2100年には2゜C上昇、海面は50cm高くなると予測

異常気象の激発、小麦等の適地の移動、海面上昇に伴う高潮被害ひいては農地の減少等食糧生産等に悪影響

2.熱帯林の減少

世界の森林面積40.3億ha(陸地の30.7%)の半分近くの17億haを占める熱帯林が急速に減少。FAO報告によれば、あと110年で熱帯林がゼロになるスピードで減少。
原因は非伝統的焼畑耕作、過度の薪炭材採取、不適切な商業伐採、過放牧等。
その背景として人口増加、貧困問題等

生物資源の減少、二酸化炭素吸収源の減少、南洋材の供給不安定等の影響

3.砂漠化の進行

毎年、かんがい農地で100〜130万ha、降雨依存耕地(天水農地)で350〜400万haが砂漠化によって消失し、更に放牧地で砂漠化が進行中。
過放牧、薪炭材の過剰な採取、不適切なかんがいによる塩分上昇等があり、その背景として人口増加、貧困問題。

砂漠化の進行は耕草地を奪い将来の食糧生産に暗影(特に途上国)

4.オゾン層の破壊

フロン(冷媒、洗浄剤、発泡剤、エアゾールとして大量に使用)等人工化学物資により成層圏のオゾン層が破壊され、中緯度で10年当たり4〜5%オゾン層が減少、有害紫外線の増加の懸念

皮膚ガンや白内障等の被害が発生。農作物へも被害を与え収量にも悪影響。プランクトンが死滅し水産資源全体への影響が懸念。

5.酸性雨

化石燃料の燃焼(煙突、排気ガス)等によって発生する硫黄酸化物や窒素酸化物により強酸性の雨が発生。欧州・北米では森林・湖沼等の生態系に甚大な被害。
我が国でも全国的に多くの地点でpH4台の酸性雨を観測。

今後我が国においても森林、作物、内水面に悪影響が懸念

6.野生生物種の減少

人間活動による生息地の破壊や乱獲のため、野生動物の種が急減し、1990年以降30年間に、全世界の5〜15%の種が絶滅すると予測

作物、家畜の改良等のための生物遺伝資源の損失。豊かな生態系の崩壊

7.海洋汚染

大型タンカー事故や化学物資の投棄等による海洋汚染が深刻、91年の湾岸戦争による大規模原油流出はペルシャ湾の生態系に甚大な影響
海洋汚染の原因の約7割は陸上起因といわれており、難分解性有機汚染物資を規制する条約の動き

海洋資源の汚染を通じて食糧問題に波及

8.有害廃棄物の越境移動

76年の伊セベソ事件(ダイオキシン汚染土壌が行方不明となり83年仏で発見)
88年のココ事件(伊等のPCB入り廃トランスをナイジェリアに投棄)を契機として有害廃棄物の越境移動が国際問題化

途上国の環境悪化、健康被害

9.開発途上国の公害問題

開発途上国では貧困や人口増加等を背景として、森林の減少や砂漠化の進行、都市化・工業化に伴い大気汚染、水質汚濁等の公害問題が深刻化。先進国の援助が必要

途上国の健康被害、先進国への影響

「出典・・1998年ー食と生活10月号 永江啓一氏」

 

環境問題への国際的な取組

<主要な国際動向>

 

1960年代

 

    1962 「沈黙の春」 レーチェル・カーソン

 

 

    1996  「宇宙船地球号」 ボールディング

<主要な国内社会問題>

 

 

 

 四大公害の発生

   熊本水俣病

   新潟水俣病

   四日市ぜんそく

   富山イタイイタイ病

 

 公害対策基本法

国連人間環境会議

(ストックホルム)

 

1970年代

 

   1972

 

 

 

     「かけがえのない地球」 nly ne arth

 

   1973  ワシントン条約採択

        「絶滅のおそれのある野生動物の保存」 

 

 

 

 マスキー法成立

  (米国大気浄化法)

 

 

 

 排ガス抑制技術進展

 

1980年代

 

   1985  ウィーン条約採択「オゾン層の保護」

              モントリオール議定書発効

 

   1988  気候変動に関する政府間パネル設置

         「温室効果ガス濃度上昇による影響予測」

 

 

 

 

 

 

 欧州諸国は環境管理の
 
管理システムづくりに  着手

 

1990年代

 

国連環境開発会議

(地球サミット)

 
   1992

 

 

 

 

  「持続可能な開発」 "Sustanable Development"

          

      リオ宣言・・良好な地球環境確保のための各国
               
の責任の確認

      アジェンダ21・・21世紀に向けた行動計画

      森林原則声明・・森林の持続的経営管理に関す
                   
る世界的合意

 

   1993  生物多様性条約

        「生物の多様性の保全・持続可能な利用と
         
利益の公平な配分」

 

 

 

 

  環境基本法制定

 

  環境基本計画策定

国連環境特別総会

(「地球環境サミット」

  のフォローアップ)

 
   1994   砂漠化防止条約採択

 

 

   1997

 

 

 

 

 

   1997  地球温暖化防止京都会議

             (京都議定書合意)

  環境影響評価法

                   「出典・・1998年ー食と生活10月号 永江啓一氏」