第5章 バインディング・ヒートトリートメント(火入れ)
  T バインディング     前段階でそろえて削ったセグメントを6本まとめて緊縛しその後熱処理の工程に移ります。     熱処理はロッド制作上とても大事な工程といえますが製作者一人一人の考え方に多少の差があり、その方法や処理具合に「正解」を     与えてくれるデーターは未だ出されていないのが実情です。      この段階でのバインディングの意味は・・・しっかりと巻き締めて熱を加えることによってロッドの曲がりやねじれなどを取り除く、と言う 働きを期待する意味もあります。ですからセグメントも実際に組み上げる序列に従って緊縛する事になります。
バインディング作業の流れは以下の画像の通りです。ギャリソンタイプの巻上げ装置では巻き上げ幅はクレードルの間隔とその板厚で決まります。また、巻き上
げる圧力はスレッドの限界まで強めるのが理想でしょうが技術的に難しいものですから巻き上げられる最大のテンションで調整することになります。したがって
バット部の大径よりティップの細い部分は弱いテンションで巻き上げる必要が出てきます。
 では、ちょっと練習を・・・と言うことで削った
セグメントを束ね、テープで何箇所か仮止めしてお
きます。



@それを向かって左側にセット。 画像1



Aドライブベルトを持ち上げブランクを通す.
引っ張り側をブランクの向こう側へ。  画像2



Cこの段階で巻き上げ用のスレッドを結び、糸の
端を右手進行方向に出しておく。 画像3



D画像では少々見ずらいのですが・・・ドライブ
ベルトの引っ張り側をブランク周りにもう1周掛けます。
巻き上げ用のスレッドの糸の端も一緒に巻き込み
ます。  画像4
  




ドライブベルトにブランクが回転するだけのテンション
をかけて送っていくと 画像5




ブランクの最後まで進めます  画像6

 ここまできましたら左右を入れ替えて復路を巻き上げ
ます。
   



ドライブベルトをはずし右に寄ったブランクを左に向きを
変えます。   画像7



ベルトのセットは先ほどとは逆。引っ張り側のベルトは
回りにセットされます。巻き上げスレッドのブランク側は
手前側にきます。(先ほどは奥側でしたね)  画像8 




ドライブベルトにブランクが回転するだけのテンション
をかけて送り巻き上げて行きます。   画像9




フィニッシュですね。巻き上げスレッドをカットし先の
余りと結び緩まないようにします。最後にドライブベル
トをはずして出来上がりです。   画像10


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