平成15年7月8日更新

 急性胃炎と慢性胃炎のおおきくふたつに分けています。
 
急性胃炎;種々の原因(アルコ−ル、薬剤、異物、感染など)によって惹き起こされ、胃粘膜が侵される急性の病気で、原因がなくなると短期間に治癒します。
 
慢性胃炎;萎縮性胃炎はストレスや暴食などが継続して胃の粘膜が傷害され萎縮した状態を言います。粘膜保護剤や制酸剤、胃酸分泌抑制剤などの服用で治療可能です。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
 胃液の塩酸は非常に強い酸ですが、通常は胃壁は粘膜から分泌される粘液などで保護されています。何らかの理由でこれらの防御因子が障害されると胃酸が胃を自己消化し、胃壁にあなを(潰瘍を)掘ってしまうことがあります。その意味で胃・十二指腸潰瘍のことを消化性潰瘍とも言われます。
 最近はHelicobactor Pylori という細菌の胃壁への感染が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因ではないかといわれ、また胃癌の原因とも言われています。欧米ではこの菌を殺す抗生物質が使用されています.日本でも平成12年秋より医療保険で使用できるようになりました。ただ、広く普及すると抗生物質に抵抗する菌の増加するのが心配されます。
胃がん
 わが国における胃癌の死亡率は年々減少傾向にあります。しかし依然として癌死因の上位2番目です。塩分のとりすぎや食物中の発癌物質が誘因となるとも言われています。予防のための食事療法などいろいろいわれていますが、早期発見・早期治療が大原則です。胃がん検診(乙訓地区でも昭和58年より行われています)により早期癌が発見される比率も高く、手術なしに内視鏡で切除されるだけの患者さんも増えています。進行癌では手術が中心ですが、癌の発生した部位により胃の3分の2あるいは全部を摘出する手術が一般的です。平成11年には日本外科学会により胃がんの治療ガイドラインが発表されています。
 
    年に1回の胃がん検診をお受けになることをおすすめします。
大腸ポリープ
 食生活の欧米化に伴ない、増加してきた病気のひとつです。キノコのように腸の壁に隆起したものを大腸ポリープといいます。小さいままで大きさの変わらないものもありますが、大きくなり癌へ進行するものもあります。
炎症性腸疾患
  細菌やウイルスが原因の急性の下痢を起こしてくる急性腸炎があります。多くは対症的に治療をしたり、また自然に治ります。現在わが国で問題となっている0-157大腸菌による急性腸炎のように、早急に適切な治療が必要な場合もあります。症状が重い場合は、十分な注意が必要です。 
 慢性の下痢をおこしてくる病気に、いくつかの病気が考えられますが、難病の指定をされている潰瘍性大腸炎とクローン病などの炎症性腸炎があります。下痢や血便、腹痛といった症状を示しますが、ときには貧血、体重減少、発熱等、直接腸とは関係のない症状もみられます。診断および治療には、専門の知識と経験が必要ですので、思い当たる症状がある場合は、専門医へご相談下さ
大腸がん
  食事や生活スタイルの変化に伴い、大腸がんの罹患率および死亡率は、日本でも増加し続けています。症状として下痢や便秘、血便などが認められます。毎年実施されている大腸がん検診は便の潜血反応(人の血液のみに反応する免疫潜血検査)を調べ、陽性の人に内視鏡検査や注腸検査を実施します。
 乙訓地区でも平成5年より大腸がん検診が実施され、平成11年までに92名以上の癌が見つかり、その多くは早期のがんでした。小さいものであれば内視鏡を用いて切除することが出来ます。
 便中に出血が無い場合は進行がんがあっても見逃してしまう可能性があります。ごく初期の大腸がんであればポリープ同様に内視鏡切除が可能な場合もありますし、進行がんでも手術の治療成績は他の消化器癌に比して比較的良好です。
  
    年に一度の大腸がん検診を是非とも受診していただきたいと思います。その際に発見される
    ことが多く、早期のがんが見つかっています。

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