平成15年6月更新 
膵臓について
  膵臓は胃の背側にある臓器で細長い形をしており長さは約15cm。外分泌と内分泌という2つの大切な仕事をしています。
  1:内分泌…膵臓にはランゲルハンス島というホルモンを分泌する組織が散在しておりここからインシュリンやグルカゴンなどのホルモンが分泌されいます。これらのホルモンは血糖のコントロ−ルなど重要な働きをしています。
  2:外分泌…膵臓の腺房細胞では消化液の一種である膵液が作られています。膵液は細い膵管に分泌され、膵管は合流を繰り返して膵臓の中心を通る主膵管を流れ、最後に胆汁の通り道である、胆管と十二指腸の乳頭部で合流し、十二指腸に分泌されています。膵液にはアミラ−ゼ、トリピシン、リパ−ゼといった消化酵素が含まれています。膵液は食物が胃から十二指腸に送られると必要におうじて分泌されます。
急性膵炎
  胆石や胆汁のうっ滞や多量の飲酒が原因で、膵臓から分泌される消化酵素が膵臓を自己消化してしまうことがあります。このような状態を急性膵炎と言います。強い腹痛があり、呼吸不全や細菌感染が加わり死に至ることも珍しくない病気です。
慢性膵炎
  長年にわたる多量のアルコ−ルの摂取やその他の原因によって膵臓の組織がこわされ、その結果、線維の増生がおこった状態で繰り返す腹痛発作とみぞおちの不快な症状を特徴とする病気です。インシュリンの分泌も不足がちになって、糖尿病状態になることもあります。慢性膵炎は基本的には急性膵炎とは別の病気と考えられます。膵臓の中に石(膵石)ができて痛みや炎症を起こすことが多いのも慢性膵炎の特徴です。肝臓病では血液を調べることによってかなりのことがわかりますが、膵臓については情報が少なく、超音波検査などと医師の臨床能力によるところが大きいと思われます。
慢性膵炎の腹痛の特徴
1:時にみぞおちから左上腹部にかけての激痛。
2:鈍痛が絶えずあるか、繰り返して起こる。
多くの場合背中の痛みを伴う。
3:飲食後に起こりやすい。
4:吐き気、食欲不振、腹部膨満感を伴う。
慢性膵炎の食事療法
1:禁酒が一番です。原因となるアルコ−ルを完全に絶つこと。
2:暴飲暴食や過労を避ける。
3:脂肪の多い食事を控える。
4:食生活や生活習慣をきっちりと。
膵臓がん
  初期には無症状のことが多く、進行すると背中の痛みや黄疸(膵頭部の癌)などの症状がでてきます。増加傾向に(がん死の5番目)ありますが早期発見、治療が難しいがんがんです。最近では腹部の超音波検査やCT検査、膵管内視鏡検査(一部の研究機関)によって早期に発見されるようになってきました。しかし、膵臓がんは早期発見が難しいため、発見された段階で手術が可能な人は20%程度で、手術を受けた人の5年生存率は約20%程度です。

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