更新:2015.07.10
インフルエンザとは: インフルエンザ(Fluと俗称)とかぜ(Cold) インフルエンザと”かぜ”(普通感冒)とは、原因となるウイルスの種類が異なり、 インフルエンザは突如、強烈な流行が発生することが特徴です。「スペインかぜ」 「香港かぜ」など世界的に大流行し多くの死者を出したインフルエンザもあります。 ”かぜ”(普通感冒)はのどや鼻に症状が現れますが、インフルエンザは38〜40度の 高熱が急に出るのが特徴です。倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状も強く、これら の激しい症状は通常5日間ほど続きます。また、気管支炎や肺炎を併発しやすく、 重症化すると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることもあります。 健康な人もインフルエンザにかかると本人が苦しい思いをするだけでなく、ウイルスをまき散らして周囲の人に感染する原因にもなります。 インフルエンザウイルスは患者のくしゃみや咳、痰などで吐き出される微粒子(飛沫) を介して感染し、その様式には飛沫感染と飛沫核感染があります。”かぜ”(普通感冒) のウイルスの感染様式は(かぜウイルスのなかでも最も多いライノウイルスの場合) 特に手から手への接触感染の頻度が高いといわれています。 日本におけるインフルエンザの流行は、小学校で始まると考えられています。 小学生は罹患率が高いだけでなく、長期に大量のウィルスをまき散らします。
それが家庭で成人や高齢者に感染していきます。高齢者は罹患率は低いのですが、 逆に死亡率は高く、「老人の最期のともしびを消す疾患」と恐れられています。 |
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インフルエンザが引き起こす主な合併症:
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日本ではインフルエンザは12〜3月に流行します。 これは、温度が低く乾燥した冬には、空気中に漂っているウイルスが長生きできるからです。 また、乾燥した冷たい空気で私たちののどや鼻の粘膜が弱っています。年末年始の人の移動で ウイルスが全国的に広がるのもひとつの原因だと言われており、これらの原因が重なって流行 しやすい時期となっています。![]() |
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インフルエンザにかかったとおもったら: 近年、抗インフルエンザウイルス薬が使用できるようになり、インフルエンザの治療も一見さまがわりしましたが、従来からの安静、水分補給、栄養維持については必要です。 |
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インフルエンザに負けないために: 1:日常生活ではまず、体調を整えて抵抗力をつけ、 ウイルスに接触しないことが大切です。また、インフルエンザウイルスは湿度
に非常に弱いので、室内を加湿器などを使って適度な湿度に保つことが有効です. |
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インフルエンザ・ワクチン: 満65歳以上の高齢者には平成26年11月1日から27年1月31日までワクチン接種が実施されます。 当院でも公費による高齢者のワクチン接種と一般のワクチン接種を実施しています。 インフルエンザワクチンには@ウイルス粒子全体を不活性化した全粒子ワクチン と、Aウイルスから抗原となる赤血球擬集基の表面タンパクを取り出した スプリット・ワクチンの2種類があります。わが国のワクチンはAを採用されて います。これらのワクチンを接種することでインフルエンザへの感染または 重症化の予防となります。ただし、ワクチン用のウイルスは孵化鶏卵で培養 するため、卵などにアレルギー、けいれんの既住症、免疫不全のある人、熱を 出している場合などには接種できないことがありますので、医師に相談してください。 インフルエンザワクチンは接種してから実際に効果を発揮するまでに約2週間かかります。 ワクチンには2回接種と1回接種(今シーズンより中学生以上は1回でもよい)があり、 2回接種する場合は2回目は1回目から1〜4週間あけて接種します。流行期間が12〜3月ですから、11月頃までには接種を終えておくとより効果的でしょう 2017年のワクチン:デンカ生研,阪大微生物病研究会、北里第一三共ワクチン、化学及血清療法研究所 A:ソ連株:カリフォルニァ/7/2009(x-179A)(H1N1)pdm09 香港株:スイス/9715293/2013(H3N2) B:プ−ケット/3073/2013(山形系統) テキサス/2/2013(ビクトリア系統) |
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ウイルス薬(タミフルなど)による治療:
抗ウイルス薬は体内でインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬で、 病気の期間と症状の重さを軽減する効果が優れており、重大な副作用も報告 されていません。ただし、治療効果をあげるためには症状が出てからなるべく早く服用する事が大切です。インフルエンザウイルスは体の中で急激に増殖 する特徴があり、早期であればあるほど、体の中にかかえるウイルスの量が 少なくてすむからです。しかし、実際には「たいしたことはない」「今日は忙しい」などとい って病院に行くのが遅くなりがちです。早めに病院に行って医師に相談する ようにしましょう。特にハイリスク群に当てはまる人は。 |