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取り込み (AnimeStudioII編)

 スキャナを使って絵をPCに取り込みます。スキャナを購入する場合はTWAIN対応の物を選びましょう。(最近はTWAINを表記していないみたいです、でも多分大抵のスキャナでは使えるのでは・・・?)
 AnimeStudioIIを使用する場合、取込みの機能が追加されました。これを利用するとトレス、色トレス工程をかなり省けます、Photoshopのアクション機能を使用する煩雑な作業を省略できるので、PhotoshopElements(1万円ちょっとの廉価版)でストレス無く作業できます。 (ただし、後述しますが若干の問題はあり)

 以下、AnimeStudioIIでの動画取り込み手順です。

 AnimeStudioIIを起動後、ファイルから新規を選んでタイムシート画面を表示します。次にフレームの一つを選択状態にします。


 メニューのセルからスキャンを選びます

 


 スキャナの取り込み画面が表示されます、この画面やインターフェイスはスキャナによって違います。 画面が表示されたら、フレーム用紙をスキャナにセットしプレビューを実行、取り込み範囲をフレームの位置に設定します。スキャナに用紙を置く時にはスキャナの角にカツッと合わせてズレ無いように気をつけます。
 その後、フレーム用紙を外し、取り込み対象の動画をスキャナにセットします。取り込みの設定をフルカラーの解像度300dpiとします(好みでもっと解像度を上げても構いません)。スキャンボタンでスキャンが開始されます。



 スキャンが終わるとトレース画面が開きます。ここで、線の濃さ、トレス線の色、画像の回転等を指定します。また、2値化にチェックを入れてください。画面を見ながら、最適な設定に濃さの値を調整します。ここで、色がうまく再現されず、色トレス線がかすれる場合は、取り込み時の画質を調整するか、ペンの色を変えてみる等、試行錯誤を行ってみてください。また、多少のゴミは、あまり気にしない方がいいです。

 ここまでが、AnimeStudioIIでの取り込み作業です。あとはファイルを保存すると、スキャンした画像も保存されるので、その後Photoshop等で彩色を行います。

 この作業の問題点として、取り込みを行う度にフレームの読み取り範囲を指定し直す必要がある事が挙げられます。いちいち設定し直すのは2度手間ですし、設定する度に読み取り範囲に誤差が生じます。あらかじめ取り込んでおいた画像に対しトレースする機能があると一番いいんですけどねえ・・・

 

 

彩色 (PhotoshopElements編)

 いよいよ塗りの作業に入ります。ぼかしのかかったツールは使用しないでください、筆ツールは使わずに鉛筆ツールを使って描きます。選択ツール、バケツツールもアンチエイリアシングのチェックを外しておきます。まず、バケツツールで色を塗り、その後で鉛筆ツールを使って微修正を行います。

 色トレス線に影色(暗い方の影になる色)を塗ります。自動選択ツールを選び、色トレス線のどこでもいいので自動選択ツールで選択します。なお、ここでもアンチエイリアスは切っておきます。

 メニューの選択範囲から近似色を選択を選びます。すると、同系色の色トレス線がすべて選択状態になります。次に、Ctrl+Hを押して、選択範囲を非表示状態にします。あとは鉛筆ツールで色トレス線の上をなぞれば、簡単に影色を塗る事が出来ます。鉛筆ツールを使うときは筆の太さを大きめにすると塗りやすいです。

 色トレスが終わった所。あとはバケツツールと鉛筆ツールでガシガシ色を塗って行きます。

 色トレスが終わった所の拡大図、結構荒いです。黒のトレス線もかすれてますが、この程度なら何とかなります。なお、図の中で緑の部分は元の色が残っている状態です、これは要らないので自動選択ツールで選択し近似色を選択後に削除します。(近似色を選択で、たまに同系統の必要な色を消してしまう事があるので、その場合は手動でがんばって消してください。多少のゴミは無視していいです)

 塗り終わり。拡大すると荒くてもこのサイズではそれなりに見れる物になったと思います。

 鉛筆ツールで主線を消さずに細かい部分を塗りたい場合はモードを比較(暗)にすると主線を残したまま塗る事が出来ます。その他にレイヤーを新規に作って主線レイヤーの下のレイヤーで色を塗る方法もあります。

 最後に画像を640X480にリサイズします、これが実際に使用するサイズになります。ズームなどを使う場合はもっと大きなサイズにします。上の絵をクリックすると実寸表示されます、背景の緑は解りやすいように塗っただけで、本来は透明になっています。

 結果を見てもらえればわかる通り、 作業中にゴミがあっても640X480にリサイズした状態でで見れる絵になっていれば問題ないです。なにぶんアニメーションは物量が多くなるので、多少のアラには目をつぶって効率重視で行きましょう。もちろん、こだわって奇麗に作業すれば結果はより良くなりますけど。

 ここで好みに応じてフィルタ処理を行ってもよいでしょう。デジタル的なシャープさを減らすためにガウスぼかしを軽めにかけたりします。最後にPhotoShop形式で保存して完了です。

 

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