1/2 >>


 製作の前段階として、まず道具を揃える必要があります。PC本体、周辺機器、ソフトの特徴、選択肢をピックアップ。

PC本体(OS)

Windows環境

 最も ユーザーの多い環境です。メーカー品を買う以外にも部品を買って自分で組み立てることも出来るので、バリエーションが豊富で値段も用途に応じて低く押さえることが可能。対応ソフトも豊富です。特別な理由が無ければとりあえずWindowsをお薦めします。ビデオボードとマウスが3Dの製作に向いています。

Macintosh環境

 ユーザー数こそ市場全体の1割程度ですが、デザイン業務にも多く使用されているマシンです。購入の選択肢が少ない分、設定や組み立て等の面 倒なことを考えずにすぐに使い始めることが出来ます。
  最近CPUがIntelに代わり、Windowsも動かす事が出来るようになったり面白いといえば面白い状況です。基本的にWindowsと同様の事は可能ですので、マイノリティーのデメリットを理解しつつ、お好きであればWelcome。

 

作画

 作画ソフトは、アニメの部品となる、一枚の絵を描くために必要なソフト。動画を描いたり、背景を描くためのソフトです。まだ、ありますが、まずは自分に身近な以下の物を紹介。

Adobe Photoshop

 言わずと知れた有名ソフトです、写真の加工が元々の使い方ですが、セル画調の色を塗ったりエアブラシをかけたり、背景を作ったり、はたまた実写 映像を加工したりとオールマイティーに使える画像ソフトです。これ一本あれば作画は取敢ずOK。現在のバージョンは9ですが、バージョン4で基本的な作画機能が揃い、バージョン5.5で自動処理のアクション機能が追加されました。それ以降はWeb作成機能が強化されたり、ファイルビューワが付いたり。便利機能は確かに増えますが、バージョンがあがる度に動作は重くなって行きますので、アニメを作るというだけの目的であれば、毎回バージョンアップを行う必要はないと思います。

Photoshop Elements

 多分ほとんどphotoshopと同様のことが出来ます。特にアニメ製作ではCMYKカラーなどは関係ありませんから、機能制限もそれほど意識せず使えるはずです。
おそらく最大の違いはアクション機能(作業の半自動化機能)の有無ではないかと思います。アニメの彩 色では繰り返しの作業が頻繁に出てきますので、この機能の有無で作業効率にそれなりの差が出ます。
 ただ、ちゃんとしたPhotoshopを持っていてもアクション機能を使わない人もいますから、まずはこのソフトから始めて、どうしても自動化しないと気が済まなくなってから、バージョンアップを考えるのも手だと思います。

Corel Painter

 鉛筆、水彩、油絵の具、パステル等々の画材にそっくりの絵を描けるソフトです。背景や動画をパソコン上で描いたりする場合、このソフトとペンタブレット(ペン型入力装置)を用意すると、表現の幅が広がるのではないかと。
 Windows版とMac版がワンパッケージになっているのが、なんとなくお得な感じです。

Corel Painter Essentials

 Painerの廉価版です、Painter自体あまり触った事が無いので、コメントは差し控えます。
 こちらもWin/Mac両プラットフォームがワンパッケージ。


 

撮影

 撮影ソフトの選択肢は、大きく分けて4つ。それぞれ得意分野が違いますから、説明から判断して作りたいアニメに近いソフトを選ぶとよいでしょう。

 ちなみに最近購入したRETAS以外の主要ソフトは仕事で使った事あります。一応、その上で評価しております。

RETAS!LITE Debut

 業界シェア90%のプロユースソフトの廉価版。現場の意向を汲み取りながら発展してきた国内産のソフトですので、セルアニメソフト制作ソフトとしての使い勝手もかなり良いと思われます。ずばり、これからセルアニメを作りたい!!という方に最適。ただしDebutのMac版はありません。
 業務用途での実績、値段の手頃さ、作画ソフト込みのオールインパーッケジのため、これ一本でのアニメ制作もとりあえず可能です。
 評価用に最近購入したので、使用感などもそのうち書いてみようと思います。(ちょっと使いましたが「かなり凄い!」タップ合わせ的な事も可能とは! )
 プロ用のRETAS!は、HD(いわゆるハイビジョン)用の機能も強化され、描線のクリーンアップ機能等の目玉機能もあり、セルアニメの制作環境としては申し分ありません。本格的に作って行くのであれば検討もアリではないでしょうか。


AnimeStudioII

 RETAS!LITEのCoreRETASのみを取り出したようなソフトです。一般ユーザーの手に届く価格帯で発売された最初のアニメ映像撮影ソフト。操作画面は結構簡素ですが、品質の高い映像を作成可能です。
  値段はRETAS!LITEより、高くなりますが、Win・Mac両対応パッケージな点、出力解像度の制限(640X480)がなく高解像度の映像を書き出せる、レイヤー付きのPSDデータを読み込む事が可能等のメリットがあります。Photoshopをメインで使用する制作スタイルにおすすめ。


Flash

 もともとインターネット上で、アニメーションやインタラクティブコンテンツを作るために作成されたソフトですので、ネット上でこのソフトで作られたムービーは、探せばいろいろと見る事が出来ます。それらは通常、Flash形式の専用データとして出力されます。
 Flashの特徴は、ベクトル画像で絵を作る点です。Photoshop等の紙に絵を描く感覚と違い、初めて触れる人はちょっと戸惑うかもしれませんが、ズームアップしても線がギザギザにならない、画像データのサイズを小さく押さえられるなどの特徴があります。
 製品はbasicと2種類あるようですが、アニメ制作であればBasicで大丈夫だと思われます。Win・Mac両対応パッケージです。


AdobeAfterEffect

 プロの現場で使われているソフトで、アニメーションの作成だけでなく、コンポジット処理と言って出来上がったアニメ映像に事が出来ます。名前の通 り、映像に後から光のエフェクトを加えたり、画像の加工処理を加えることで、見違えるようなクオリティーアップをはかることができるソフトです。深みのある映像を作る際に、かなり助けられます。動画版Photoshopと誰かが言っていましたがその通 りですね。一から映像を作ることも出来ますがセルアニメよりはロゴアニメのようなベクター画像を活用したアニメーションの方が向いています。
 ただし、プロの現場ではアニメ撮影用のプラグイン(機能を拡張するソフト)により、セルアニメの撮影に適した環境を実現しているそうです。一度見てみたいっすねえ。
 standardとProfessionalとありますが、差額分でアップグレードも出来るので、まずはStandardで問題ないのでは。


Animo

 Production I.G.でも使用されているプロ向けソフト。多分、あまり存在を気にしなくてもいいのではなかろうか。

Softimage | TOONZ

 基本的にAnimo同様、プロ向けソフト。国内においてはRETAS!の一人勝ちで決着が付いた感があるので、あまり気にしないでいいと思います。長い物(RETAS)には巻かれろだぜ、坊主!