お話 22 消防の歴史(江戸時代から現在まで)
消防の歴史
2010年7月21日
1) 現在の消防について
第二次大戦後、1948年に警察法、消防組織法が施行され、警察から独立し消防の概念が確立され、現在、消防は火災の消火のみではなく、地震等の災害に
よる被害を軽減し、予防警戒を含む一連の作用とされ、福祉の増進に資するまでを目的としている。
2)これまでの消防の歴史(消防の歴史を簡単に振り返ってみ
ます)
日本の消防の起源は、江戸幕府が設置した「火消役」であり、1650年に組織化され、世界で最も古い消防組織の一つと言われており、明治維新まで続い
た。
また、1712年に譜代大名による主に江戸城を守る「大名火消」、諸大名の「方角火消」ができた。
1718年、江戸南町奉行大岡越前の守は「店(たな」火消」制度を作り、町民を消防(義務消防)に従事させたが死傷者が多かった。そして、1719年いろ
は47組「町火消し」を創設した。これが公設消防機関であり、義勇消防の起源であり、消防団と同性格のものである。この町火消しは、純然たる自治組織であ
り経費は町が支出し、組員はすべて無報酬であり、自治消防の元祖となった。
その後、大名火消以外の火消役は、武家火消と定火消となり、定火消は官設消防の元祖となった。
明治に入り、1868年(M2)、従来の火消役を廃し、兵部省火災防御隊にゆだね、
町火消しは1870年(M4)に消防組の名称になった。
1875年にはイギリスから消防ポンプを輸入し、現代機械消防に近づいた。1880年に内務省計警視局に内に消防本部を設けて消防隊を組織し、翌年消防
本署とし消防組を監督させた。1886年には、警察官兼消防官であったものを専任消防官とし、後に消防機関士、消防士を設けた。
1894年に消防組規則が公布され、義勇消防制度に初めて法的な地位が与えられた。消防組の設置は知事が行うことになった。東京市では、1899年に消
火栓が設置された。1913年にすべての消防職員は官吏となって官設消防制度が確立した。
3)戦時中以後
消防組は民間防空自治団体の防護団(1931年以後陸軍の指導により作られたが消防組と重複した)と合併し、戦時下の1939年に「警防団」(昭和14
年勅令第20号警防団令)となり、1947年に消防団となった。
1747年に警察法が制定され警察は自治体警察となり、消防は消防組織法が制定され、警察と分離した自治体消防が確立され、1948年には消防法が公布
された。
佐倉市では1962年に消防団常備部ができ、1965年に消防本部が設立され、1972年には消防組合本部が出来た。
よって、1947年から1965年までの18年間は、消防団が消防任務をになった。
4)まとめ
江戸時代は町火消し
明治、大正時代は消防組
昭和時代は14年警防団、22年消防団、37年消防団常備部(佐倉市)、40年消防本部(佐倉市)、47年消防組合本部となった。
(以上より、昭和22年から40年までは消防団が消防任務を行った)
(参考文献) 平凡社大百科辞典 消防年報(佐倉市八街市酒々井町消防組合)