インタビュアー:
ライブの1回目は1500円でしたね。その後は上がっていきましたが。採算の方はとれたのですか。
河森さん:
全然、全然。全然とれていない。どの値段にしても元は取れない。その値段で、全員満員になろうが、立ち見が出ようが、とれない。その前提でやるしかない。
インタビュアー:
それではなかなか出来ないですね。次の質問ですが、河森さんにとって歌とは何ですか。
河森さん:
そ〜だなぁ・・・何だって言ったらいいんだろうなぁ。言葉で言うと難しいよねぇ。
インタビュアー:
難しい質問ですけど・・・。
河森さん:
結構ねぇ、まだまだ追求したいテーマだねぇ。うん、まだまだ、やればやるほどやりたいことが見つかってくる。マクロスでやるかどうか分かんないけどなぁ。
インタビュアー:
・・・そうですか。
河森さん:
ははは(笑)。マクロスでもねぇ、まだやりたいネタはあるんだよねぇ。
インタビュアー:
歌姫は絶対に結ばれないようにしているんですか。
河森さん:
ははは(笑)。それで、結ばれちゃったらねぇ〜、とか言いながら言ってるだけで次やるかもしんないけど。何もかもが恵まれてしまうと、やっぱりキャラクターとしてはちょっと・・・。
インタビュアー:
それではミレーヌ・ジーナスと熱気バサラはくっつかないのですか。
河森さん:
ねぇ〜、とか言って(笑)。そこはでも含みを残した方がいいでしょ。
インタビュアー:
河森さんが作品を作る際に、歌を先に用意するんですか。
河森さん:
ケースバイケース、うん。ただ、コンテ描くときには音楽とか歌ないと描きようがないんで。ただ、どこの場合も平行作業になるケースが多いよね。だいたい、こういうのをお願いします、という形で、もう時間がないから同時に制作始めててて、シナリオまではそのまま行っちゃって絵コンテまでに間に合わせてもらうっていうケースが多いよね。
インタビュアー:
歌う方を選ぶっていうか、この歌なら描けるという方を選んでるんでしょうか。
河森さん:
スリルですよ、あがってくるまで。やっぱ最初に聞いたときの印象でコンテなんか全然変わっちゃうからさぁ、だいたいこういう絵を作ろう、とか言って全然違うの思いついちゃったから、こっちにしようとかそういうケースのが多いよねぇ。それが楽しくてやってる所あるからさぁ。何もかも予定通りになるってあんまり好きじゃないんで。
インタビュアー:
ガンダムみたいに地球人対地球人みたいなのはないんですか。異星人対地球人ではなくて・・・。
河森さん:
はいはいはい。やっぱねぇ、そうするとガンダムに似てきちゃうからねぇ。なるべく、それは避けたいんだけどなぁ。全くないとは言い切れないんだけど、「VF−X2」なんかややそういう要素がないわけじゃないんだけども・・・うん。でも、政治を持ち込まないっていうのがねぇ、ガンダムに似せないための基本方針だからさぁ(笑)。
だからどうしても、マクロスは陸戦をメインにしないのと政治を持ち込まないのと、その辺は一応気を付けてんだけどなぁ。
インタビュアー:
空戦へのこだわりというのは。
河森さん:
好きだったからね。で、やっぱ空中戦がまともに出来ているアニメがすごく少なかったというのが、ある種自分らにとってはやりやすい。何かに似てるとか言われずにすむ。
インタビュアー:
今後のマクロスシリーズは。
河森さん:
とりあえずは「VF−X2」をなんとか早く完成させねば、というのが1番だし・・・。あと、いずれ、もし出来るんだったらデジタルバージョンはやってみたいよなぁ。ゲームでここまで出来るようになってきているだけだから。手で描いてるのがしんどい、と板野さん言い始めてるし(笑)。もう疲れたとか(笑)。動き考えるだけだったらねぇ、あとコンピュータが1枚1枚描いてくれればまだやれるなぁとか。
インタビュアー:
本日はありがとうございました。