[ULCA概論]  (1998/4/11)     by Dr.M

水・土・空気はタダではない→安全を希求する工業を動脈産業とする  従来→機能的商品開発を行い、その新機能で消費者は踊らされ、大量生産のつけをリ サイクルでごまかそうとしてきた。これが日本の工業のあり方と誤解 今後、安全や予防を重視し、メーカーの機能的商品化戦略を変更させるには、消費者 自身の消費感覚変更させることが必要。そのための4R運動を社会システムとして導入。

1.Refuse(リフューズ)→いらないものは断る
2.Reduce(リデュース)→買う量、使う量を減らす
3.Reuse(リユース)→再利用する
4.Recycle(リサイクル)→資源化する

 国民一人一人が大量消費、大量廃棄のライフスタイルを、改めることが重要  今、満足感のある生活とは何か→大量消費、大量廃棄システムではない  今こそ、先進国日本の面目をかけて、また、かけがいのない美しい地球を、子孫に渡 す   →豊かな生活を知恵で作る時代  <製造原料・製品>  安全性だけではなく、環境保全・リユースし易い物質の選択 →製造基準の設定を実施するために、原料選択方法・設計手法・製造工程選択・リユ ース手法・廃棄物処理方法など→悪戯に生産・リサイクル時代終焉  リサイクルを前提としたエコマークによる税優遇よりも、高機能性・利便性の商品、 公共事業よりも、短期的にはリユース優先、長期的に長持ちする製品優先、次世代にも 安全な商品を使うという姿勢が必要。  これが先の商品のULCAソフトであり、安全・リユース・省エネ・最適生産・販売 ・廃棄物低減の戦略手法となる。 →廃棄物処理はこれからこの辺を睨みながら進むとすると どうしても企業側に立って、一緒に生産の時から廃棄物処理を考える必要あり。


[ULCA概論] − 補強

(ア)現状の問題点
1)現在のLCA利用法は誤っている!
 リサイクルの方法を差別化するために、LCAがあるはず。現実にはリサイクルしな
いでバージン原料で製造することとの差別化をしているに過ぎない。

2)安全な化学物質の使用をすべき
 製品を作る場合には、原料の安全性を把握してから使うべきである。そのためには、
廃棄物として処理する方法までも含めて物質を選択すべきである。

3)リサイクルはリユースの後で考えるべき
 リユースを主体とした設計を行っていないので、どうしてもリサイクルに頼る。リサ
イクルに依存すれば次にリサイクル製品の市場性を考慮する必要がある。しかしリサイ
クルは形を変えて、品質のレベルを全体的に下げるので、高付加価値の製品ができない
のに拘わらず、市場性を探っている。リサイクルは同質の製品原料になるものだけが生
き残る。

4)廃棄物処理の方法も貴方任せ
 廃棄物処理は自社で行うことが難しいというが、原則的には製造者自身が廃棄までも
考慮して設計・製造を行うべきであろう。しかし現実に専門家を養成するのは難しいと
したら、製造者と同じマインドで廃棄物処理を行う業者を、つまり適正処理を行うだけ
ではなく、リユースあるいはリサイクルの立場で処理を行う業者を育成し、任せるべき
である。

5)エコマークなど気休め
 エコマークがあるが、リサイクルをしているだけで取得できるマークなどは環境のた
めに何にもならない。それは資源の保存を行っているだけで、真の省資源・エネルギー
を図るには、ISO14000シリーズ、LCAおよび環境汚染物質排出・移動登録(OECDで行って
いるPollutant Release and Transfer Register、有害物質排出登録(米国のTRI、Toxic
Release Inventory等)などを利用し、総合的に物質の安全性・生産性・販売価格などを
考慮し製造された製品を推奨すべきである。環境関係者の意識改革を行うべきである。

(イ)今後の方法
1)LCAの駆使
 リユースを考えた製造のために、設計・製造工程を修正し、新たな製造からリユース
そして廃棄に至るシステムを構築すべきである。その方法を差別化するために、LCA
を利用すべきである。→LCA手法の我が国の第一人者と一緒に検討会を行うと同時に
新たなLCA手法を工夫する。

2)安全な化学種
 対象化学物質を扱う場合には、その登録を製造・リユース・リサイクル・廃棄物処理
に関係する施設の所有者・管理者からの報告を義務づけるべきである。それら化学物質
に関しては製品にも表示すべきである。→我が国では当初は後追いになるが手法の勉強
を行い、東北地域に適した化学物質の利用・管理法を考案すべき。

3)リユース
 リユースはLCA手法を必要としない。リユースする場合の問題点はそのまま使える
モノなら良いが、分解・分別作業を必要としコストが掛かることである。小さなカメラ
なら販売店での作業も援助になるが、ユーザのリユースに対する意識改革と協力を仰ぐ
ことが一番良い。その結果として分解・分別作業が可能になり、環境保全製品への理解
も進展する。

4)廃棄物処理
 リユースおよびリサイクルの後で廃棄物処理が生じる。廃棄物処理業者は、製造者・
ユーザと一体となって安全で適正処理を行うことは勿論、リユース・リサイクルの観点
から製造者・ユーザへの相談相手にもなる知見を積み上げるべきである。したがってマ
ニフェストの提出・管理は安全物質管理という立場から行うと同時に、マニフェストに
はリユース・リサイクルの実態も把握できるように実施すべきである。

5)製造・リユース・廃棄までの省エネルギー・省資源
 温暖化ガス対策には、今まで石炭を燃料としてきたのを天然ガスに修正したというこ
とで製造者の省エネルギー対策を行う政策がとられているが、それよりも省エネルギー
・省資源・省廃棄という観点から、社会システム全体での温暖化ガス排出を考慮した製
品の製造・利用・廃棄システムが欲しい。→LCAを社会システムへ応用

(ウ)具体的な地域産業への貢献
1)東北リコー製品をターゲット
1-1.思い
 「我が国は原料資源を外国に求め、輸出を目的とした工業社会を確立した。しかし開
発途上国の追い上げにより輸出品目を変え大量生産を行い、生産コストの低減を図りな
がら工業社会を発展させてきた。このような背景から現状の社会は大量にモノが溢れて
いる時代であり、いわゆる大量生産→大量消費→大量廃棄というシステムではモノが売
れない時代となった。そこでモノに機能を求める時代になり、利便性を求めるようにな
った。この転換でもモノが売れ残り、現在では各人の生活感に訴えるモノを生産するこ
とが要望されるようになった。生活感に基づく生産は、a.情報、交通、食糧などを初め
とする生活必需関連商品、b.省エネルギー製品、環境保全製品などの地球温暖化防止製
品、c.健康食品、医療介護製品などの豊かな生活を求める製品などの開発が望まれてい
る。一方、従来よりも少し高度な機能では、開発途上国でも生産可能であり、より高度
で生活に密着させる値打ちのあるモノが開発されることが必要とされている。これが科
学技術創造立国の原点でもある。
 その結果、生産の棲み分けが行われ、大量生産製品および人件費を含む低生産コスト
製品は開発途上国で生産され、高度技術を要し高いコストでも国際的に通用する製品は
我が国で生産されるようになった。このため大企業をキーテクノロジーで支えてきた中
小企業でも下請け的な部品生産工場からの否応のない脱皮が求められた。しかし簡単に
脱皮ができるわけではなく、キーテクノロジーを用いた上記a.〜c.を目指した特徴ある
製品、外国からの進出に備えた低コスト化、キーテクノロジーの移植による多角化など
が必要となっている。そのため学の社会化・頭脳化が緊急に求められている由縁でもあ
る。」
 生活必需品でもあるが、それを地球温暖化防止を考え、生活を豊かにする製品作りが
要望され、そのような立場での製品は国民の意識向上に役立ち、次世代へマイナスの財
産を残さなくても済むと考える。

1-2.融合的な企業活動の活性化
(1)リユース優先工業の創製
 リユースを考えた製造のために、設計・製造工程を修正する。→製造・再利用・廃棄
工程での技術開発→要素技術:洗浄・塗装・水処理・燃焼・マテリアルリサイクル・埋
め立て時の汚染

(2)安全・省資源・省エネルギー社会の構築
 化学物質の利用・管理法、省エネルギー・省資源も含めた総合的なシステム構築のた
めに、LCA利用→LCA手法の発展的な我が国独自の手法開発
→物質の登録を製造・リユース・リサイクル・廃棄物処理に関係する施設の所有者・管
理者からの報告方法のデータベース化→管理手法なども含める

(3)意識改革
 ユーザのリユースに対する意識改革と協力を仰いで他の製品の差別化を行い、地球に
真の意味で優しい社会を構築する。環境保全製品への宣伝

(4)廃棄物処理
 廃棄物処理業者はリユース促進業者への転向を求め、リユース・リサイクルの実態も
把握できるマニフェスト作りと、それに従う適正処理法の構築。

(5)省エネルギー・省資源
 社会システム工学的な温暖化ガス排出低減策の構築。

水・土・空気はタダではない→安全を希求する工業は動脈産業とする

自己実現
従来 今後
・商品開発は機能化  尊敬 ・安全や予防を重視
・新機能で踊らされる ・メーカーの機能化
・大量生産のつけを   所属と愛情 戦略の変更
リサイクル ・消費者自身の
 安全性 消費感覚変更

 生理・生存
───────────────────
<製造原料・製品>
 安全性だけではなく、環境保全・リユースし易い物質の選択
→製造基準の設定を実施するために、例としてリコー製品
 →製造者の改良:原料選択方法・設計手法・製造工程選択・リユース手法・廃棄
物処理方法など→悪戯に生産・リサイクル時代終焉
┌─────────┐ ┌──────────┐
│エコマーク │ │短期的→リユース優先│
商品販売促進→│高機能性・利便性 │→│長期的な使用製品 │
│隙間産業・公共事業│ │次世代を含む安全追求│
└─────────┘ └──────────┘

商品のULCAソフト:
 安全・リユース・省エネ・最適生産・販売・廃棄物低減の戦略手法
┌─────────────────────────────┐
│ 企業の責任体制 │
│ データベース→安全な原料選択、UCLAソフト→最適設計・組立法選択 │
│ ↓ ┌─┐┌─┐│
│       型枠製造→成形→組立→廃棄物 │リサ││廃││
└─────────── ↓ ────────┐セ│イク││棄││
    配送センター │ン│ル ││物││
↓ │ └─┘│ ││
販売店→廃棄物 │タ┌─┐│ 処││
↓ │ー│リユ││ ││
消費者→廃棄物 │化│ース││理││
│ └─┘└─┘│
└───────┘
商品のULCAソフト作製方法
 例えばリコーのコピー機→1000種の部品の組立
 ・部品→使用物質→1000以上
    →データベース化(化学記号、比重、強度、熱伝導率、比熱、毒性、
発火点、軟化点、酸浸漬試験、燃焼時の問題点)
→安全性をチェックし、毒なら変更探索
 ・組立→分解・分別性のチェック→部品のデータベース化 (形状、材質、必要強度、耐熱性、融点、使用頻度、耐久性、分解時の問題点) →変更の可能性のエンジニアリング
 ・リユース→分解後の再生処理方法のデータベース化
     (洗浄法、塗膜法、修理法など、リサイクルへ廻す品目)
     →最適リユースのエンジニアリング
 ・リサイクル→従来のリサイクル法のデータベース化
     →LCAを用いた最適リサイクルエンジニアリング
 ・廃棄物処理→乾燥・燃焼方法の最適化とデータベース化および
     埋め立て物質の安全性チェック
 ・長期的使用目的とした部品・機器のあり方探索試験
この作業の繰り返しによる産業界への展開
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 理研食品→原料輸送、容器、廃棄物→リユース探索
     →最適エンジニアリング手法確立→食品業界への先鞭
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 ソニー→難処理物質の再利用→部品性能試験方法・基盤分解方法の
     最適化→半導体デバイス製造界への先鞭
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 トーキン→テレフォンカードの再利用→3種類以上の塗布がありリ
     サイクル不可能→孔あけ方式止めて再生方法検討→プリペ
     ードカード製造・利用業界への先鞭
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 カンキョーコーポレーション、サンケン→廃棄物処理物質からリユ
     ース方法の探索、分別容器の開発、収集方法の最適化、い
     わゆる動脈産業との一体化→産業廃棄物処理業界への先鞭
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 東邦アセチレン→低温脆性を利用した微細化、フロンの無害化技術
     の適用→電機メーカーへの適用→電機業界への先鞭
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藤田鐵工所→機械部品・装置・組立の実績→リユース優先するメー
     カーとの共同開発研究→機械設計・製造業界への先鞭
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  余白...
一番町の中、上を見れば吹き抜けですが、雨風はなく
店屋に入り、二階に上がると、廊下があって
そこを歩くと東北大北門から市役所まで歩ける
1階は公園であり、中にテーブルと椅子があり、
疲れた足を止めて、そばの店から買ってきたものを
広げたり、本を読んだりしながら、ジュースを飲み
ゆったりできる空間が欲しいなあ

→言い忘れた、多分、禁煙になるけど、どこか
3箇所位は喫煙席を南町通りの角、青葉通りの角、広瀬通りの角