―これは私のわがままなんだから―
あなたのわがままなら何でも聞いて差し上げたい。
だから他人に責められても、ナンナの夜泣きが再開しても、リーフ様が……。
そんなことは別に大したことではない。
冷たい人間と言われても構わない。
何度も心が凍り付くようなことがあった。
あなたが融かしてくれたのに、あなたは再び凍り付かせて行ってしまわれた。
―あなたに責任はないわ―
そう、あなたが決めたこと。
だけど、あなたの望みは私の望み。
私が望まないことをあなたがおっしゃる訳はないのだから。
後悔は頷いた瞬間にしていた。
でもどんな言葉をかければいいのだろう。
あなたと私の願いを打ち砕く言葉など吐きたくはない。
「もう少し待てば…」
「明日をもしれないというのに?」
何度も繰り返した会話。
その会話の間隔が段々短くなっていく。
あなたも私もその度に追い詰められていく…。
とうとう頷いた私をあなたはほっとしたような寂しそうな瞳で見つめていた。
何度引き止めようかと思ったことか。
今なら間に合うのに。
あなたも思いとどまるだろう…その時は。
またあなたは思い直す。
そして私は頷いた時のあの辛さを何度も繰り返すだけだ。
それに耐えられなかっただけなのかもしれない。
同じ道は歩めない。
しかし行き先は同じ…。
それだけがあなたと私の支え―
だから私は私の道を進もう。
あなたの道と再び交わるために。
そしていつかあなたの道と重なる時が来ることを信じて。
Fin
Written by ain
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