今日も間に合わないかも。
いつもわかっているのよ、時間ギリギリだってことは。
でも、あなたは時間に正確すぎるわ。
ちょっとでも時間に遅れると、あなたは先に行ってしまう。
だけど、もう少し余裕をもってくれてもいいと思うの。
2分、いいえ1分でも遅く来てくれればいいのに。
おいていかれる私のこと、考えたことある?
それはもう切なくて悲しくて……。
あぁ、ごめんなさい。
私が悪いのはわかっているの。
でもそう思わずにはいられない。
私の願いはたったひとつ。
あなたがちょっとでも私より後に来てくれて、あなたにあの場所へ
連れていって欲しいだけ。
あぁ、今日もまたこの信号で足留め。
そうよ、この信号さえなければ余裕で間に合うのよ!
いつもイライラしながら早く信号が青にならないかと祈る私。
そうしているうちに、見えてくるあなたの姿。
そしてあなたは私に気づきもしないで、目の前を通り過ぎていく。
あぁ、私をおいて行かないで……。
「待って〜! このバス逃すと次は1時間後なの〜!」
必死になって走るけれど、無情にもバスは私をおいて出発してしまった。
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