〜 その笑顔が・・・ 〜

 

 
「吹雪ちゃん♪何か見たいのある?」
「う〜ん・・・・。じゃあ、ヘアーアクセの店に付き合って貰うかな♪」
 3年に進級してしばらくたち、吹雪と千尋はつきあい始めた。デートだって何回かした。でもまだこのことは健吾と大和しか知らない。
 別に2人は隠してるわけでは無いのだが2年の時とあまり代わり映えのないやりとりを教室で繰り返している2人のことを気付けという方むちゃというものだ(笑)
 でも、2人の時は別。やっぱりいつもとは違う雰囲気が漂っている・・・・、
「だ〜!!もう!町中で引っ付くな〜〜!!」
「え〜、いいじゃん。吹雪ちゃんのケチ〜♪」 
                なんてことはことは2人にかぎって無いらしい(笑)

 そんなケンカをしている2人に近寄る影が・・・。
「は〜い!!カップル突撃インタビューで〜す☆今日はあそこでなにやら楽しげにじゃれ合っているカップルにインタビューしたいと思います〜」
 そう言ってまだ気付かない2人に近寄るレポーターとカメラさん。
 先に千尋が気付く。
「吹雪ちゃん。何か来る」
「ん?何?」
 ぱっと吹雪が振り向いた先には何が嬉しいやら満面の笑みを浮かべたレポーターさんとマイクがアップで写る。
「は〜い!こんにちは〜☆カップル突撃インタビューで〜す。
 うわ〜、カメラさん。写して下さい〜、超美男美女カップルですよ〜。
 お名前を教えて下さい。」
 そう言ってレポーターは千尋にマイクを向ける。いきなりのことに真っ赤になって呆然となっていて吹雪が何も言えないのを良いことに、千尋は吹雪にむかってにやっと笑うと答え始める。
「ひまわり高校の小林千尋です♪そしてこっちは・・・」
 吹雪の後ろに回り込み、きゅっと抱きしめる。
「最愛の小林吹雪ちゃんで〜す♪」
「な!」
 追い打ちをかけられたように吹雪は口をパクパクするだけで何も言えない。
 それをどう思ったのかレポーターはにこり笑ってレポートを続ける。
「あら〜、こんなに格好いい彼氏にここまで愛されちゃって幸せものですね〜
 ところで名字が同じようですけど・・・もしかして学生夫婦さん?」
「ち、違います!!」
 ここに来てようやく吹雪が弾かれたように口を開く。
「そ、それにこんなのも困ります!絶対、放送しないで下さい!」
 真っ赤になり、涙目という一番吹雪のもろいというか、可愛い顔をして言う。
「ま〜、彼女さん、照れちゃって可愛いですね〜☆でも、コレ生放送なんてすよ(はあと)」
  笑顔を崩さぬまま言うレポーター。さすがはプロです。抜け目なし(笑)
「そんな〜」
 ますます、へにゃへにゃと弱弱モードに突入していく吹雪。やっぱり理数はできても恋愛は苦手みたいです。
 そんなやりとりをまだ後ろでへばりつきながら見ていた千尋が口を挟む。
「そろそろ、行っても良いですか?彼女に泣かれると弱いんで♪」
 必殺悩殺スマイルをキャスターに向ける。・・・・罠?
「は、はい!ありがとうございました〜」
 まともにスマイルをくらい、しばらくぽうっとしていたキャスターが御礼をいう。テレビの前の女の子もほとんどやられただろう(笑)
「あ、そうだ♪」
 へにゃへにゃとしてる吹雪の手を引き歩き出そうとしていた千尋が何かを思いだしたように振り返ってカメラにむかって一言。
「ひまわり高校の奴ら〜。吹雪ちゃんがこんなに可愛いなんて知らなかったでしょ♪」
 そういってにやりと笑うと走り始める。吹雪の手を引いて・・・。

 しばらく走って2人は近くの公園に来ていた。千尋は涼しい顔をしているが吹雪はもう顔が真っ赤である。原因は走っただけではないだろうけど・・・。
「千尋!何であんなこと言うのよ〜!恥ずかしいじゃない!」
「あんなことって?」
「その・・・あの・・・最愛の・・人、とか・・・」
だんだん声の小さくなる吹雪。
「いいじゃん♪オレ、嘘は言ってないんだし♪」
「え?」
 その言葉に顔を上げる吹雪。そこには罠じゃない、優しい笑顔をした千尋が・・・いた。
「吹雪ちゃん。・・・・好きだよ」
 トクン
 再び真っ赤になってうつむく吹雪。
「ずるいよ・・・。そんなこと言われたら、怒れない」
−−−−−−これも罠?だとしても、もう、抜けられない・・・・。−−−−−−−−−

おまけ♪
 次の日の3−Aにて・・・。
「吹雪ちゃ〜〜〜〜ん!どう言うこと!あんなこと一言も聞いてないよ!!」
 吹雪につめよる女子のみなさん・・・・恐い(笑)
「別に隠してたつもりはなかったんだってば!本当よ〜!!」
 必死に言う吹雪。その後ろを飄々と通り過ぎようとする千尋。
「あんたのせーだ!小林千尋〜〜〜〜!!」
 吹雪のこえがこだまする。
 今日もひまわり高校は平和です☆
  

 Fin

written by Karita


【あとがき】
 いや〜、せっかくの美男美女なんだから一度ああ言う設定が書いてみたかったんです(爆)
 ちーさまのイメージ壊してたらごめんなさいです(><)
 怒らないで〜(逃走)

【管理者より一言】
 私の小説を読んで御自分でも書きたくなったという嬉しいお言葉をくれた狩田さんからいただきました。
 美男美女カップル良いですね〜♪
 TVカメラを向けられても動じないところはちーさんらしいですね。そして最後に吹雪ちゃんを自慢するところが好きです。
 こういう生放送に限ってクラスのコ達も見ていたりするんですよね(笑)
 向日葵高校、いや全国ネットだったら全国公認カップルになりましたvvv
 狩田さん、素敵なSSありがとうございました。



Special Thanks!