一言


   「どうしたんだい? 誰か探しているのかい? 姫君」

   「景時さんを探しているんだけど、見つからないの」

   「オレ以外の男を探しているのには不満はあるけれど、姫君の願いならオレが叶えるよ」

   「え、でも屋敷中どこにもいなかったのよ?」

   「まぁ、オレにまかしておきなって」

    ヒノエは望美とともに庭に降り、降り注ぐ陽光を浴びる真っ白な洗濯物のところへと

   やってきた。

    すぅっと大きく息を吸う。

   「雨が降ってきたぞ!」

    そう一言叫んだ後、景時は急いで飛んできたのだった。

   「さすがヒノエ君!」 

                                   終


    あれ、ヒノエ君って景時さんの趣味が洗濯だって知ってたんだっけ?(笑)