「どうしたんだい? 誰か探しているのかい? 姫君」
「九郎さんを探しているんだけど、見つからないの」
「オレ以外の男を探しているのには不満はあるけれど、姫君の願いならオレが叶えるよ」
「え、でも屋敷中どこにもいなかったのよ?」
「まぁ、オレにまかしておきなって」
ヒノエは望美とともに客間へ向かう。
すぅっと大きく息を吸う。
「頼朝が来たぞ!」
そう一言叫んだ後、九郎は急いで飛んできたのだった。
「さすがヒノエ君!」
終
九「兄上は、兄上はいずこ!」 望「九郎さん、あのね……」 九「兄上! 兄上ぇぇぇ!」 ヒ「……ごめん、望美。これは失敗だった」 望「……そうだね」