一言 その3


   「どうしたんだい? 誰か探しているのかい? 姫君」

   「九郎さんを探しているんだけど、見つからないの」

   「オレ以外の男を探しているのには不満はあるけれど、姫君の願いならオレが叶えるよ」

   「え、でも屋敷中どこにもいなかったのよ?」

   「まぁ、オレにまかしておきなって」

   ヒノエは望美とともに客間へ向かう。

   すぅっと大きく息を吸う。

   「頼朝が来たぞ!」

   そう一言叫んだ後、九郎は急いで飛んできたのだった。

   「さすがヒノエ君!」 

                                  終


九「兄上は、兄上はいずこ!」
望「九郎さん、あのね……」
九「兄上! 兄上ぇぇぇ!」
ヒ「……ごめん、望美。これは失敗だった」
望「……そうだね」

たぶん九郎さんは本気で兄上を探す事でしょう(^^;)